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   だって、それは・・・・・・私が仕組んだ計画が完璧だったからだ。




 私はサミーとジャンヌ様に復讐を誓ったが、フランソワは守りたかった。そこで、なにが自分にできるかを考えた。

 
「フランソワ様を賢く礼儀正しい子に育てあげますので、こちらで引き取ってくださいませ」
 私はジャンヌ様の夫だったユベール・ガブリエル侯爵閣下を訪ねた。
 
「フランソワはジャンヌに似て愚かです。だからガブリエル侯爵家は継がせられないのですよ。弟の子供を養子に迎えるつもりです」

「フランソワ様はまだ幼いですから、いくらでもこれから変われますわ。半分はガブリエル侯爵閣下の優秀な血が流れておりますのよ? 私にお任せくださいませ」

「もしフランソワが跡継ぎに相応しく礼儀正しい賢い子に育ったならば、ジャネットと裁判で争ってでもこちらに引き取りたいですよ。だが、子供は大抵母親が親権をとるのがこの国の法律です。かなり難しいと思います」

「大丈夫ですわ。その点もお任せください」

(あのジャネットなら、やらかしてくれるわ)








 私はフランソワを躾けし直す。元々頭は良い子だったし、あの過剰に甘やかすジャネット様から切り離したら乱暴な行動も収まってきた。

 愛情と時間をかけて我が子のように接する。ジャネット様が遊び呆けていることは私が日記に毎日綴った。侍女やメイドの業務日誌にも、ジャネット様が何時に帰ってきたかがわかる記載を入れさせる。これは後に立派な証拠となるのだ。

 それは子供の母親として相応しくないという親権剥奪に役立つ証拠。それらの証拠を私はこの裁判で全て提出したのだ。

 ジャネット様は親権を奪われ醜聞にまみれた。優秀に育ったフランソワはガブリエル侯爵家に引き取られた。









「キャロル! お前がジャネットの情報を漏らすなんて・・・・・・お前など離婚だ!」
 裁判で証拠となる日記や使用人の日誌を提出した私に夫はそう叫ぶ。

「望むところですわ」

「ふん! お前など貧乏シャル男爵家の娘なくせに。出戻っても歓迎などされないぞ」

「ご心配なく、ガブリエル侯爵家の家庭教師として既に雇われております。私がこちらに嫁ぐ前、王立学園の教師だったことを忘れたのですか? もちろんソレンヌは連れて行きますよ」

「ダメだ! ソレンヌはトゥー伯爵家に残せ! ソレンヌを早めに結婚させて男子を産ませ、その子にトゥー伯爵家を継がすのだ」

 身勝手なサミーの主張に私は・・・・・・

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