(完)私を捨てるですって? ウィンザー候爵家を立て直したのは私ですよ?

青空一夏

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6 カリスマ編集長がやって来た! あら、私、モテ期になっちゃった

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「この素晴らしい食べ方はエリザベート様の発案だそうですね! まさにミラクルですわ。私の母はこの『ひつまぶし』のことを大絶賛しておりました。私は正直ここまで美味しいものとは思っていませんでした・・・・・・ですが、これは奇跡! まさにミラクルですね。ぜひ、雑誌で特集を組ませてください!」
一人の若いお嬢さんが私の鰻店に来店し、雑誌に写真を載せたいと言ってきた。もちろん快諾し、店内の写真も撮影されて私はたくさんの質問を受けた。

「最近の『小骨事件』を知ってらっしゃいますか? ウィンザー侯爵家の鰻店のお話ですが」

「はい、噂には聞きました。鰻は小骨がたくさんありますから丁寧な仕事をする必要があるのですよ。手間を惜しんでは美味しい鰻にはなりませんからね。それから鰻は老若男女が楽しむものです。私の店でもこれからはうな重と、お肉を鰻の蒲焼き風に串に刺して焼くなどのものも出すつもりです。どうしても小骨が心配な方にはお肉で鰻風を味わっていただくのもありかなっと思いましてね」

「まぁ、それはいい案ですねぇ。鰻風に焼かれたお肉もきっと絶品ですわ! 実に素晴らしいです。これは私どもの雑誌の一番の目玉にします!」
ものすごく鰻を気に入ったそのお嬢さんがそこまで影響力のある雑誌の編集長だったのを知ったのは雑誌が発売されて本屋に並んだ時だった。


カリスマ編集長が大絶賛!! この奇跡の食べ物の名前は『ひつまぶし』!!
カリッとした皮にふっくらした身。甘いタレをまとったそれは香ばしく、焦がした香味野菜がなお風味を引き立てる。ピリッとした薬味や調味料で味変すると一段高みに、出し汁を注げば鰻の旨味が汁に溶け込み米全体に行き渡る。ここでも薬味のネギというものがいいアクセントになり、見事な魚と香味野菜の味のハーモニーにあなたは驚愕するだろう! まさに人生で一回は食べるべきもの! それは至高のエリザベート特製ひつまぶしなのである! ・・・・・・


うわぁ~~恥ずかしい褒め言葉が、これでもかっと言わんばかりに掲載されていた。そして私のことを『鰻の女神様』だって。なんか、あんまり素敵な響きじゃないけれど最高級の賞賛と受けとめて私は満足だ。・・・・・・その結果、この雑誌のお陰で来るわ、来るわ! お客様の嵐に嬉しい悲鳴をあげて、店を増築することになったのだった。

蛸もこうなったら、あの食べ物を作ってもいいかもしれない。それは誰でも好きなタコ焼きよ! 
そんなことを思っているとチャムリー侯爵から、とても熱心にお屋敷に招待されてなぜか目の前には3人の男性がにこやかに微笑んでいるのだった。

「えっと、これは・・・・・・?」

「はい、私の息子達ですよ。まだ独身おまけに婚約者もいない。年下の男性はお嫌ですか? ぜひ当家の嫁になっていただきたい!」

むむっ。年下が好きか、と言われれば大好物のひとつだった。私はジャニー○の若い男の子のグループの大ファンだったからね。

そして、目の前の男性は私よりほんの少し年下なだけ。全く、問題なく許容範囲だった。

「ですが、ご子息のほうはどうなんでしょう? 私は一回結婚に失敗しておりますし、子供もなかなかできない体質なようです」

「子供はできなくても大丈夫。跡継ぎはいずれできる兄弟の子供を養子に迎えればいいだけのこと。あなたのようなしっかりとした嫁がチャムリー侯爵家には必要ですよ」

私はそんなわけでこの3人の男性とデートをすることになるのだった。さて、私が選んだ男性は・・・・・・
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