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1 友人の彼が婚約者に
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私はセント・アダム学園の3年生になったばかりです。ここは貴族の子女が通う学園で、私とクララ・アイヤナ準男爵令嬢はとても仲のよい友人でした。
「また、イレーヌ・オズボルト侯爵令嬢とクララ・アイヤナ準男爵令嬢が一緒にいらっしゃるわ。ずいぶん、身分違いの友情だわね?」
「確かにねぇーー。それだけ、イレーヌ様がお優しいのね。あの方は掃除婦のおばさんにまで挨拶なさる、気さくな方ですものね」
「うん、イレーヌ様はとても気品があってお優しいわ。でも、やはり侯爵令嬢と準男爵令嬢では身分が違い過ぎですわ。準男爵令嬢なんて平民と変わらないではありませんか?」
学園の皆様のヒソヒソ話が聞こえてきますが、私は話が合えば友人になるのに身分は関係ないと思っています。
ふわふわしたピンクの髪に綺麗な空色の瞳のクララ様は、カーティス男爵家の次男オリオン様と付き合っていました。
この二人はクラスでも公認の仲で、登下校は必ず一緒です。オリオン様はブラウンの髪と瞳の綺麗なお顔だちで、お二人はお似合いでした。
隣のクラスのオリオン様はたびたび私のクラスまで、クララ様に会いに来ますので、お二人はきっと婚約なさるのだろうと誰もが思っておりました。
「クララ様とオリオン様はいつ婚約なさるの?」
私がお二人にお聞きすると、
「そうね、すぐにでも婚約したいと思っているのよ。ね? オリオン様?」
「うん、そうだね」
お二人は微笑みながら私に答えるのでした。私はもちろんこのお二人を応援しておりました。ところが・・・・・・
☆彡★彡☆彡
「イレーヌの婚約相手はオリオン・カーティス男爵令息に決まったよ」
学園でのあの会話の三日後のことでした。嬉しそうに微笑みながら、お父様はおっしゃったのでした。
「お父様! オリオン様には付き合っていらっしゃるクララ・アイヤナ準男爵令嬢がいますけれど・・・・・・」
「いや、そんなことは関係ない。これは家と家の問題だからな! 明日にはあちらと顔合わせがあるからな」
お父様は一方的におっしゃって執務室に消えていきますし、お母様は全く私の言うことを聞いてはくれません。
「オズボルト侯爵家はお金に困っているのよ! 貴女が嫁ぐことで解決するわ。貴族の娘は家のために嫁ぐのは当たり前です。相手に恋人がいようと関係ありません。貴族に妻の他に愛人がいるのは珍しいことではありません」
お母様は冷たく当然のようにおっしゃったのでした。
「また、イレーヌ・オズボルト侯爵令嬢とクララ・アイヤナ準男爵令嬢が一緒にいらっしゃるわ。ずいぶん、身分違いの友情だわね?」
「確かにねぇーー。それだけ、イレーヌ様がお優しいのね。あの方は掃除婦のおばさんにまで挨拶なさる、気さくな方ですものね」
「うん、イレーヌ様はとても気品があってお優しいわ。でも、やはり侯爵令嬢と準男爵令嬢では身分が違い過ぎですわ。準男爵令嬢なんて平民と変わらないではありませんか?」
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「クララ様とオリオン様はいつ婚約なさるの?」
私がお二人にお聞きすると、
「そうね、すぐにでも婚約したいと思っているのよ。ね? オリオン様?」
「うん、そうだね」
お二人は微笑みながら私に答えるのでした。私はもちろんこのお二人を応援しておりました。ところが・・・・・・
☆彡★彡☆彡
「イレーヌの婚約相手はオリオン・カーティス男爵令息に決まったよ」
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「お父様! オリオン様には付き合っていらっしゃるクララ・アイヤナ準男爵令嬢がいますけれど・・・・・・」
「いや、そんなことは関係ない。これは家と家の問題だからな! 明日にはあちらと顔合わせがあるからな」
お父様は一方的におっしゃって執務室に消えていきますし、お母様は全く私の言うことを聞いてはくれません。
「オズボルト侯爵家はお金に困っているのよ! 貴女が嫁ぐことで解決するわ。貴族の娘は家のために嫁ぐのは当たり前です。相手に恋人がいようと関係ありません。貴族に妻の他に愛人がいるのは珍しいことではありません」
お母様は冷たく当然のようにおっしゃったのでした。
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