(完)従姉妹に「財産目当と爵位狙いめ! 私の居場所を取るな」と泣かれましたが、お金ならあるし爵位に興味はありません

青空一夏

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16 まずは焼きごてとムチ R15

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※R15

※食事中は避けてね





 奥から焼きゴテをもった大男が出てきた。その先端は真っ赤に熱せられ、それが徐々に胸のあたりに迫ってくる。

「通常は腕や背中だが、今回背中をムチ打つから胸に焼きごてを押してやろう。痛みは分散させたほうが楽しめるからな。さぁ、焼きごての味を思う存分味わってくれ」

 わざと恐怖心を煽るように少しづつ近づける男は残忍な笑みを浮かべている。

「ぎゃぁああーー」

 肉の焼け焦げるにおいがあたりに充満し、貴婦人達は一瞬目を背けたが紳士達は平然とこちらを見ていた。

(この時代は娯楽が少ないから、刑の執行自体がショーのようなものだ。待てよ・・・・・・これは舞踏会ではないんだ。わたしを裁くショーでこれから・・・・・・死刑が執行される?)

 妻と娘は腕に焼き印を押され気絶したまま、パーティーホールから連れ出された。



 焼きゴテの男と入れ替わりムチをもった男が近づき、勢いよく背中を打ちつけた。さらには鎖につながれた白い雄ライオンが悠然と歩いてきて私を威嚇した。

「まさかライオンに食われる? 嫌です、嫌だ。こんなのは残酷すぎる。ここはシアニア王国だ。私はオキスト人ですよ? この国で勝手に裁いて良いはずがないんだ」

「あぁ、その点はオキスト国王に許可はとってある。オキスト王国からお前は追放されているよ。これがその書面だ。儂がそれほどマヌケだと思うのか? お前には今不敬罪が追加された。それ以上、しゃべるでない」

「このライオンはアレクサンダーでわたしのペットですよ。人に慣れているしお前など食べさせるわけがない。消化不良でも起こしたら大変だからね」
 王太子殿下に真っ直ぐ進んでいき、大きな猫のようにゴロゴロと喉を鳴らす。黄金の首輪には大きなダイヤまで付いていた。

「歯を食いしばれ。失神したら冷水をかける。ムチ打ちの続きを始めろ!」
 国王陛下がさっと手を上げ、容赦なくまたムチが振り下ろされた。

 打ち付けられる度に皮膚が裂け血が飛び散る。痛いというよりは背中が焼かれるような感覚だ。

(助けてくれ。ムチうちなんて酷い。痛い、痛い、痛すぎるぅーー)

 だが、これはほんの序章に過ぎなかった・・・・・・

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