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7-2 コリーヌR15末路(おまけ)
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※こちらはR15です。性的表現がありますし、下品ですので、ご注意ください。こちらは読みたい方だけ、お読みください。
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実際のところ、コリーヌはサトボネラ伯爵家の借金返済のために、娼館に売られていた。高級娼館と呼ばれているところで、面識のあった貴族の子息も頻繁にやって来た。
「傲慢なサトボネラ伯爵令嬢が抱けるなんて、嬉しいよ。君は自分より下の爵位の俺を、ずいぶん見下していたよな? それが今じゃどうだい? 娼婦にまで転落だ。ざまぁないね」
「汚い手で触らないでよ!」
「黙れ! 俺は君が忌み嫌うパネル男爵家の三男だ。散々、男爵家をバカにしていたよな? 見下していた男から抱かれる気分は格別だろう? さぁ、口を開けろ」
「やめてよっ。そんなもの、咥えたくない。気持ち悪い!」
「おい、誰に口をきいてるんだよ? 君はもう伯爵令嬢じゃないんだ。ただの娼婦さ。普通の平民より、さらに下の、金で身を売る下賎な女なんだよ」
コリーヌは屈辱に震えながら、時間が過ぎるのを待った。悪夢のような時間が終わり、ほっと一息つこうとしても、すぐに次の客が来てしまう。
「なかなか売れっ子になったわね。あなた、生意気な伯爵令嬢で有名だったのですって? 一年先まで予約が埋まってしまうほど、伯爵家より低い爵位の方々が次々と予約してくれたわ。よっぽど、あなたで鬱憤を晴らしたいのかしら。店としては売り上げが伸びて万々歳よ。しっかり、働きなさいね」
娼館の女主人がほくほく顔で、声をかけた。
「もしかして、一年もずっと働きっぱなし、ということですか? 身体が壊れてしまうわ。休みはないの?」
「売れるうちに稼がなくてどうするの? 大丈夫、大丈夫。そのうち、飽きられて暇になるわよ。娼婦は性病にもなりやすいしね。いつ死ぬかわからないのに、休ませてなんかいられないわ」
「嘘・・・・・・それじゃぁ、娼婦は使い捨てなの?」
「大事にされたかったら、太客を見つけることよ。太客がつけば休みもあげるし、なんでも叶うわよ」
「どうすれば見つけられますか?」
「それは自分で考えることね。あなたが金づるにされそうな、見栄えの良い若い男はダメよ。年寄りの小汚いお爺さんで、貯金が趣味みたいな平民がお勧めね。同じ年寄りでも爵位があって品の良い紳士タイプは、次々と若い女に乗り換えるし飽きっぽいから要注意」
「えっ・・・・・・年寄りの小汚いお爺さん、じゃないとダメですか。そんなの無理だわ。絶対、愛せないもの」
「愛ですって? 娼婦は愛なんて信じたらいけないわ。信じていいのはお金だけよ。愛せるかが問題じゃないのよ。愛されて大事にされるかが問題なの。わかっていないわね」
「私は違う。きっと、ここから出て行くんだから。絶対、王子様みたいな男性が、私をここから救い出してくれるのよ」
娼館の女主人は苦笑いをしてつぶやいた。
「やれやれ。きっと、地獄を見るわね」
☆彡 ★彡
それから二年の歳月が経った。コリーヌには王子様が見つかった。しかし、彼は王子様ではなく、女性から金を貢がせる顔が良いだけの詐欺師だった。コリーヌの稼ぎを甘い言葉でむしり取り、優しい言葉だけをささやく悪魔だ。しかし、コリーヌは気づかない。
「うふふふっ。私、この人と結婚するのよ。だって、約束してくれたもの。もっと良いところへ連れて行ってくれるって」
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※コリーヌのざまぁ、はここまでです。次回はレベッカです。
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実際のところ、コリーヌはサトボネラ伯爵家の借金返済のために、娼館に売られていた。高級娼館と呼ばれているところで、面識のあった貴族の子息も頻繁にやって来た。
「傲慢なサトボネラ伯爵令嬢が抱けるなんて、嬉しいよ。君は自分より下の爵位の俺を、ずいぶん見下していたよな? それが今じゃどうだい? 娼婦にまで転落だ。ざまぁないね」
「汚い手で触らないでよ!」
「黙れ! 俺は君が忌み嫌うパネル男爵家の三男だ。散々、男爵家をバカにしていたよな? 見下していた男から抱かれる気分は格別だろう? さぁ、口を開けろ」
「やめてよっ。そんなもの、咥えたくない。気持ち悪い!」
「おい、誰に口をきいてるんだよ? 君はもう伯爵令嬢じゃないんだ。ただの娼婦さ。普通の平民より、さらに下の、金で身を売る下賎な女なんだよ」
コリーヌは屈辱に震えながら、時間が過ぎるのを待った。悪夢のような時間が終わり、ほっと一息つこうとしても、すぐに次の客が来てしまう。
「なかなか売れっ子になったわね。あなた、生意気な伯爵令嬢で有名だったのですって? 一年先まで予約が埋まってしまうほど、伯爵家より低い爵位の方々が次々と予約してくれたわ。よっぽど、あなたで鬱憤を晴らしたいのかしら。店としては売り上げが伸びて万々歳よ。しっかり、働きなさいね」
娼館の女主人がほくほく顔で、声をかけた。
「もしかして、一年もずっと働きっぱなし、ということですか? 身体が壊れてしまうわ。休みはないの?」
「売れるうちに稼がなくてどうするの? 大丈夫、大丈夫。そのうち、飽きられて暇になるわよ。娼婦は性病にもなりやすいしね。いつ死ぬかわからないのに、休ませてなんかいられないわ」
「嘘・・・・・・それじゃぁ、娼婦は使い捨てなの?」
「大事にされたかったら、太客を見つけることよ。太客がつけば休みもあげるし、なんでも叶うわよ」
「どうすれば見つけられますか?」
「それは自分で考えることね。あなたが金づるにされそうな、見栄えの良い若い男はダメよ。年寄りの小汚いお爺さんで、貯金が趣味みたいな平民がお勧めね。同じ年寄りでも爵位があって品の良い紳士タイプは、次々と若い女に乗り換えるし飽きっぽいから要注意」
「えっ・・・・・・年寄りの小汚いお爺さん、じゃないとダメですか。そんなの無理だわ。絶対、愛せないもの」
「愛ですって? 娼婦は愛なんて信じたらいけないわ。信じていいのはお金だけよ。愛せるかが問題じゃないのよ。愛されて大事にされるかが問題なの。わかっていないわね」
「私は違う。きっと、ここから出て行くんだから。絶対、王子様みたいな男性が、私をここから救い出してくれるのよ」
娼館の女主人は苦笑いをしてつぶやいた。
「やれやれ。きっと、地獄を見るわね」
☆彡 ★彡
それから二年の歳月が経った。コリーヌには王子様が見つかった。しかし、彼は王子様ではなく、女性から金を貢がせる顔が良いだけの詐欺師だった。コリーヌの稼ぎを甘い言葉でむしり取り、優しい言葉だけをささやく悪魔だ。しかし、コリーヌは気づかない。
「うふふふっ。私、この人と結婚するのよ。だって、約束してくれたもの。もっと良いところへ連れて行ってくれるって」
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※コリーヌのざまぁ、はここまでです。次回はレベッカです。
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