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5 再教育か棄てるかどっち? 修行に出そう(ソフィアのお母様視点)
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「あぁ、まずは、マリは当然のことながらクビですよ。いますぐ、荷物をまとめて出て行きなさい」
私は、酷なようだけれど迷わずに決断した。
「あぁ、そんなぁーー。ここは、とても条件が良くて、お給料もとても良かったのに・・・・・・お願いです・・・・・・月に30万ダランいただける職場などここしかありません」
30万ダラン? このマリは雑用女のはず。相場は月に10万ダランがいいところなのに・・・・・・なぜ30万ダラン? 一人前の侍女の給料でも20万ダランなのに!
「なぜ、30万ダラン? ソフィアや! この者の給料は10万ダランでしょう?」
「マリは雑用女の給料ですから8万ダランしかあげていないはずですわ。だって、仕事といえばほんとに雑用をするだけで、洗濯女やコックは別にいますし、掃除をする者も別にいますから・・・・・・」
私達は、ダニエルをじっと見て舌打ちをした。犯人はこいつか・・・・・・
全く、私も一人娘のソフィアがかわいくて、この男を夫にすることを、つい許してしまった。
大事な、大事な跡取り娘が惚れた男なら悪さをしなければ、ダニエル様でもいいかと思ったのだ。
ソフィアは優秀で商才はあるし、五カ国語を話せる才女だった。自慢の娘も、男選びの才能はなかったようだ。
これは、私の失態だわ。
ソフィアには、たくさんの一流の家庭教師をつけていた。
この世界では15歳で成人扱いだから13歳ともなれば、跡取り娘は、母屋とは別に屋敷を建ててもらえて、そこに使用人を雇い住むことができた。
この男が来たときに、少しでも、厳しく教育し立場をわからせてやれば良かったのに・・・
こんなぼんくらになってしまっては、後の祭りか・・・・・・
*:゚+。.☆
「ダニエル様。マリのお給料を水増ししたのは貴方ですか? そのお金はどこから?」
「あぁ、それは、もちろん私のお金からだ。私は、いつもソフィアからお小遣いをもらっている。そのなかで、少しだけ余計にたしてやっただけだ。マリはよく働くからな」
働き方が違う気もしたが、まぁいいとして。お小遣い?
「ソフィア! ダニエル様になにか仕事をまかせたことは?」
まさか、この婿はなにもしていなかったわけではあるまい・・・・・・
「仕事・・・・・・ダニエル様は数字を見ると頭が痛くなると言うので経理関係の書類を扱わせるのは諦めました。取引先との打ち合わせに使う資料や書類作成をお願いすると、きまって腹痛をおこすのでそれも諦めました・・・・・・力仕事も、筋トレのダンベルは軽々と持ち上げるのですが、雑穀が入った麻袋などは腰がぬけるとおっしゃって・・・・・・ダニエル様は虚弱体質でかわいそうな方なのです」
「ソフィア! それは、ただの怠け者です」
あれほど、仕事を完璧にこなし、取引に関係する使用人や従業員には厳しいソフィアが、こんなバカ婿の寝言のような言い訳を信じるとは・・・・・・恋は盲目とはこのことか・・・・・・
「ダニエル様、貴方は取引先に半年か一年ほど修行に行きなさい! 反省して生活を改めなければいけません」
翌日、私は、手頃な取引先に出向き、要件を伝えた。
「うちの婿殿を修行のために預かってもらえませんか? 職場は綺麗な女性がたくさんいる部署に配置してください。住むところも、歓楽街に近い場所を用意して・・・・・・」
取引先の社長は、狸のような笑顔で、
「あぁ、追い出したいのですね? うちの息子も、そちらに修行に出したいのですがねぇ」
と言ったのだった。
私は、酷なようだけれど迷わずに決断した。
「あぁ、そんなぁーー。ここは、とても条件が良くて、お給料もとても良かったのに・・・・・・お願いです・・・・・・月に30万ダランいただける職場などここしかありません」
30万ダラン? このマリは雑用女のはず。相場は月に10万ダランがいいところなのに・・・・・・なぜ30万ダラン? 一人前の侍女の給料でも20万ダランなのに!
「なぜ、30万ダラン? ソフィアや! この者の給料は10万ダランでしょう?」
「マリは雑用女の給料ですから8万ダランしかあげていないはずですわ。だって、仕事といえばほんとに雑用をするだけで、洗濯女やコックは別にいますし、掃除をする者も別にいますから・・・・・・」
私達は、ダニエルをじっと見て舌打ちをした。犯人はこいつか・・・・・・
全く、私も一人娘のソフィアがかわいくて、この男を夫にすることを、つい許してしまった。
大事な、大事な跡取り娘が惚れた男なら悪さをしなければ、ダニエル様でもいいかと思ったのだ。
ソフィアは優秀で商才はあるし、五カ国語を話せる才女だった。自慢の娘も、男選びの才能はなかったようだ。
これは、私の失態だわ。
ソフィアには、たくさんの一流の家庭教師をつけていた。
この世界では15歳で成人扱いだから13歳ともなれば、跡取り娘は、母屋とは別に屋敷を建ててもらえて、そこに使用人を雇い住むことができた。
この男が来たときに、少しでも、厳しく教育し立場をわからせてやれば良かったのに・・・
こんなぼんくらになってしまっては、後の祭りか・・・・・・
*:゚+。.☆
「ダニエル様。マリのお給料を水増ししたのは貴方ですか? そのお金はどこから?」
「あぁ、それは、もちろん私のお金からだ。私は、いつもソフィアからお小遣いをもらっている。そのなかで、少しだけ余計にたしてやっただけだ。マリはよく働くからな」
働き方が違う気もしたが、まぁいいとして。お小遣い?
「ソフィア! ダニエル様になにか仕事をまかせたことは?」
まさか、この婿はなにもしていなかったわけではあるまい・・・・・・
「仕事・・・・・・ダニエル様は数字を見ると頭が痛くなると言うので経理関係の書類を扱わせるのは諦めました。取引先との打ち合わせに使う資料や書類作成をお願いすると、きまって腹痛をおこすのでそれも諦めました・・・・・・力仕事も、筋トレのダンベルは軽々と持ち上げるのですが、雑穀が入った麻袋などは腰がぬけるとおっしゃって・・・・・・ダニエル様は虚弱体質でかわいそうな方なのです」
「ソフィア! それは、ただの怠け者です」
あれほど、仕事を完璧にこなし、取引に関係する使用人や従業員には厳しいソフィアが、こんなバカ婿の寝言のような言い訳を信じるとは・・・・・・恋は盲目とはこのことか・・・・・・
「ダニエル様、貴方は取引先に半年か一年ほど修行に行きなさい! 反省して生活を改めなければいけません」
翌日、私は、手頃な取引先に出向き、要件を伝えた。
「うちの婿殿を修行のために預かってもらえませんか? 職場は綺麗な女性がたくさんいる部署に配置してください。住むところも、歓楽街に近い場所を用意して・・・・・・」
取引先の社長は、狸のような笑顔で、
「あぁ、追い出したいのですね? うちの息子も、そちらに修行に出したいのですがねぇ」
と言ったのだった。
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