(完結)婚約破棄から始まる真実の愛

青空一夏

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愛を育みだす王太子とバイオレット王女②(王太子視点)

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 初夜がなかったので、興味がないと思っただと?
はぁーー、煽るのはやめてもらいたいものだ。
興味はないさ。やたら気になるだけで喜んだ顔が見たいだけだ。

 夜の行為など、その気になればどんな美女でも手に入る。
けれど、私は心が欲しいのだ。私が王太子であろうかなかろうと、好きと言ってくれる女がいればどんなに嬉しいか。

 ディダも、どうせ他の女と同じなのだろう。私と寝れば、それで済むと思っていたのか・・・・・・
もっと、私自身を見て欲しいのに・・・・・・ちょっと待てよ・・・・・・これじゃぁ、私がまるでディダに恋しているみたいじゃないか。あり得ないな。まだ、会ったばかりの女だ。

 でも・・・・・・今度は子犬を持って行ってやろう・・・・・・
私は、いろいろな矛盾した気持ちを抱えてながらも、毎日ディダの顔を見に行くのだった。






「王太子とディダ様の姿絵を描きますので、お二人でお立ちになってください」

 宮廷の絵描きが来て、私とディダを並ばせた。しかし、いつものディダではない。

「その髪と瞳はどうした? ブラウンではないか」

「えぇ、ブロンディ王国に皆さんで観光に行くそうです。それで、私は変装するように言われましたよ」

 ブラウンの髪と瞳でも、変わらず美しいディダはふんわりと微笑んだ。ドレスは、いつもより肌が露出していてスタイルの良さが際立っているが下品ではない。

「綺麗だな」

 私は思わず声にだすと、ディダは嬉しそうに頬を染めたのだった。


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