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ミランダに呆れた私

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 『ミランダ様がいらっしゃいました』の言葉に弁護士の先生が裏口からお帰りになられた。

「マーガレット!ごめんなさい。また来ちゃったわ」

「いいのよ。それで、今日はどうしたの?」

「うん。ちょっと、お買い物に行きたくて子供を預かってもらえない?」

「お買い物?それなら、公爵家に置いていけばいいんじゃないの?」

「あぁ、だめよ。公爵家の侍女は使えない者ばかりですもの」

「そう?まぁ、いいけど・・・・・・どれぐらいで戻るの?」

「えっと、2時間ぐらいかしら?お願い。助かるわ」

 その会話を立ったままして、急いでミランダは去って行った。そう言えば、彼女がいきなりやって来て預ける時はいつも慌ただしく去って行く。『あらかじめ、この日にお願いね』と言われた日には、ゆっくりと我が家でお茶を飲み、少し話をしてから去って行く。ここにも、なにかの法則性がありそうだ。

「マーガレットおばさん、僕たち、お腹が空いてるんだ」

「あら、朝ご飯は?」

「食べていないよ。だって、ソフィアおばさんちで食べるようにってママが言ったから」

 下の5歳のクリストファーは、可愛い声で答えた。こういうことも、たまにあることだった。朝ご飯も用意しないって、どういうことなのかあまり追求はしていなかったけれど、今考えると変な話だ。

「なぜ、朝ご飯を用意してもらえないの?」

「だって、今日は僕らは朝早くからママとお出かけしていたから。それで、馬車で三時間ぐらい待っていたよ。そのあと、やっとソフィアおばさんちに来られたんだ。だから、お腹がペコペコなんだ。それと、帰るとパパにはママの実家のお婆様のことをよく聞かれるよ。ママは『お婆様は、僕たちの顔を見ると元気が出るって言っているよ』って言いなさいって。そう言うと、ママは僕たちの食後のケーキに生クリームをたっぷりのせてくれるんだよ」
 
 ミランダの長男の7歳になるメイソンは、無邪気な声で答えたのだった。
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