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中編 クズの親もクズだった
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私は携帯を取り出しその会話を録音、寝室の扉を開けて無言で録画もしてみたわ。やはり証拠は大事だもの。
「え? きゃぁーー! ちょっと、なに録画しているのよ? 止めてよ! いくらなんでも人権侵害よ」
「ぷっ、人権侵害? アンタはそれ以上のことを今しているけどね? こういうのをなんて言えばいいのかしらねぇ? 領域侵害? 陣地侵害? 聖域侵害? 家庭保全侵害危険物体に人権なんてないわよ!」
「うわぁーー! サシャ? お前、なんでここに? なんで、いきなり帰ってくるんだよ! 普通は帰る前に電話をいれるべきだろう? 今はこういう文明の機器があるんだ! なんで俺達を嵌めるんだ?」
「私が悪いのですか? 自分の住む屋敷にいきなり帰ってきてはいけないルールなんてありました?」
「子供が産めなかったサシャが悪いでしょう?」
マリーは痛いところをえぐってくる。
「そうだ! 連絡もしないでいきなり帰ってくるお前が悪い」
これは屁理屈! ダメージで言えばノーカウント。ただムカつき度はアップした。
二人は口々に私を責め立てる。
ーーだったら裁判でもなんでもやってみましょうか?
「わかりました。でしたら、この証拠は全部有効活用させていただきますね! 次に会うのは法廷で!」
私は荷物をさっさとまとめて、実家のデルモント侯爵家に帰った。
「お母様、ただいま戻りました!」
「あら、まぁ。どうしたというの?」
「この携帯の動画をどうぞ」
そこに映し出されている画像を見るなりお母様はニヤリと笑った。
「サシャを怒らせたらまずいのに。この人達はわかっているの?」
「いいえ、少しも・・・・・・あははは! わかっていないようですわ」
携帯にうつる義母からのメールの文面に思わず笑った私だ。
ーー夫のアークが味方にしたくて急いで親に電話したのだろう。
サシャさん。息子が女を屋敷に連れ込んでいたという事件は聞きましたよ。けれど貴女にも責任はあるんじゃなくて? こちらが涼しいからってサラドレ伯爵家の別荘に月の半分も来ていれば寂しいに決まっていますよ。これはあなたにも原因があるのよ?
――誰の為に別荘に行ったと思っているのよ? ならば、全力で潰して良いですよね?
私は裁判に持ち込むことを先方に通知した。
突然押しかけてきた義両親。
――ご病気ではなかったんですか? 義母は杖もなく歩いてくるし、義父は曲がっていた腰がきっちり伸びていた。
「あら、まぁ。いきなり元気になったんですね? 良かったこと」
「そんなことはどうでもよろしい! 裁判沙汰にするのだけは止めてちょうだい
! 良い笑い者になってしまうわ。貴女だって親友に寝取られた間抜けな女と言われるのよ?」
「うふふ。そうですね? 夫が浮気しているのにその義両親のお世話をしに往復4時間もかけて通っていた私ほど愚か者はいないでしょうね?」
「そ、そんなことは、嫁なんだから当たり前でしょう!」
「当たり前ですか・・・・・・だったら不倫した夫を訴えるのも当たり前の嫁の権利です」
「くっ。いいですか? 女はこういったことには耐える必要があります!」
私は数日前までは仲良しだと思っていた義母の瞳をじっと見つめて、ふわりと微笑んでやった。
「そういえば、お義父様はあの隣の別荘のお祖母様と毎週お散歩してますわよ。もうそのお歳ですし今まで黙っていることが家庭円満と思っていましたが、その言葉を聞いて気を使う必要がないと気がつきました。お義母様は耐えられる方なのですものね? お義父様の彼女は一人ではありませんよ。多分3人? でも、耐えてくださいね? 女はこういったことには耐える必要があるのでしょう?」
「え? きゃぁーー! ちょっと、なに録画しているのよ? 止めてよ! いくらなんでも人権侵害よ」
「ぷっ、人権侵害? アンタはそれ以上のことを今しているけどね? こういうのをなんて言えばいいのかしらねぇ? 領域侵害? 陣地侵害? 聖域侵害? 家庭保全侵害危険物体に人権なんてないわよ!」
「うわぁーー! サシャ? お前、なんでここに? なんで、いきなり帰ってくるんだよ! 普通は帰る前に電話をいれるべきだろう? 今はこういう文明の機器があるんだ! なんで俺達を嵌めるんだ?」
「私が悪いのですか? 自分の住む屋敷にいきなり帰ってきてはいけないルールなんてありました?」
「子供が産めなかったサシャが悪いでしょう?」
マリーは痛いところをえぐってくる。
「そうだ! 連絡もしないでいきなり帰ってくるお前が悪い」
これは屁理屈! ダメージで言えばノーカウント。ただムカつき度はアップした。
二人は口々に私を責め立てる。
ーーだったら裁判でもなんでもやってみましょうか?
「わかりました。でしたら、この証拠は全部有効活用させていただきますね! 次に会うのは法廷で!」
私は荷物をさっさとまとめて、実家のデルモント侯爵家に帰った。
「お母様、ただいま戻りました!」
「あら、まぁ。どうしたというの?」
「この携帯の動画をどうぞ」
そこに映し出されている画像を見るなりお母様はニヤリと笑った。
「サシャを怒らせたらまずいのに。この人達はわかっているの?」
「いいえ、少しも・・・・・・あははは! わかっていないようですわ」
携帯にうつる義母からのメールの文面に思わず笑った私だ。
ーー夫のアークが味方にしたくて急いで親に電話したのだろう。
サシャさん。息子が女を屋敷に連れ込んでいたという事件は聞きましたよ。けれど貴女にも責任はあるんじゃなくて? こちらが涼しいからってサラドレ伯爵家の別荘に月の半分も来ていれば寂しいに決まっていますよ。これはあなたにも原因があるのよ?
――誰の為に別荘に行ったと思っているのよ? ならば、全力で潰して良いですよね?
私は裁判に持ち込むことを先方に通知した。
突然押しかけてきた義両親。
――ご病気ではなかったんですか? 義母は杖もなく歩いてくるし、義父は曲がっていた腰がきっちり伸びていた。
「あら、まぁ。いきなり元気になったんですね? 良かったこと」
「そんなことはどうでもよろしい! 裁判沙汰にするのだけは止めてちょうだい
! 良い笑い者になってしまうわ。貴女だって親友に寝取られた間抜けな女と言われるのよ?」
「うふふ。そうですね? 夫が浮気しているのにその義両親のお世話をしに往復4時間もかけて通っていた私ほど愚か者はいないでしょうね?」
「そ、そんなことは、嫁なんだから当たり前でしょう!」
「当たり前ですか・・・・・・だったら不倫した夫を訴えるのも当たり前の嫁の権利です」
「くっ。いいですか? 女はこういったことには耐える必要があります!」
私は数日前までは仲良しだと思っていた義母の瞳をじっと見つめて、ふわりと微笑んでやった。
「そういえば、お義父様はあの隣の別荘のお祖母様と毎週お散歩してますわよ。もうそのお歳ですし今まで黙っていることが家庭円満と思っていましたが、その言葉を聞いて気を使う必要がないと気がつきました。お義母様は耐えられる方なのですものね? お義父様の彼女は一人ではありませんよ。多分3人? でも、耐えてくださいね? 女はこういったことには耐える必要があるのでしょう?」
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