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私の新しい人生が明日から始まる(バイオレット女王視点)
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私は、アリッサが馬車に乗せられて行くのを見ていた。私が1台の馬車で嫁がされた時と重なるが、同情はできなかった。
「アリッサは殺されるのですか?」
私は、ノーラン様に尋ねた。ノーラン様は、ディーとノラの様子を見ていた。子犬と子猫はとても仲良しだった。
お互いじゃれ合って遊び、眠る時は一緒にくっつきあって眠る。犬と猫という種族の違いを超えても、こうして仲睦まじい動物達がいる。なのに、なぜ、人間は仲良くできないのだろうか?
私とアリッサは、産まれ落ちた時からこうなる運命だったのだろうか?私が憂いていると、ノーラン様は私の側に来て、私を抱き上げあやすように髪を撫でた。
「アリッサ王女のことは忘れるんだ。彼女は当然の罰を受ける。けれど、それは彼女のせいであり自らが選んだ道だ。人間には2種類あると思う。改心して清く正しく生きようとする者と、生きてなお、更に罪を重ねようとする者。墜ちた魂は滅ぼすしかない。さぁ、気分転換にドレスを試着しておいで! 10日後に控えた結婚式は盛大になる。このカルロス王国にブロンディ王国の女王様である王太子妃が正式に誕生する」
私はノーラン様に優しくキスをされて、衣装部屋に送り出されたのだった。
ドレスは、もちろんお婆様が仕立ててくださったあのドレスを着ようと思う。あのドレスには更に胸元と裾に真珠を縫い付けさせた。大国の王太子妃としては地味だというデザイナーも、私のその提案で納得してくれた。ベールもそのドレスに合わせて藤色のものをお願いした。
私は万感の思いでその服に袖を通した。お婆様にも見て欲しかったと思うと涙が流れた。
「バイオレット女王様。そのように涙の跡がありますとノーラン様が心配して騒ぎますからね。楽しいことを考えてください。例えば、これからあの庭園を駆け回る小さなお子様のこととか・・・・・・」
「・・・・・・小さな子供? ・・・・・・」
「もちろん、バイオレット女王様とノーラン様との間のお子様のことですよ」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、食事の時はいつもノーラン様の膝の上だ。これは絶対の決まりだと言われた。
「式が終わったら、初夜だろう? そうして、私は、毎日バイオレットを抱いて寝るだろう。私達の子供はすぐできるに違いない。子供ができたらもうバイオレットを抱っこできない。だから、今のうちにいっぱいしておかないとな」
子供ができても抱っこはできそうだ、と思う・・・・・・。でも、ノーラン様の膝の上は安心できるから大好きだ。だから、そういうことにしておこう。
「ほら、口をあけて?」
「あーーん」
ひな鳥みたいに、食べさせて貰うのにもすっかり慣れてしまった。私はノーラン様の袖を引っ張る。
「次は、あの卵がいいです」
「うん、そうか、そうか。バイオレットは卵が大好きだな。王宮の裏で鶏でも飼うかなぁ。産みたて卵が食べられる」
ノーラン様はすぐに、そんな冗談をおっしゃるから、侍女達も笑っている。王宮の卵は今だって新鮮なのだ。すぐ近くの養鶏場から仕入れているのだから・・・・・・
けれど、その三日後、王宮の裏から奇妙な声が響いたのだ。私はノーラン様の寝室に慌てて駆けて行った。ノーラン様を起こそうとすると、邪険に撥ね除けられた。
「バイオレット! ここに来ちゃだめだと何度言ったらわかるんだい? 式が終わるまでは手は出さないとカミラ女王の墓前で誓ったんだぞ! 破ったら何十年後かにどやされるよ・・・・・・」
「ごめんなさい。でも、怖くて変な鳴き声がしたわ! 王宮の裏のほうからよ!」
「・・・・・・あれは君の大好きな卵を雌鶏に産ます雄鶏の鳴き声だよ。早く結婚式を終わらせて私もバイオレットに卵を・・・・・・」
私は、恥ずかしくてつい、ベッドに転がっていたクッションをノーラン様に投げて自室に戻ったのだった。
私達の結婚式は、明日だ。出席する王族は続々と到着していて、離れの宮殿に泊まっていた。
私の新しい人生が、また明日から始まるのだ!・・・・・・愛するノーラン様とともに・・・・・・
「アリッサは殺されるのですか?」
私は、ノーラン様に尋ねた。ノーラン様は、ディーとノラの様子を見ていた。子犬と子猫はとても仲良しだった。
お互いじゃれ合って遊び、眠る時は一緒にくっつきあって眠る。犬と猫という種族の違いを超えても、こうして仲睦まじい動物達がいる。なのに、なぜ、人間は仲良くできないのだろうか?
