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ブロンディ王国へ行く私(バイオレット王女視点)
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私の居室の隣の部屋にたくさんのドレスが運びこまれている。宝石類やら毛皮のストールなどもあり、お店でも開業する勢いでバックや靴も持ち込まれる。
「いったい、どなたが隣にいらっしゃるのですか?」
私はマディソンに尋ねた。
「どなたもいらっしゃいませんよ。あれは、全てディダ様の物です。亡き王妃様の形見も全てディダ様のものになりましたので、隣は衣装部屋ということになりますね」
「衣装部屋? 愛妾って、そういう扱いだとは思わないのだけれど・・・・・・なぜかしら?」
私は、すっかり戸惑ってしまって、独り言が思わず漏れた。
「これは、トリスタン王の思し召しですので。ディダ様は、お礼を申し上げて遠慮なく身につけてくださいませね。早速、できあがったドレスを見に行きましょう。そして、ブロンディ王国に行く際にお持ちするドレスも選ばないといけないですね。さぁ、忙しくなりますよ」
どの衣装も、極上の生地で作られているのが一目でわかった。肌触りのいい光沢のある生地に、金銀の糸で刺繍されたドレス。裾いっぱいに真珠を散りばめたドレス。胸元にダイヤを一面に縫い付けたドレス。大きなサファイアが胸元に輝くイブニングドレスは淡いブルーで、それにはティアラとブレスレットも一緒に用意されていた。ブロンディ王国では、王族の花嫁衣装でもこれほど豪華ではない。
宝石もティアラもブロンディ王国の女王であったお婆様がお持ちだった数の、およそ10倍はあるだろう。これが、繁栄を極めている国の力だ。
マディソンが手際よく、他の侍女達に指示し、荷造りも完璧に整ったところにトリスタン王がいらっしゃった。
「どうだ?ドレスは気に入ったかね?ここにある物は全て貴女のものだ。それとな、注意点がいくつかあってな・・・・・・ブロンディ王国では、私は宰相で、宰相は私の秘書だ。それと・・・・・・アダムという大臣も同行することになったので、伝えておこう」
トリスタン王は、そうおっしゃってお帰りになった。観光に行くのにこんなに着飾るのかしら?
☆
豪奢な馬車が100台用意され、荷造りされた衣装や宝石がそこに運びこまれる。侍女が50人従者も50人、護衛騎士は1,000人と王太子から聞いた私は、すっかり呆れかえっていた。これは、ただの観光ではない。ブロンディ王国ではいったい、なにが待っているの?
☆
「ノラも連れて行く?」
王太子が私に尋ねたので、私は首を横に振った。
「猫は気ままな生き物です。王宮でひなたっぼこしていたほうが幸せでしょう」
「そう、言うと思った。ほら、これならどうだい?
小さな子犬はティーカッププードルだった。茶色いふわふわした巻き毛が愛らしい。
「あぁ、ノーラン様!この子は、とってもかわいいです。名前はどうしましょう?」
「そうだな。ディダの名前をとって『ディー』にしよう」
私達は、こうして、このディーも連れて、ブロンディ王国の旅だったのだった。
「いったい、どなたが隣にいらっしゃるのですか?」
私はマディソンに尋ねた。
「どなたもいらっしゃいませんよ。あれは、全てディダ様の物です。亡き王妃様の形見も全てディダ様のものになりましたので、隣は衣装部屋ということになりますね」
「衣装部屋? 愛妾って、そういう扱いだとは思わないのだけれど・・・・・・なぜかしら?」
私は、すっかり戸惑ってしまって、独り言が思わず漏れた。
「これは、トリスタン王の思し召しですので。ディダ様は、お礼を申し上げて遠慮なく身につけてくださいませね。早速、できあがったドレスを見に行きましょう。そして、ブロンディ王国に行く際にお持ちするドレスも選ばないといけないですね。さぁ、忙しくなりますよ」
どの衣装も、極上の生地で作られているのが一目でわかった。肌触りのいい光沢のある生地に、金銀の糸で刺繍されたドレス。裾いっぱいに真珠を散りばめたドレス。胸元にダイヤを一面に縫い付けたドレス。大きなサファイアが胸元に輝くイブニングドレスは淡いブルーで、それにはティアラとブレスレットも一緒に用意されていた。ブロンディ王国では、王族の花嫁衣装でもこれほど豪華ではない。
宝石もティアラもブロンディ王国の女王であったお婆様がお持ちだった数の、およそ10倍はあるだろう。これが、繁栄を極めている国の力だ。
マディソンが手際よく、他の侍女達に指示し、荷造りも完璧に整ったところにトリスタン王がいらっしゃった。
「どうだ?ドレスは気に入ったかね?ここにある物は全て貴女のものだ。それとな、注意点がいくつかあってな・・・・・・ブロンディ王国では、私は宰相で、宰相は私の秘書だ。それと・・・・・・アダムという大臣も同行することになったので、伝えておこう」
トリスタン王は、そうおっしゃってお帰りになった。観光に行くのにこんなに着飾るのかしら?
☆
豪奢な馬車が100台用意され、荷造りされた衣装や宝石がそこに運びこまれる。侍女が50人従者も50人、護衛騎士は1,000人と王太子から聞いた私は、すっかり呆れかえっていた。これは、ただの観光ではない。ブロンディ王国ではいったい、なにが待っているの?
☆
「ノラも連れて行く?」
王太子が私に尋ねたので、私は首を横に振った。
「猫は気ままな生き物です。王宮でひなたっぼこしていたほうが幸せでしょう」
「そう、言うと思った。ほら、これならどうだい?
小さな子犬はティーカッププードルだった。茶色いふわふわした巻き毛が愛らしい。
「あぁ、ノーラン様!この子は、とってもかわいいです。名前はどうしましょう?」
「そうだな。ディダの名前をとって『ディー』にしよう」
私達は、こうして、このディーも連れて、ブロンディ王国の旅だったのだった。
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