(完結)イケメン妖狐様は聖女様を溺愛するー運命の番、この女のためなら命も惜しくない

青空一夏

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俺は死んだ(ジェネシス視点)

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「なんのことかな?それより、なぜジョセリンをここに閉じ込めたんだ?お前はジョセリンを愛しているんだろう?」

「は?愛してる?そんな妖怪に魅入られた女を?愛などこれっぽちもないね。その女に強大な加護魔法がかけられているのは聖女鑑定のときにわかったことだ。そのような強大な魔法は人では到底かけられない。強大な妖術使いでも無理だ。お前は妖怪だ。私はな、お前のその力がほしいんだよ?おくれよ、私に」

王子は、ぞっとするような粘着質な笑いを浮かべている。マントを被った女達が呪文を唱え始めた。俺は、力が入らない。ガクンと膝をつくとその場で倒れる。

「ジェネシス!ジェネシス!お願い!しっかりして!」
ジョセリンが泣いている。ばかだな、俺のためなんかに泣くなよ。

俺の身体がもとの妖狐の身体に変わっていくと、王子は驚喜した。

「あーーーーはははは。見ろ!こいつを見てみろ!伝説の妖狐だ。九つの魂をもつ最強の妖怪と言われている。その力を全部、私によこせ。お前ら、こいつの身体から妖力を全部搾り取り私に映すのだ!」

3人の女達に王子は呼びかける。と、突然、その一人が苦しみ出す。

「うぐっーうっ、こ、これ以上は無理です。力が強大すぎる!!」

「うるさい!やれ!全部の力が欲しいのだ。私が世界を征服できる。この世の全てと、永遠の命。寄こせ、寄こせー」

妖術使いの女達が血を吐いて倒れるまで呪文を唱えると、俺の力は次第にゼロに近づく。顔は青ざめ、もう立つこともできない。

「お願い、死なないで」
ジョセリンは泣いてすがるけれど。俺の身体は息を引き取った。

「泣かなくていい。すぐに、また会えるから」

そう言いながら。

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