15 / 16
番外編
15 グラハム・サンジェルマンとの出会い 全年齢向け
しおりを挟む
ꕤ୭*グラハム・サンジェルマンとの出会い(アイビー視点)
「僕はグラハム・サンジェルマンだよ。君、本は好き? 今、とても楽しい冒険ものを読んでいるんだ。女の子はそんなの興味ないのかな・・・・・・」
「ううん、そんなことないわ。私、本は大好きよ」
グラハム・サンジェルマンとの出会いはお母様が作ってくれた。彼は金髪で蒼い瞳の優しい男の子だ。
お母様が連れ出してくれた産まれて初めての楽しい馬車の旅にすっかり有頂天になり嬉しさに頬が染まった。そこで訪問したサンジェルマン侯爵家の嫡男。
優しい口調と人懐っこい微笑み。すぐに打ち解けて話ができたのは驚きだった。一緒に本を読んで同じエピソードで笑えるって素敵なことだ。これも初めての経験。
ーーね? とても素敵な子でしょう?
私に呼びかけるお母様の声に、私は頭の中で「うん」と答えた。
ーーでもね、アイビー。男の子はたくさんいるからね? 最初に決めない方がいいわ。だってお母様もアイビーのお父様を貴女の年頃で見初めたのですもの!
お母様が頭の中でお父様の悪口を連発していた。お父様は私を嫌いなのかと思っていたけれど「ただのヘタレなだけよ!」とお母様はおっしゃった。
ーーお母様といれば私は安心。このままずっと一緒にいたい。
それから庭園をグラハム様と一緒に散歩をして、私のことを少しだけお話した。一度も外に出なかったことや笑ってはいけないと言われたことを話すと、顔色を変えて怒ってくれた。
「今日はここに泊まっていきなよ。そんなところに帰ったらなにをされるかわからないでしょう? 僕が父上に頼んであげる」
「うん、ありがとう!」
ーーお母様、ここに泊まっていいかしら?(アイビー)
ーーもちろんよ! オスカー公爵家は危険だから、もともと明日の夕方に戻る作戦よ。アイビーはグラハム君と遊んでいなさい。あ、でも惚れちゃだめよ!(イレーヌ)
私のことを守るように一緒にいてくれるグラハム様・・・・・・嬉しそうに微笑む様は尻尾がはえていそう。にっこり微笑むグラハム様とはずっと仲良しでいられそうな気がしたのだった。
「僕はグラハム・サンジェルマンだよ。君、本は好き? 今、とても楽しい冒険ものを読んでいるんだ。女の子はそんなの興味ないのかな・・・・・・」
「ううん、そんなことないわ。私、本は大好きよ」
グラハム・サンジェルマンとの出会いはお母様が作ってくれた。彼は金髪で蒼い瞳の優しい男の子だ。
お母様が連れ出してくれた産まれて初めての楽しい馬車の旅にすっかり有頂天になり嬉しさに頬が染まった。そこで訪問したサンジェルマン侯爵家の嫡男。
優しい口調と人懐っこい微笑み。すぐに打ち解けて話ができたのは驚きだった。一緒に本を読んで同じエピソードで笑えるって素敵なことだ。これも初めての経験。
ーーね? とても素敵な子でしょう?
私に呼びかけるお母様の声に、私は頭の中で「うん」と答えた。
ーーでもね、アイビー。男の子はたくさんいるからね? 最初に決めない方がいいわ。だってお母様もアイビーのお父様を貴女の年頃で見初めたのですもの!
お母様が頭の中でお父様の悪口を連発していた。お父様は私を嫌いなのかと思っていたけれど「ただのヘタレなだけよ!」とお母様はおっしゃった。
ーーお母様といれば私は安心。このままずっと一緒にいたい。
それから庭園をグラハム様と一緒に散歩をして、私のことを少しだけお話した。一度も外に出なかったことや笑ってはいけないと言われたことを話すと、顔色を変えて怒ってくれた。
「今日はここに泊まっていきなよ。そんなところに帰ったらなにをされるかわからないでしょう? 僕が父上に頼んであげる」
「うん、ありがとう!」
ーーお母様、ここに泊まっていいかしら?(アイビー)
ーーもちろんよ! オスカー公爵家は危険だから、もともと明日の夕方に戻る作戦よ。アイビーはグラハム君と遊んでいなさい。あ、でも惚れちゃだめよ!(イレーヌ)
私のことを守るように一緒にいてくれるグラハム様・・・・・・嬉しそうに微笑む様は尻尾がはえていそう。にっこり微笑むグラハム様とはずっと仲良しでいられそうな気がしたのだった。
7
お気に入りに追加
2,851
あなたにおすすめの小説
ふしだらな母親の娘は、私なのでしょうか?【第5回ツギクル小説大賞 AIタイトル賞】
イチモンジ・ルル
恋愛
奪われ続けた少女に届いた未知の熱が、すべてを変える――
「ふしだら」と汚名を着せられた母。
その罪を背負わされ、虐げられてきた少女ノンナ。幼い頃から政略結婚に縛られ、美貌も才能も奪われ、父の愛すら失った彼女。だが、ある日奪われた魔法の力を取り戻し、信じられる仲間と共に立ち上がる。
歪められた世界で、隠された真実を暴き、奪われた人生を新たな未来に変えていく。
――これは、過去の呪縛に立ち向かい、愛と希望を掴み、自らの手で未来を切り開く少女の戦いと成長の物語――
旧タイトル ふしだらと言われた母親の娘は、実は私ではありません
他サイトにも投稿。
2025/2/28 第5回ツギクル小説大賞 AIタイトル賞をいただきました
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる