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1 お母様助けて!
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ꕤ୭*アイビー視点
私のお母様は私を産んだ為に亡くなった。元々病弱だったお母様の身体は出産の負担に耐えきれなかったのだろう。
ーー妖精のように美しかったお母様イレーヌ・エンジェル王女殿下は私が殺したの?
そんなお母様を愛するあまりお父様は私を忌み嫌うようになったという。お父様は王都の屋敷に行きっぱなしとなり、領地の屋敷にはお帰りにならなくなった。
お母様が亡くなったのは私のせいなのだと、侍女達も口を揃えて私に言うのだった。国王陛下でいらっしゃるお母様のお兄様も、妹の死の悲しみを思い出すから私の姿を見たくないのだそうだ。
「アイビー様! あなたはお生まれになってはいけない方だったのです! 外になど出てはいけません! 楽しげに笑うのも禁止です! 貴女は悪魔の子なんですよ! 汚らわしい」
侍女長のアンナは、私の姿を見るだけで意地悪な言葉を投げつけた。
やがて父様の再婚相手だというミランダが腹違いの妹のウィローを連れてやって来て、
「あんたが王女殿下を殺した人殺しなのね? すぐに使用人の部屋に移りなさいよ。あんたのせいで国王陛下はとても悲しまれて1年も寝込んだのよ? あんなにおしとやかで美しい聡明な妹を亡くされたから国王陛下は今でもお元気がないのよ・・・・・・」
と、私を責めた。
ミランダと私の腹違いの妹が来てから私の食事は野菜だけになったし、なにかあればすぐにぶたれた。家庭教師の先生も私の専属侍女もいつの間にかいなくなった。
「お母様! 助けてよ! お母様! アイビーはもう生きていたくないよぉ」
ꕤ୭*故イレーヌ・エンジェル王女殿下視点
「ん? おかしいわねぇ~~。ずいぶん前から私に助けを求める声がするわよ? ちょっと神様! 下界の様子を見せてちょうだい」
「いかん、いかん! お前さんはもう死んで天使になっとるんじゃぞ! 下界の記憶がなんで消えなかったのじゃろう?」
「産んだ子供のことは覚えているわ。あの子は元気なのかしら? アイビーのことを少し教えてちょうだい! ん、これね、私の娘の一生が記されている記録書は。・・・・・・はぁーー? なによ、これ? 明日には自殺して死ぬことになっているわよ?」
”アイビーの一生” という薄すぎる本を放り投げた私は、神様に毒づいた。
「ああ、そ、それは悲劇のヒロインじゃからなぁ・・・・・・ち、父親にも放っておかれ、使用人達に虐められ自殺する・・・・・・」
神様が目を逸らしながら、言いにくいことをどもりながら口にした。
「なぁーーんですって? 冗談じゃないわよ! あんのバカ夫め、娘に10年も会いに来なかっただと? 見ていなさいよ! 私が今から行ってあのバカにお説教を・・・・・・」
「これ、これ。いかんよ! 戻ってきなさぁーーい」
「娘の一大事よ! 死んだって戻るもんですか! 」
着地したのはオスカー公爵家の領地にある屋敷だ。メイド部屋で泣きじゃくっているアイビーをそっと抱きしめ、髪を撫でた。
手にはすでに毒薬を持っていて飲んでしまったみたい! 毒がまわる前になんとかしなきゃ!
――ままよ。こうなったら娘の身体に飛び込むわ! 天使の私が娘のなかに入れば、少なくともアイビーは助かるはず! 母の愛は強しよ! 例え、私が消滅しようともアイビーは助けるわよ!
私のお母様は私を産んだ為に亡くなった。元々病弱だったお母様の身体は出産の負担に耐えきれなかったのだろう。
ーー妖精のように美しかったお母様イレーヌ・エンジェル王女殿下は私が殺したの?
そんなお母様を愛するあまりお父様は私を忌み嫌うようになったという。お父様は王都の屋敷に行きっぱなしとなり、領地の屋敷にはお帰りにならなくなった。
お母様が亡くなったのは私のせいなのだと、侍女達も口を揃えて私に言うのだった。国王陛下でいらっしゃるお母様のお兄様も、妹の死の悲しみを思い出すから私の姿を見たくないのだそうだ。
「アイビー様! あなたはお生まれになってはいけない方だったのです! 外になど出てはいけません! 楽しげに笑うのも禁止です! 貴女は悪魔の子なんですよ! 汚らわしい」
侍女長のアンナは、私の姿を見るだけで意地悪な言葉を投げつけた。
やがて父様の再婚相手だというミランダが腹違いの妹のウィローを連れてやって来て、
「あんたが王女殿下を殺した人殺しなのね? すぐに使用人の部屋に移りなさいよ。あんたのせいで国王陛下はとても悲しまれて1年も寝込んだのよ? あんなにおしとやかで美しい聡明な妹を亡くされたから国王陛下は今でもお元気がないのよ・・・・・・」
と、私を責めた。
ミランダと私の腹違いの妹が来てから私の食事は野菜だけになったし、なにかあればすぐにぶたれた。家庭教師の先生も私の専属侍女もいつの間にかいなくなった。
「お母様! 助けてよ! お母様! アイビーはもう生きていたくないよぉ」
ꕤ୭*故イレーヌ・エンジェル王女殿下視点
「ん? おかしいわねぇ~~。ずいぶん前から私に助けを求める声がするわよ? ちょっと神様! 下界の様子を見せてちょうだい」
「いかん、いかん! お前さんはもう死んで天使になっとるんじゃぞ! 下界の記憶がなんで消えなかったのじゃろう?」
「産んだ子供のことは覚えているわ。あの子は元気なのかしら? アイビーのことを少し教えてちょうだい! ん、これね、私の娘の一生が記されている記録書は。・・・・・・はぁーー? なによ、これ? 明日には自殺して死ぬことになっているわよ?」
”アイビーの一生” という薄すぎる本を放り投げた私は、神様に毒づいた。
「ああ、そ、それは悲劇のヒロインじゃからなぁ・・・・・・ち、父親にも放っておかれ、使用人達に虐められ自殺する・・・・・・」
神様が目を逸らしながら、言いにくいことをどもりながら口にした。
「なぁーーんですって? 冗談じゃないわよ! あんのバカ夫め、娘に10年も会いに来なかっただと? 見ていなさいよ! 私が今から行ってあのバカにお説教を・・・・・・」
「これ、これ。いかんよ! 戻ってきなさぁーーい」
「娘の一大事よ! 死んだって戻るもんですか! 」
着地したのはオスカー公爵家の領地にある屋敷だ。メイド部屋で泣きじゃくっているアイビーをそっと抱きしめ、髪を撫でた。
手にはすでに毒薬を持っていて飲んでしまったみたい! 毒がまわる前になんとかしなきゃ!
――ままよ。こうなったら娘の身体に飛び込むわ! 天使の私が娘のなかに入れば、少なくともアイビーは助かるはず! 母の愛は強しよ! 例え、私が消滅しようともアイビーは助けるわよ!
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