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意外な結末
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神殿に閉じ込められていると、ジェネシスが来て助け出そうとしてくれたの。
でも、王子がマントの女3人を伴って神殿の奥から出てきた。女3人が怪しげな呪文を唱えるとジェネシスが突然苦しみだしたわ。どうしよう。私には、見ていることしかできない。ジェネシスは一瞬、長い銀髪の綺麗な顔立ちの男性になった。懐かしいこの感覚はなに?王子は大喜びしている。妖怪の力を全部、取り込むなんて言っている。
☆
銀髪の美し過ぎるその人は、またジェネシスの身体に変わった。そして、死んだ?もう、ピクリとも動かないの。
私のジェネシスは?あの美しい銀髪の人は?二人とも死んだの?
「あぁ、終わったな。妖術使いも死んだようだな。さぁ、ジョセリン、行こうか?」
「え?どこにですか?私はここにいます。ジェネシスをよくも‥‥あんたなんか、殺してやる。絶対、殺してやるわ!」
私は、半狂乱になって叫んだ。今になって気がついた。私はジェネシスが大好きだったんだ。なんで、もっと早く気がつかなかったの?愛してたのに。そうよ、私はジェネシスを愛してたんだ!
王子は、私の髪を撫でて、にこやかに笑うと無理矢理抱き上げて王宮に連れていった。
ジェネシスは心臓麻痺で亡くなったことにされ、妖術使いの遺体もどこかに葬られたようだ。
私は、当初の予定どおり、王宮に住み明日は結婚式なんだ。死にたいわ。あんな王子のものになるなら、舌をかみ切って死んでやろう‥‥
そうよ、短剣も忍ばせて、初夜には心臓を刺してやる!!
☆
結婚式は盛大に行われた。大聖堂に高位貴族がずらりと並び、王や王妃も、にこやかにしていらっしゃる。
私のお父様もお母様もお兄様も、みな出席していた。
「花嫁がそんな浮かない顔をしないで?緊張しているのね?大丈夫よ」
お母様は私を抱きしめた。王子は私のお兄様達と仲よく談笑している。なんてことなの!この大悪党は卑劣な男のくせに人の心を引きつけるのが上手らしい。悔しくて涙がでてきた。その涙を周りは喜びの涙と間違えている。
ジェネシス‥‥会いたいよ。
☆
「さぁ、花嫁さん。一緒に寝室に行こうか?」
ーーつ、ついにきたわ。短剣と、自害用の毒を持って寝室に入る。緊張で、手が震える。
寝室に入ると、王子が私の手を引いてベッドを通り過ぎて、バルコニーに誘う。
王子の髪はするすると伸び銀髪になり、あの眩しいまでに美しい男性に変わった。
「俺だよ。リンだ。思い出して、最愛の人。君は俺の番だから」
「え?リン‥‥リン‥‥犬じゃなかったの?」
「ふふふっ。いいよ。君の小さい頃から側にいた犬でいいさ。そのうち、思い出す。俺の命は、あと八つ。仲よく四個ずつ分けよう。二人が一緒に死ねるように。でも、当分死ねない。だって、妖狐の命は一つ1000年だもの。だから、俺のこともきっと思い出すよ。あ、あとジェネシスのなかにいたのは俺だ」
「リンもジェネシスもあなたなの?なんで王子は‥‥」
「王子は欲張りすぎたのさ。俺の全部の力を人間一人の器には閉じ込められない。俺が結果的にあいつの身体を乗っ取ったんだ」
「じゃぁ、あなたは王子ではないのね?」
「そう、俺はお前の番で死ぬまで一緒さ。いい?覚悟して?」
私は、大好きなリンでありジェネシスであり、懐かしい気のするこの麗しい銀髪の男性に優しく抱きしめられた。
短剣も毒も、もう私には必要ない。私は、大好きなこの男性と長い、長い時間を幸せに過ごすわ。絶対に!!