私とアリッサは、産まれ落ちた時からこうなる運命だったのだろうか?私が憂いていると、ノーラン様は私の側に来て、私を抱き上げあやすように髪を撫でた。
「アリッサ王女のことは忘れるんだ。彼女は当然の罰を受ける。けれど、それは彼女のせいであり自らが選んだ道だ。人間には2種類あると思う。改心して清く正しく生きようとする者と、生きてなお、更に罪を重ねようとする者。墜ちた魂は滅ぼすしかない。さぁ、気分転換にドレスを試着しておいで! 10日後に控えた結婚式は盛大になる。このカルロス王国にブロンディ王国の女王様である王太子妃が正式に誕生する」
私はノーラン様に優しくキスをされて、衣装部屋に送り出されたのだった。
ドレスは、もちろんお婆様が仕立ててくださったあのドレスを着ようと思う。あのドレスには更に胸元と裾に真珠を縫い付けさせた。大国の王太子妃としては地味だというデザイナーも、私のその提案で納得してくれた。ベールもそのドレスに合わせて藤色のものをお願いした。
私は万感の思いでその服に袖を通した。お婆様にも見て欲しかったと思うと涙が流れた。
「バイオレット女王様。そのように涙の跡がありますとノーラン様が心配して騒ぎますからね。楽しいことを考えてください。例えば、これからあの庭園を駆け回る小さなお子様のこととか・・・・・・」
「・・・・・・小さな子供? ・・・・・・」
「もちろん、バイオレット女王様とノーラン様との間のお子様のことですよ」
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
私は、食事の時はいつもノーラン様の膝の上だ。これは絶対の決まりだと言われた。
「式が終わったら、初夜だろう? そうして、私は、毎日バイオレットを抱いて寝るだろう。私達の子供はすぐできるに違いない。子供ができたらもうバイオレットを抱っこできない。だから、今のうちにいっぱいしておかないとな」
子供ができても抱っこはできそうだ、と思う・・・・・・。でも、ノーラン様の膝の上は安心できるから大好きだ。だから、そういうことにしておこう。
「ほら、口をあけて?」
「あーーん」
ひな鳥みたいに、食べさせて貰うのにもすっかり慣れてしまった。私はノーラン様の袖を引っ張る。
「次は、あの卵がいいです」
「うん、そうか、そうか。バイオレットは卵が大好きだな。王宮の裏で鶏でも飼うかなぁ。産みたて卵が食べられる」
ノーラン様はすぐに、そんな冗談をおっしゃるから、侍女達も笑っている。王宮の卵は今だって新鮮なのだ。すぐ近くの養鶏場から仕入れているのだから・・・・・・
けれど、その三日後、王宮の裏から奇妙な声が響いたのだ。私はノーラン様の寝室に慌てて駆けて行った。ノーラン様を起こそうとすると、邪険に撥ね除けられた。
「バイオレット! ここに来ちゃだめだと何度言ったらわかるんだい? 式が終わるまでは手は出さないとカミラ女王の墓前で誓ったんだぞ! 破ったら何十年後かにどやされるよ・・・・・・」
「ごめんなさい。でも、怖くて変な鳴き声がしたわ! 王宮の裏のほうからよ!」
「・・・・・・あれは君の大好きな卵を雌鶏に産ます雄鶏の鳴き声だよ。早く結婚式を終わらせて私もバイオレットに卵を・・・・・・」
私は、恥ずかしくてつい、ベッドに転がっていたクッションをノーラン様に投げて自室に戻ったのだった。
私達の結婚式は、明日だ。出席する王族は続々と到着していて、離れの宮殿に泊まっていた。
私の新しい人生が、また明日から始まるのだ!・・・・・・愛するノーラン様とともに・・・・・・
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