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愛を育みだす王太子とバイオレット王女①
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「猫の名はなんと名付けた?」
翌朝、王太子が笑いながら私の居室に入っていらっしゃったので、ノーラン様のお名前をいただきましたと告げた。
「ノラです。可愛いお名前でしょう?」
「まぁ、なんというか・・・・・・まぁ、いいとは思うぞ」
ノーラン様はお顔を赤く染めていらっしゃった。私達は一緒に朝食をとり、ノラを抱いて庭園を散歩する。
「綺麗だな・・・・・・」
ノーラン様は私とノラを見つめておっしゃった。
「えぇ、綺麗な可愛い猫です。私はふわふわした生き物が大好きですわ」
「そうか、ならば、次は子犬はどうだ?ウサギもいいな。野ウサギは懐くのだろうか・・・・・・豹や虎も・・・・・・」
「ふふっ。動物園になりそうですわね」
「あぁ、それもいいな。諸外国から珍しい動物を集めさせよう。ディダが好きなものを・・・・・・」
「あぁ、素敵です。けれど、その優しいお言葉だけいただきましょう。動物にも、それぞれの環境で自由に生きる権利があります。それを捕らえて檻にいれてしまうのは可哀想です。今あるもので充分です。今がほんとうに幸せだと思えます」
「そうか・・・・・・ディダは刺客ではなさそうだ。今夜は貴女の料理を食べようと思う。悪かったな。昨日は食べずにいた」
「いいのですよ。ゆっくり信頼してくだされば・・・・・・例え私に興味がなくともそのお優しい気持ちが嬉しいのですから」
「ディダ、今、なんと言った? 私がディダに興味がないとはどういうことだ?」
「そ、それは・・・・・・初夜が・・・・・・なかったので・・・・・・」
「私は、心がない行為には興味がない。『抱いて欲しい』と貴女から言われなければ、そのような状況には決してならないだろう。貴女は、心がなくてもできるのか?」
ノーラン様は、急に冷めた顔をなさった。怒らせたのだろうか?
「仕事があるから失礼するよ」
王太子は、心なしか声まで冷たくなってしまった。この方は優しいと思うと、急に冷たくなる・・・・・・そしてそうされると、私はなぜかとても悲しくなる。ノーラン様の心が欲しい私は、逆にノーラン様に心を奪われたことに、この時には気がついていないのだった。
翌朝、王太子が笑いながら私の居室に入っていらっしゃったので、ノーラン様のお名前をいただきましたと告げた。
「ノラです。可愛いお名前でしょう?」
「まぁ、なんというか・・・・・・まぁ、いいとは思うぞ」
ノーラン様はお顔を赤く染めていらっしゃった。私達は一緒に朝食をとり、ノラを抱いて庭園を散歩する。
「綺麗だな・・・・・・」
ノーラン様は私とノラを見つめておっしゃった。
「えぇ、綺麗な可愛い猫です。私はふわふわした生き物が大好きですわ」
「そうか、ならば、次は子犬はどうだ?ウサギもいいな。野ウサギは懐くのだろうか・・・・・・豹や虎も・・・・・・」
「ふふっ。動物園になりそうですわね」
「あぁ、それもいいな。諸外国から珍しい動物を集めさせよう。ディダが好きなものを・・・・・・」
「あぁ、素敵です。けれど、その優しいお言葉だけいただきましょう。動物にも、それぞれの環境で自由に生きる権利があります。それを捕らえて檻にいれてしまうのは可哀想です。今あるもので充分です。今がほんとうに幸せだと思えます」
「そうか・・・・・・ディダは刺客ではなさそうだ。今夜は貴女の料理を食べようと思う。悪かったな。昨日は食べずにいた」
「いいのですよ。ゆっくり信頼してくだされば・・・・・・例え私に興味がなくともそのお優しい気持ちが嬉しいのですから」
「ディダ、今、なんと言った? 私がディダに興味がないとはどういうことだ?」
「そ、それは・・・・・・初夜が・・・・・・なかったので・・・・・・」
「私は、心がない行為には興味がない。『抱いて欲しい』と貴女から言われなければ、そのような状況には決してならないだろう。貴女は、心がなくてもできるのか?」
ノーラン様は、急に冷めた顔をなさった。怒らせたのだろうか?
「仕事があるから失礼するよ」
王太子は、心なしか声まで冷たくなってしまった。この方は優しいと思うと、急に冷たくなる・・・・・・そしてそうされると、私はなぜかとても悲しくなる。ノーラン様の心が欲しい私は、逆にノーラン様に心を奪われたことに、この時には気がついていないのだった。
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