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こうして俺は妖狐になった

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毎日のように、来ていたズーハンがある日を境に来なくなった。

(おかしいな。風邪でもひいたかな)

思いながらも、もう三日‥‥不安に駆られて森の中を探し回った。どこかで、ケガしているのかもしれない‥‥半日ほど探し回ってやっと‥‥彼女の匂いを嗅ぎつけることができた‥‥でも‥‥血の匂いが混ざっている‥‥

同時に、男達の話し声が聞こえてきた。

「なにも、殺さなくても良かったじゃねぇか?もっと楽しめたのに‥‥」

「もう限界だろう。三日も連れ回して、お前らやりたい放題だったじゃねーか!ひと思いに殺してやったほうがこの女の為だろう」

「ははははーーーぁーー。違いねぇーー。兄貴は意外に優しいんだなぁ」

リンはその言葉を聞いて逆上した。この男達は許さない!許すものか!!

リンは男の一人の喉をかみ切ると、次々と襲いかかっていった。

けれど、山賊の数は50人ほど‥‥数が多すぎた‥‥5人ほど殺せたがあとは無理だった。棒で殴られ、次第に意識が遠のくなか、ズーハンを想う。この世で最も愛する女、あれは、そう俺の番だったのに!こんな無残な殺され方をされていい女じゃないんだ!

俺の、俺だけの番。
小さくつぶやくその言葉が魔法のように身体を駆け巡る。

この恨みを晴らさずにおくものか!この男達を全て始末するまでは、番とまた巡り会うまでは絶対に死なない。

俺の身体は、殴られつづけているのに、急速に回復していった。身体をゆっくり起こす。

「なっ、なんだ?人間になった?え?う、うわぁ~。化け物~ばっ、化け物じゃね~かぁ~!!にっ、逃げろぉ~」

化け物?俺は化け物になったのか?上等だよ。愛する女の為なら鬼にでも化け物でもなんにだってなってやる

身体が軽い。逃げる男達を捕まえると、驚くほど簡単に身体を引き裂けた。一人、また一人‥‥全てを引き裂いて血まみれになった身体を湖で洗うとそこに映っていたのは異形の者。人間のようで人間ではない‥‥銀髪に血のような赤い瞳、頭には狐耳。

こ、これは伝説の生き物だ。俺はただの狐だったはず。それとも最初から妖狐だったのかもしれない。どっちでも、かまわない。九つの魂を持つ妖狐。この世で最強のあやかし、と言われる妖怪になっちまった。後悔はない。むしろ、嬉しい。これで、番を待てる。愛おしいお前を。

いつまでも、待つよ‥‥俺は‥‥ずっと後悔をしながらね。なんで、もっと早く探しにいかなかったのだろう?とか、森の中のまで来させないで、俺が村の近くまで行けばよかったのにとか、ね。いろいろ悩みながら待っているんだ。お前だけを‥‥
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