10 / 34
結婚式の招待状をカルロス王国にも出したアリッサ
しおりを挟む
お姉様をカルロス王国に嫁入りさせることは、すべて私と私をとても愛してくださる両親が考えたことだった。私は、老人の王様に嫁ぐなんてまっぴらだもの。
だから、お姉様が代わりに行くのは当然よね? お嫁入り道具だとか、随行者だとか、いろいろお父様がおっしゃっていたけれど、なぜそんな無駄なことをするの?
「お姉様は、あちらの老人の王様の側妃になるのでしょう? 側妃と言えば聞こえはいいけれど、たかが愛人になりに行くお姉様に、そんな支度が必要ですかぁ?それより、私とジェイデン様の結婚式を盛大にしたいし、私が女王になる戴冠式も大々的にしなければいけないでしょう?」
「まぁ、確かにその通りだな。しかし、国民への公布もあるしな。公布したら最低の体裁は整えなければならん。
まぁ、いいか。そのへんは、うやむやでも・・・・・・あぁ、かえって、随行者が少ない方がいいのかもしれない。バイオレットは美しい。途中で盗賊にあってさらわれても、その首領の愛人ぐらいにはおさまるだろう」
お父様は、すごく楽しい冗談が言える。盗賊の愛人になって、生き延びるなんて滑稽だわ。
けれど、お姉様が殺されたという噂がブロンディ王国に広まった。
『バイオレット王女が国境近くで惨殺された』『護衛も一人もつけずになぜ国境近くにいたんだ』『バイオレット王女こそが次期女王なのに、どういうことだ!』
そのような民の声は商業地域から起こったという。
「やばい・・・・・・その地域の金持ち達の存在を忘れておった・・・・・・」
お父様が、青ざめているけれど、なぜなのかしら。女王様が絶対権力者でしょう?なぜ、悩むの?文句を言うやつなんて、みんな処罰すればいいと思う。
「そんなの、気にしなくて大丈夫でしょう?なんとかなるわよ? 結婚式には各国の王族を呼びましょうよ」
そして、私は、うっかり王族の招待状のリストのなかに、カルロス王国をいれてしまい招待状を出してしまったのだった。
だから、お姉様が代わりに行くのは当然よね? お嫁入り道具だとか、随行者だとか、いろいろお父様がおっしゃっていたけれど、なぜそんな無駄なことをするの?
「お姉様は、あちらの老人の王様の側妃になるのでしょう? 側妃と言えば聞こえはいいけれど、たかが愛人になりに行くお姉様に、そんな支度が必要ですかぁ?それより、私とジェイデン様の結婚式を盛大にしたいし、私が女王になる戴冠式も大々的にしなければいけないでしょう?」
「まぁ、確かにその通りだな。しかし、国民への公布もあるしな。公布したら最低の体裁は整えなければならん。
まぁ、いいか。そのへんは、うやむやでも・・・・・・あぁ、かえって、随行者が少ない方がいいのかもしれない。バイオレットは美しい。途中で盗賊にあってさらわれても、その首領の愛人ぐらいにはおさまるだろう」
お父様は、すごく楽しい冗談が言える。盗賊の愛人になって、生き延びるなんて滑稽だわ。
けれど、お姉様が殺されたという噂がブロンディ王国に広まった。
『バイオレット王女が国境近くで惨殺された』『護衛も一人もつけずになぜ国境近くにいたんだ』『バイオレット王女こそが次期女王なのに、どういうことだ!』
そのような民の声は商業地域から起こったという。
「やばい・・・・・・その地域の金持ち達の存在を忘れておった・・・・・・」
お父様が、青ざめているけれど、なぜなのかしら。女王様が絶対権力者でしょう?なぜ、悩むの?文句を言うやつなんて、みんな処罰すればいいと思う。
「そんなの、気にしなくて大丈夫でしょう?なんとかなるわよ? 結婚式には各国の王族を呼びましょうよ」
そして、私は、うっかり王族の招待状のリストのなかに、カルロス王国をいれてしまい招待状を出してしまったのだった。
80
お気に入りに追加
3,796
あなたにおすすめの小説

【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。

見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~
矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。
隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。
周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。
※設定はゆるいです。

愛しき夫は、男装の姫君と恋仲らしい。
星空 金平糖
恋愛
シエラは、政略結婚で夫婦となった公爵──グレイのことを深く愛していた。
グレイは優しく、とても親しみやすい人柄でその甘いルックスから、結婚してからも数多の女性達と浮名を流していた。
それでもシエラは、グレイが囁いてくれる「私が愛しているのは、あなただけだよ」その言葉を信じ、彼と夫婦であれることに幸福を感じていた。
しかし。ある日。
シエラは、グレイが美貌の少年と親密な様子で、王宮の庭を散策している場面を目撃してしまう。当初はどこかの令息に王宮案内をしているだけだと考えていたシエラだったが、実はその少年が王女─ディアナであると判明する。
聞くところによるとディアナとグレイは昔から想い会っていた。
ディアナはグレイが結婚してからも、健気に男装までしてグレイに会いに来ては逢瀬を重ねているという。
──……私は、ただの邪魔者だったの?
衝撃を受けるシエラは「これ以上、グレイとはいられない」と絶望する……。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる