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11 最終話 ママになれたアナスタシア
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「あぁ、これは下手なミュージカルより全然面白いわ!」
「あっはははは! 妊娠まで嘘なのか! やるなぁ~~」
見物人が笑い転げて給仕がお代わりのシャンパンをついでまわる。
「ちっくしょう。騙しやがったな! どうしてくれるんだよ! このクソ女!」
「なによ! 騙されるアンタの頭がおかしいのよ。だいたい、妊娠しているかどうかなんてわかりそうなものじゃない。普通はお腹見せてとか、いろいろ言うはずだけど何にもないし、そもそも最初の3回めで不能になったわよねぇ?」
その言葉に紳士達がどっと笑い「どんまい! アラン!」と誰かがヤジまで飛ばした。そう、アランはできない男なのだ。月に一回できれば良い方で、私も結婚当初に3回ぐらいしたけれど、あとはまともにできたことはない。
「まぁ、それでよくアナスタシアを子供も産めないとかって罵れたわね! 夫としての役目も果たせなかったくせに! 役立たずはイーサ伯爵じゃない!」
「うわぁ、最悪! なんてかっこ悪いの!」
「恥ずかしぃーー男!」
その中で1番喜んでいるのは隣にいたウリエルだった。
「そうか。アランができない男で良かった。私の大事なアナスタシアに何度も触られたなんて、その数だけ殴りたいものね。3回、後で殴っておかなきゃ。ところで、国王陛下。お願いがあります! こんなくだらないお下劣な茶番劇だけでなく、純愛劇もここでさせてください」
「純愛? ふむ、・・・・・・面白いな。公開プロポーズなら大歓迎だ!」
「はい! では、アナスタシア! 私と結婚してくださいませんか? ずっと愛してたんだ。友人であり良きライバルで共同経営者のシェルビー! これからは私達の家庭を築いていこう!」
「・・・・・・そうね! 賛成だわ」
「「うわぁ。おめでとう!」」
「「おめでとう!」」
「待てよ! アナスタシアが再婚したら僕がもらえるお金はどうなるんだ!」
アランが叫んだ。
「まだわけのわからないことを言っているのか、この男は。まぁ、精神病でも手足はついている。炭鉱ほりぐらいできるよな。連れて行け」
国王陛下は呆れて首を振っている。
「あ、その女は娼館におくってさしあげろ。天職だと思う。ほら、あのなんちゃっての娼館がいいかもですな。いろんな職業にコスプレする・・・・・・詐欺師にぴったり」
宰相様が名案だとばかりに提案した。
「ふむ。イーサ伯爵は爵位を剥奪し、その一族はその女の親類縁者とみなし全て炭鉱で働き、被害者に賠償金を払うこと。その女は宰相が言ったように娼館に行かせればよし。以上だ!」
国王陛下の言葉にアランと女は、膝から崩れ落ちた。
ꕤ୭*
私達はお互い見つめ合って手をそっと繋いだ。
「お帰り、シェルビー! アランとの悪夢は3日で忘れさせてあげるよ」
その言葉どおりに3日ではなく3時間で忘れさせてくれたウリエルは、やっぱりオカマさんではなかったことが証明されて、私は翌年にはママになれたのだった。
完
❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ❦ஐ*:.٭ ٭:.*ஐೄ
以下、宣伝です。
新作 お姉様は私が助けますわークズな男に天誅
よろしければ、お読みくださいませ🌷🌷🌷
「あっはははは! 妊娠まで嘘なのか! やるなぁ~~」
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「まぁ、それでよくアナスタシアを子供も産めないとかって罵れたわね! 夫としての役目も果たせなかったくせに! 役立たずはイーサ伯爵じゃない!」
「うわぁ、最悪! なんてかっこ悪いの!」
「恥ずかしぃーー男!」
その中で1番喜んでいるのは隣にいたウリエルだった。
「そうか。アランができない男で良かった。私の大事なアナスタシアに何度も触られたなんて、その数だけ殴りたいものね。3回、後で殴っておかなきゃ。ところで、国王陛下。お願いがあります! こんなくだらないお下劣な茶番劇だけでなく、純愛劇もここでさせてください」
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「はい! では、アナスタシア! 私と結婚してくださいませんか? ずっと愛してたんだ。友人であり良きライバルで共同経営者のシェルビー! これからは私達の家庭を築いていこう!」
「・・・・・・そうね! 賛成だわ」
「「うわぁ。おめでとう!」」
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アランが叫んだ。
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