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3 学園で孤立する私
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学園では・・・・・・
週明けに学園の門をくぐった時点で、冷たい白い目が私を睨んでいました。
「ほら。イレーヌ様がいらしたわよ!親友の恋人を横取りして婚約者に収まるなんてえげつないことなさるのねぇーー」
「しっ! 聞こえるわよぉーー。ずっとオリオン様を狙っていたらしいわ。だから、わざわざ準男爵令嬢のクララ様と仲良くしていたのよ」
「あ、そういうことぉ? すっごい腹黒ぉーー」
身に覚えのない陰口に驚きましたが、そのヒソヒソ話にどう反応して良いのかわかりません。その後クララ様がオリオン様と登校し、私に向かっておっしゃったのです。
「オリオン様がずっと好きだったなんて知らなかったです。私は身を引きますから幸せになってくださいね? でも、・・・・・・オリオン様ともイレーヌ様とも友人でいさせてください」
クララ様のその言葉に唖然としていると、周りの同級生達がさらに騒ぎ出しました。
「クララ様がかわいそーー。酷い女ね? 今まで、優しい方だと思っていたのに・・・・・・」
「侯爵家の威光を振りかざしてカーティス男爵家に迫ったのよ! 高位貴族の横暴よね?」
特に、男爵家の令嬢と子息達が固まって私の悪口をいい始まるのです。いったい、どういうことなのでしょう?
休み時間のたびに来るオリオン様も、寂しげにクララ様に微笑んで言葉を交わした後に、私のもとへやって来ます。その態度は優しく礼儀正しいものでした。
「オリオン様もお辛そうだわ。きっとオズボルト侯爵家に逆らえないのよ」
「オズボルト侯爵家と言えば名門中の名門だものねぇーー」
今度は伯爵家の令嬢達が噂をし始めるのでした。オズボルト侯爵家は確かに公爵家に並ぶほど家格は上位です。そう思われても無理はありませんが、内情は逆です。お父様は無理な事業を次々と立ち上げ、ほとんどが破綻している今は、逆らえないのはカーティス男爵家ではなくオズボルト侯爵家でした。ですが、そのようなことはこの場で申し上げることではありません。
オリオン様とクララ様は想い合いながらも別れざるを得なかったカップルとして同情を浴び、その反動で私は一気に悪女に仕立てあげられたのでした。
私に変わらず優しく接するクララ様は天使なのだそうです。その天使を思い続けて切ない表情を浮かべながら私に接しなければならないオリオン様は悲恋物語の美しい主人公。
その噂は学園中に広まり、社交界でも面白おかしく噂されていくのでした。
週明けに学園の門をくぐった時点で、冷たい白い目が私を睨んでいました。
「ほら。イレーヌ様がいらしたわよ!親友の恋人を横取りして婚約者に収まるなんてえげつないことなさるのねぇーー」
「しっ! 聞こえるわよぉーー。ずっとオリオン様を狙っていたらしいわ。だから、わざわざ準男爵令嬢のクララ様と仲良くしていたのよ」
「あ、そういうことぉ? すっごい腹黒ぉーー」
身に覚えのない陰口に驚きましたが、そのヒソヒソ話にどう反応して良いのかわかりません。その後クララ様がオリオン様と登校し、私に向かっておっしゃったのです。
「オリオン様がずっと好きだったなんて知らなかったです。私は身を引きますから幸せになってくださいね? でも、・・・・・・オリオン様ともイレーヌ様とも友人でいさせてください」
クララ様のその言葉に唖然としていると、周りの同級生達がさらに騒ぎ出しました。
「クララ様がかわいそーー。酷い女ね? 今まで、優しい方だと思っていたのに・・・・・・」
「侯爵家の威光を振りかざしてカーティス男爵家に迫ったのよ! 高位貴族の横暴よね?」
特に、男爵家の令嬢と子息達が固まって私の悪口をいい始まるのです。いったい、どういうことなのでしょう?
休み時間のたびに来るオリオン様も、寂しげにクララ様に微笑んで言葉を交わした後に、私のもとへやって来ます。その態度は優しく礼儀正しいものでした。
「オリオン様もお辛そうだわ。きっとオズボルト侯爵家に逆らえないのよ」
「オズボルト侯爵家と言えば名門中の名門だものねぇーー」
今度は伯爵家の令嬢達が噂をし始めるのでした。オズボルト侯爵家は確かに公爵家に並ぶほど家格は上位です。そう思われても無理はありませんが、内情は逆です。お父様は無理な事業を次々と立ち上げ、ほとんどが破綻している今は、逆らえないのはカーティス男爵家ではなくオズボルト侯爵家でした。ですが、そのようなことはこの場で申し上げることではありません。
オリオン様とクララ様は想い合いながらも別れざるを得なかったカップルとして同情を浴び、その反動で私は一気に悪女に仕立てあげられたのでした。
私に変わらず優しく接するクララ様は天使なのだそうです。その天使を思い続けて切ない表情を浮かべながら私に接しなければならないオリオン様は悲恋物語の美しい主人公。
その噂は学園中に広まり、社交界でも面白おかしく噂されていくのでした。
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