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4 私はこの旦那様をどうすればよかったのだろう?(ソフィア視点)
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ダニエル様が我が家にいらした時には、まだ8歳ぐらいだったかしら?
王家の血筋の公爵家の次男だった彼は、綺麗な子供だった。
私は、国一番の豪商ローレヌ家の跡取り娘だった。このダニエル様を一目で気に入り、私が所有する屋敷に連れ帰った。
ダニエルの公爵家は、当主夫妻と嫡男が不幸な事故でなくなりローレヌ家に対する借金だけが残った。贅沢で知られる公爵夫人は、お金を使うことしかしなかったらしい。莫大な借金に、王家は知らんぷりを決め込んだ。
「王族だからと言って、もう臣下にくだった者達の借金までは責任は持てない」
これが、ダニエル様に対するこの国の王と隣国の王の反応だった。
「この幼いダニエル様を、奴隷として売り飛ばすのもかわいそうだし。どうしたものかな・・・・・・お金を回収するにはお金持ちに売り飛ばす事だが・・・・・・そうすると・・・・・・」
私は、その先の想像を子供ながらにして、吐き気がした。
当時、5歳上の13歳だった私は両親にお願いした。
「この方は、私の屋敷に連れて行きます。夫にしたいと思います。悪い話ではないでしょう? いくら、没落したとはいえ、血筋は確かです。私が身ごもれば、その子が公爵の名を名乗れるようにお家を復興させればよろしいのでは?」
「え? まだ、ダニエル様は8才ですよ? 教育はどうするのです? 貴族学校に行かせるには公爵家を先に立て直さないと・・・・・・」
「私が教えますわ。家庭教師から学んだことを教えます。立派にお婿さんになるように私が教育します!」
新聞や雑誌は、ダニエル様が傷つく記事は切りとってお渡していた。
新聞には公爵家の一覧があったり、ローレヌ家跡取りの私の話題も書いてあることが多かったから。
この屋敷の主はダニエル様だと教えて、とても甘やかした結果が・・・・・・これだった。
私は、この綺麗な子供、そして今では素晴らしく麗しい貴公子が大好きだったから・・・・・・
「ダニエル様、貴方はこのローレヌ家への借金しかない公爵家も没落した立場です。この世界で、没落したとは、貴族としての税金を王家に収められず公爵の地位を一時的にとりあげられた立場をいいます。貴方の両親もお兄様もすでに、この世にはいらっしゃいません」
私は、なるべく、穏やかな声で事実を教えてさしあげた。
ところが、ダニエル様は蕩けるような笑顔を見せた。
「嘘だ! そんなはずはない! あぁ、・・・・・・もしも、そうだとしてもだ・・・・・・この血筋がほしくて婿にしたのなら私を当主にするべきだ! 即刻、当主の変更をお願いしたい! もし、ダメだとしてもだ、ソフィアが当主だろうと結果は変らない。 だって、私こそは、ソフィアが最も愛する大事な男なのだから! 当主が尊敬して愛する夫が実権を握るのが道理だ! 我ながら、なんて完璧な結論だ」
王家の血筋の公爵家の次男だった彼は、綺麗な子供だった。
私は、国一番の豪商ローレヌ家の跡取り娘だった。このダニエル様を一目で気に入り、私が所有する屋敷に連れ帰った。
ダニエルの公爵家は、当主夫妻と嫡男が不幸な事故でなくなりローレヌ家に対する借金だけが残った。贅沢で知られる公爵夫人は、お金を使うことしかしなかったらしい。莫大な借金に、王家は知らんぷりを決め込んだ。
「王族だからと言って、もう臣下にくだった者達の借金までは責任は持てない」
これが、ダニエル様に対するこの国の王と隣国の王の反応だった。
「この幼いダニエル様を、奴隷として売り飛ばすのもかわいそうだし。どうしたものかな・・・・・・お金を回収するにはお金持ちに売り飛ばす事だが・・・・・・そうすると・・・・・・」
私は、その先の想像を子供ながらにして、吐き気がした。
当時、5歳上の13歳だった私は両親にお願いした。
「この方は、私の屋敷に連れて行きます。夫にしたいと思います。悪い話ではないでしょう? いくら、没落したとはいえ、血筋は確かです。私が身ごもれば、その子が公爵の名を名乗れるようにお家を復興させればよろしいのでは?」
「え? まだ、ダニエル様は8才ですよ? 教育はどうするのです? 貴族学校に行かせるには公爵家を先に立て直さないと・・・・・・」
「私が教えますわ。家庭教師から学んだことを教えます。立派にお婿さんになるように私が教育します!」
新聞や雑誌は、ダニエル様が傷つく記事は切りとってお渡していた。
新聞には公爵家の一覧があったり、ローレヌ家跡取りの私の話題も書いてあることが多かったから。
この屋敷の主はダニエル様だと教えて、とても甘やかした結果が・・・・・・これだった。
私は、この綺麗な子供、そして今では素晴らしく麗しい貴公子が大好きだったから・・・・・・
「ダニエル様、貴方はこのローレヌ家への借金しかない公爵家も没落した立場です。この世界で、没落したとは、貴族としての税金を王家に収められず公爵の地位を一時的にとりあげられた立場をいいます。貴方の両親もお兄様もすでに、この世にはいらっしゃいません」
私は、なるべく、穏やかな声で事実を教えてさしあげた。
ところが、ダニエル様は蕩けるような笑顔を見せた。
「嘘だ! そんなはずはない! あぁ、・・・・・・もしも、そうだとしてもだ・・・・・・この血筋がほしくて婿にしたのなら私を当主にするべきだ! 即刻、当主の変更をお願いしたい! もし、ダメだとしてもだ、ソフィアが当主だろうと結果は変らない。 だって、私こそは、ソフィアが最も愛する大事な男なのだから! 当主が尊敬して愛する夫が実権を握るのが道理だ! 我ながら、なんて完璧な結論だ」
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