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ベンジャミンとマーガレットの結婚と懐妊(カトレーネ・トマス前公爵夫人視点)

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 あぁ、ついに私の念願が叶うことになりそうだ。いろいろあったが、見事、軌道修正できたと思う。

「母上。私は、マーガレットを妻に迎えたいと思います」

 息子のベンジャミンが、とうとうその言葉を言ったのだ。今か、今かと待ち構えていた。
まさか、2年も掛かるとは思わなかったが、結果的には良かったのかもしれない。

 この2年で、メイソンとクリストファーもずいぶん成長した。体だけでなく心が見事に良い方に、すくすくと伸びているのがわかる。真面目で、よく努力する子達に私は満足していた。

  
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


 結婚式は、盛大に行われた。招待客は王様と王妃様を筆頭として高位貴族のほとんどを招待した。マーガレットは私の跡を継ぐのだから当然だ。
 
 清楚な白いシンプルなドレスはマーガレットにはよく似合う。メイソンとクリストファーも、もちろん出席した。
私は、この家族をもっと完璧にしたいと願う。

 大聖堂には、高位貴族が溢れ、この結婚を心から祝福してくれている。すばらしい門出だと思う。

「ベンジャミン・トマス公爵とマーガレット・マンデリン女伯爵との婚姻をここに祝福するものである! 」

 大司教様のお言葉に二人が頷き、誓いのキスをすると大聖堂が歓声に満ちた。
私も感動して、涙を流した。最近、涙腺が緩くなってしまい困ってしまう。


*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚


 マーガレットは、最近すぐに疲れてお昼寝をすることが多くなった。食事も、少し食べては吐いてしまう。
ベンジャミンは大騒ぎして、医者を急いで呼ぼうとするが、私はこの症状には経験がある。

「ベンジャミン! 待望の子供だと思いますよ! あぁ、トマス公爵家にやっと孫が産まれます! 
あぁ、もちろん、メイソンとクリストファーも大事な子供ですからね。そこは、ぶれてはいけません。けれど、この公爵家を継ぐ初めての子供の誕生は、震えるぐらい嬉しいですね」

 私とベンジャミンは喜び合い、医者は私の予想通りの言葉を告げた。

「ご懐妊でございます。カトレーネ・トマス前公爵夫人様、ベンジャミン・トマス公爵様。誠におめでとうございます!」

 素晴らしい喜びに、トマス公爵家は包まれたのだった。


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