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38 礼子さんに妊活の報告
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「柊君! 私達、子供をつくろう!」
「うん。僕たちの赤ちゃんを礼子さんに抱いてもらいたいよね!」
私達は啓吾先生や真美さんにも相談したんだ。もちろん、二人は大賛成してくれた。
「二人とも若いから特別なことをしなくても、自然に妊娠はできると思うけれど一応婦人科で診察もした方がいいかもしれないね。柊も子供ができるか調べたほうがいいだろう」
啓吾先生は私達にそう説明すると、早速近くの病院を検索してくれていた。
「地元なら知り合いの医師も多いからすぐにでも頼めるんだが、都内だとあまり知り合いがいないからなぁ」
柊君のお父さんの啓吾先生は地元の大学の医学部出身で、県外から出たことはないと言った。
「どこの病院でもいいです。まずは、私達が子供ができる身体か、調べたほうがいいってことですよね?」
そう言えば健一叔父さんと真美さんも不妊治療をしたことがあったけれど、結局は諦めたみたいなことを言っていたっけ。
子供ができないって考えてみたこともなかったし、実際それで悩んでいる人も少なくないって聞いてびっくりした。
それから数日後、婦人科でした検査や柊君の検査でお互い健康体であることがわかった。まずは自然な形での妊活ということで基礎体温を毎日つけることになった。
それによって、妊娠しやすい日がわかるんだって。しなきゃいけない日が決められるって、儀式みたいで嫌だなって思ったけれど、礼子さんに絶対赤ちゃんを見せてあげたいから私達は頑張ることにした。
礼子さんは、しばらく入院していたけれど定期的に病院に通うことで、いったんはマンションに戻った。
この手術の結果は礼子さんに医師から伝えられた。礼子さんが本当の病状を知りたがったそうだ。
「あと1年・・・・・・もっと生きていたいけれど紬ちゃんという娘がもてて、とても幸せだったわ。ごめんね、紬ちゃんの子供を抱いて皆で花火が見たかったけれど・・・・・・でも最期の時まで精一杯生きるわ!」
「・・・・・・私ね、妊活することにした! 私の子供に名前をつけて抱っこしてほしいんだ! だから、お願い! そこまで生きていてほしいよ。絵の個展の話もいただいていて、この前のコンクールにも入賞したよ。お母さんに負けないくらい、私も有名になっていつかは絶対追い越してみせる! 本当は、そうなるのをずっと見ていて欲しかったけど・・・・・・」
そう言いながら、やっぱり私は泣いていた。
「妊活? ふふふっ。無理をしなくていいのよ。自然にできればいいし、紬ちゃんが幸せになってくれればそれでいいのよ。さて、忙しくなるわ。力が尽きるまで絵筆を握るのと、遺産の管理もいろいろきっちりしないとね。全てを紬ちゃんに残すわ。実はもう遺言状も弁護士に預けてあるわ」
「え? 遺言状? 遺産なんて・・・・・・要らないよ・・・・・・お母さんが死んだあとのことなんか言わないでよ」
「ふふっ。大丈夫だよ。死んだって、いなくなるわけじゃないから。ずっといるよ。紬ちゃんの心の中にね!」
そう言いながら微笑む礼子さんは、余命1年にはあまりに若すぎて綺麗な女性だった。
私は、時間の流れをとめたい。このまま、時間が止まればいいのに!!
「うん。僕たちの赤ちゃんを礼子さんに抱いてもらいたいよね!」
私達は啓吾先生や真美さんにも相談したんだ。もちろん、二人は大賛成してくれた。
「二人とも若いから特別なことをしなくても、自然に妊娠はできると思うけれど一応婦人科で診察もした方がいいかもしれないね。柊も子供ができるか調べたほうがいいだろう」
啓吾先生は私達にそう説明すると、早速近くの病院を検索してくれていた。
「地元なら知り合いの医師も多いからすぐにでも頼めるんだが、都内だとあまり知り合いがいないからなぁ」
柊君のお父さんの啓吾先生は地元の大学の医学部出身で、県外から出たことはないと言った。
「どこの病院でもいいです。まずは、私達が子供ができる身体か、調べたほうがいいってことですよね?」
そう言えば健一叔父さんと真美さんも不妊治療をしたことがあったけれど、結局は諦めたみたいなことを言っていたっけ。
子供ができないって考えてみたこともなかったし、実際それで悩んでいる人も少なくないって聞いてびっくりした。
それから数日後、婦人科でした検査や柊君の検査でお互い健康体であることがわかった。まずは自然な形での妊活ということで基礎体温を毎日つけることになった。
それによって、妊娠しやすい日がわかるんだって。しなきゃいけない日が決められるって、儀式みたいで嫌だなって思ったけれど、礼子さんに絶対赤ちゃんを見せてあげたいから私達は頑張ることにした。
礼子さんは、しばらく入院していたけれど定期的に病院に通うことで、いったんはマンションに戻った。
この手術の結果は礼子さんに医師から伝えられた。礼子さんが本当の病状を知りたがったそうだ。
「あと1年・・・・・・もっと生きていたいけれど紬ちゃんという娘がもてて、とても幸せだったわ。ごめんね、紬ちゃんの子供を抱いて皆で花火が見たかったけれど・・・・・・でも最期の時まで精一杯生きるわ!」
「・・・・・・私ね、妊活することにした! 私の子供に名前をつけて抱っこしてほしいんだ! だから、お願い! そこまで生きていてほしいよ。絵の個展の話もいただいていて、この前のコンクールにも入賞したよ。お母さんに負けないくらい、私も有名になっていつかは絶対追い越してみせる! 本当は、そうなるのをずっと見ていて欲しかったけど・・・・・・」
そう言いながら、やっぱり私は泣いていた。
「妊活? ふふふっ。無理をしなくていいのよ。自然にできればいいし、紬ちゃんが幸せになってくれればそれでいいのよ。さて、忙しくなるわ。力が尽きるまで絵筆を握るのと、遺産の管理もいろいろきっちりしないとね。全てを紬ちゃんに残すわ。実はもう遺言状も弁護士に預けてあるわ」
「え? 遺言状? 遺産なんて・・・・・・要らないよ・・・・・・お母さんが死んだあとのことなんか言わないでよ」
「ふふっ。大丈夫だよ。死んだって、いなくなるわけじゃないから。ずっといるよ。紬ちゃんの心の中にね!」
そう言いながら微笑む礼子さんは、余命1年にはあまりに若すぎて綺麗な女性だった。
私は、時間の流れをとめたい。このまま、時間が止まればいいのに!!
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