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王女様だけどメイドな私。
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私はオーブリー、トワイライト王国の13番目の王女だけどメイドをしている。
「オーブリー、王女様たちの湯浴みをお手伝いしなさい」
私は今日もメイド長に言われて、王女様たちのお身体を洗ってさしあげる。
いつも優しく身体を洗って差し上げているのに必ず怒られちゃうんだ。
「痛い!あんたのせいで、皮膚がヒリヒリよ!全く使えない子ね!」
第一王女は私の頬をひっぱたいた。
「すみません。優しく洗っているつもりなんですが‥‥」
「なぁに?メイドのくせに口答えするの?お前は王女じゃないわよ?卑しい踊り子の娘のくせに!」
「すみませんでした。お許しください」
私は唇をかみしめた。悔しさはとうに過ぎていて涙はもうでてこなかった。
だって、いつもこんな感じだから‥‥
☆
「髪の編み込みを手伝ってよ!お前はわりと手は器用だから」
第三王女は私に髪の編み込みをいつもさせる。
少しでもうまくいかないと、髪止めのピンで指をさされた。
「この髪型、気にいらないわ!顔が大きくみえるじゃないの!なんでもっと私が綺麗にみえるように編み込まないのよ!」
「あはは、あんたの顔が大きいのは生まれつきだもん。仕方ないわよ!お父様に似たのでしょう?オーブリーのように小さいお顔で薔薇のように美しい子にはどうやったってなれないわよ」
第二王女は第三王女をからかうと、第三王女の怒りは私にむけられた。
「オーブリー、お前が悪いのよ!踊り子の子のくせに薔薇の精霊の祝福を受けるなんて!!」
私は思いっきり、ピンで指をさされて血が流れた。
「ちょっと、あんまりケガさせたらまずいわよ!オーブリーのパンが食べられないじゃないの!この子の焼くパンは美味しいんだから!」
第四王女がとめるけれど、その顔つきは意地悪で唇は楽しそうに口角が上がっていた。
☆
メイド達が噂している話も酷いものだった。
「オーブリーのことを薔薇姫だって騎士様達がよんでいるのを知ってる?あんなに美しければ男性には無条件で好かれるわよね?」
「あら、オーブリーは騎士様たちに色目をつかっているのよ?あの美貌で騎士団長様を誘惑しようとしたらしいわ」
「あぁ、やっぱり?」
なにがやっぱりなのか、私にはわからないよ。
だって、なんにもしていないもの。
トワイライト王国で私の味方は誰一人としていない‥‥
トワイライト王国の薔薇は王妃や側妃たちによって徹底的に刈り取れらるよう命じられて国中さがしても一本も咲いていないのだから。
「オーブリー、王女様たちの湯浴みをお手伝いしなさい」
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いつも優しく身体を洗って差し上げているのに必ず怒られちゃうんだ。
「痛い!あんたのせいで、皮膚がヒリヒリよ!全く使えない子ね!」
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「すみません。優しく洗っているつもりなんですが‥‥」
「なぁに?メイドのくせに口答えするの?お前は王女じゃないわよ?卑しい踊り子の娘のくせに!」
「すみませんでした。お許しください」
私は唇をかみしめた。悔しさはとうに過ぎていて涙はもうでてこなかった。
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「あはは、あんたの顔が大きいのは生まれつきだもん。仕方ないわよ!お父様に似たのでしょう?オーブリーのように小さいお顔で薔薇のように美しい子にはどうやったってなれないわよ」
第二王女は第三王女をからかうと、第三王女の怒りは私にむけられた。
「オーブリー、お前が悪いのよ!踊り子の子のくせに薔薇の精霊の祝福を受けるなんて!!」
私は思いっきり、ピンで指をさされて血が流れた。
「ちょっと、あんまりケガさせたらまずいわよ!オーブリーのパンが食べられないじゃないの!この子の焼くパンは美味しいんだから!」
第四王女がとめるけれど、その顔つきは意地悪で唇は楽しそうに口角が上がっていた。
☆
メイド達が噂している話も酷いものだった。
「オーブリーのことを薔薇姫だって騎士様達がよんでいるのを知ってる?あんなに美しければ男性には無条件で好かれるわよね?」
「あら、オーブリーは騎士様たちに色目をつかっているのよ?あの美貌で騎士団長様を誘惑しようとしたらしいわ」
「あぁ、やっぱり?」
なにがやっぱりなのか、私にはわからないよ。
だって、なんにもしていないもの。
トワイライト王国で私の味方は誰一人としていない‥‥
トワイライト王国の薔薇は王妃や側妃たちによって徹底的に刈り取れらるよう命じられて国中さがしても一本も咲いていないのだから。
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