完
でも、王子がマントの女3人を伴って神殿の奥から出てきた。女3人が怪しげな呪文を唱えるとジェネシスが突然苦しみだしたわ。どうしよう。私には、見ていることしかできない。ジェネシスは一瞬、長い銀髪の綺麗な顔立ちの男性になった。懐かしいこの感覚はなに?王子は大喜びしている。妖怪の力を全部、取り込むなんて言っている。
☆
銀髪の美し過ぎるその人は、またジェネシスの身体に変わった。そして、死んだ?もう、ピクリとも動かないの。
私のジェネシスは?あの美しい銀髪の人は?二人とも死んだの?
「あぁ、終わったな。妖術使いも死んだようだな。さぁ、ジョセリン、行こうか?」
「え?どこにですか?私はここにいます。ジェネシスをよくも‥‥あんたなんか、殺してやる。絶対、殺してやるわ!」
私は、半狂乱になって叫んだ。今になって気がついた。私はジェネシスが大好きだったんだ。なんで、もっと早く気がつかなかったの?愛してたのに。そうよ、私はジェネシスを愛してたんだ!
王子は、私の髪を撫でて、にこやかに笑うと無理矢理抱き上げて王宮に連れていった。
ジェネシスは心臓麻痺で亡くなったことにされ、妖術使いの遺体もどこかに葬られたようだ。
私は、当初の予定どおり、王宮に住み明日は結婚式なんだ。死にたいわ。あんな王子のものになるなら、舌をかみ切って死んでやろう‥‥
そうよ、短剣も忍ばせて、初夜には心臓を刺してやる!!
☆
結婚式は盛大に行われた。大聖堂に高位貴族がずらりと並び、王や王妃も、にこやかにしていらっしゃる。
私のお父様もお母様もお兄様も、みな出席していた。
「花嫁がそんな浮かない顔をしないで?緊張しているのね?大丈夫よ」
お母様は私を抱きしめた。王子は私のお兄様達と仲よく談笑している。なんてことなの!この大悪党は卑劣な男のくせに人の心を引きつけるのが上手らしい。悔しくて涙がでてきた。その涙を周りは喜びの涙と間違えている。
ジェネシス‥‥会いたいよ。
☆
「さぁ、花嫁さん。一緒に寝室に行こうか?」
ーーつ、ついにきたわ。短剣と、自害用の毒を持って寝室に入る。緊張で、手が震える。
寝室に入ると、王子が私の手を引いてベッドを通り過ぎて、バルコニーに誘う。
王子の髪はするすると伸び銀髪になり、あの眩しいまでに美しい男性に変わった。
「俺だよ。リンだ。思い出して、最愛の人。君は俺の番だから」
「え?リン‥‥リン‥‥犬じゃなかったの?」
「ふふふっ。いいよ。君の小さい頃から側にいた犬でいいさ。そのうち、思い出す。俺の命は、あと八つ。仲よく四個ずつ分けよう。二人が一緒に死ねるように。でも、当分死ねない。だって、妖狐の命は一つ1000年だもの。だから、俺のこともきっと思い出すよ。あ、あとジェネシスのなかにいたのは俺だ」
「リンもジェネシスもあなたなの?なんで王子は‥‥」
「王子は欲張りすぎたのさ。俺の全部の力を人間一人の器には閉じ込められない。俺が結果的にあいつの身体を乗っ取ったんだ」
「じゃぁ、あなたは王子ではないのね?」
「そう、俺はお前の番で死ぬまで一緒さ。いい?覚悟して?」
私は、大好きなリンでありジェネシスであり、懐かしい気のするこの麗しい銀髪の男性に優しく抱きしめられた。
短剣も毒も、もう私には必要ない。私は、大好きなこの男性と長い、長い時間を幸せに過ごすわ。絶対に!!
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ありがとうございます🙏
最初の出だしから残酷すぎたのを反省してもっともふもふかわいいのを書けるようにしたいです………
ゆず様の小説いっぱい読んで勉強します🙇♀️
完結おめでとうございまーす🎉
怒涛の展開、リンの粘り勝ちですね〜
末長く……お幸せに💗
(皆さまカクヨムにアカウントが❗️R18書きには住めないところですね😢)
あめ様ぁ〜🌹
来てくれてありがとう〜🥺ゴザイマス🎶💃
カクヨムってR18はダメなんですね?
そもそも、カクヨムあんまり、わかっていないの……
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