(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!

青空一夏

文字の大きさ
上 下
10 / 12

10 リリアーナ視点・レオン視点  ※残酷注意 R15

しおりを挟む
ꕤ୭*モーセ準男爵夫妻の続き(リリアーナ視点)

「愚かな・・・・・・」
 私はこのマーガレットの両親が死体で発見されたのを見つめつぶやいた。お互い激しくつかみ合い争った形跡があり、殺し合ったことは明白だった。



 あの日、本邸に忍び込んだモーセ準男爵夫妻には気がついていた。簡単にララの部屋に侵入させたがその首を絞めたと思っているのはただの人形。子供と同じ大きさの精巧な人形を暗闇のなかで絞め殺したつもりになって嬉々として裏庭に埋めたモーセ準男爵夫妻。


「鬼畜のやることはやはりえげつないわね。ならば、同じくこちらも同じ趣向でいきましょうか」

 私は魔法でジョナサンを本邸に隠すと、ラマ・レミントン侯爵に預かってもらった。この子は大嫌いな奴らの子供だけれど、罪があるわけではないし殺すことはできない・・・・・・



 あの夫妻はジョナサンが姿を消したことに不安に駆られていた。自分のしでかしたことで悪夢を見るがいい。

「地中深く埋まった人形の服よ。ジョナサンが着ていた服にすみやかに変われ! 人形よ、お前はジョナサンのような顔形に変わり泥に埋もれてあの夫妻を待て」


 予想した通り、あの夫妻は穴を掘り起こし始めた。自分達が殺したものが何かを知るために。
そして、見つけた自分達の孫の服。闇にとらわれた者は、もうこちら側には戻ってこられない。地獄に真っ直ぐ墜ちて殺し合った。

 自業自得だ。これは、私が直接くだした死ではない。






ꕤ୭*真実の愛なんてそんなもの(レオン視点)





 運命の女と思って一緒になった木こりの娘も時間が経てばただの女。なぜあれほど眩しく見えたのかわからない。

 美化していたぶん、冷静になると欠点ばかりが目につく。さらに子供を産んでからはブクブク太ってただの醜い白豚だよ。

 これならリリアーナの方がよっぽど良かった。教養はあったし貴族らしい気品に満ちていた。今の妻には可愛らしさも可憐さもなく、あるのは醜い脂肪だけ・・・・・・

ーーなぜ、あんなに食う? 

「やめろ、そのパンをお代わりするな!」
言おうものなら、
「母親で子育てしているのだから体力が必要なのよ! あんたの子供を育ててやっているのよ。感謝しなさいよ」
と、怒鳴られた。

ーーこんなはずじゃぁなかった。

 しかし、私はすでに死んだことになっている。このまま貧しく冴えない女とこの田舎で暮し続けるって地獄だな。



 そんな時に財布を拾った。たくさんの札束と高級娼館の会員カードがそこにはあった。なんとそれはVIPカードだ。

 行かないという選択肢は当然ない。




 ここは、天国だよ。男の楽園! ありとあらゆる肌と瞳の女、最高の美女しかいない。この世はこれほど楽しいんだな。私はもう家には帰らない。これが地獄の入り口だとは私は少しも思わなかった。

 その財布が弟のラマが、私を破滅させるために道にわざと置いたものだと知ることは最後までなかった。


 逆上した妻に刺し殺された私の話は次回で・・・・・・

しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

婚約破棄上等!私を愛さないあなたなんて要りません

音無砂月
ファンタジー
*幸せは婚約破棄の後にやってくるからタイトル変更 *ジャンルを変更しました。 公爵家長女エマ。15歳の時に母を亡くした。貴族は一年喪に服さないといけない。喪が明けた日、父が愛人と娘を連れてやって来た。新しい母親は平民。一緒に連れて来た子供は一歳違いの妹。名前はマリアナ。 マリアナは可愛く、素直でいい子。すぐに邸に溶け込み、誰もに愛されていた。エマの婚約者であるカールすらも。 誰からも愛され、素直ないい子であるマリアナがエマは気に入らなかった。 家族さえもマリアナを優先する。 マリアナの悪意のない言動がエマの心を深く抉る

(完)実の妹が私を嵌めようとするので義理の弟と仕返しをしてみます

青空一夏
ファンタジー
題名そのままの内容です。コメディです(多分)

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

聖女召喚

胸の轟
ファンタジー
召喚は不幸しか生まないので止めましょう。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...