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1 プロローグーー君の役目は終わったよ
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「どうしよう……もうお終いだよ。新しい事業に失敗したよ。もう、ウィンザー候爵家は破滅だ! 二人で首をくくろう・・・・・・」
夫がしゃがれ声でそう言いながら泣き出したの。
「待って。そんなに悲観することはないわ。私に帳簿と詳しい話を聞かせてくれないかしら?」
私は夫を励ますように優しい微笑みと言葉で慰めた。
「女の君にはわかるはずがないよ。新しい事業は大失敗さ。ウィンザー侯爵領には海も川もあるだろう? だから漁業に力をいれたところ妙な生き物ばかり捕れるんだ」
「妙な生き物? どんなものなの?」
「蛇みたいな形とたくさん足があるぐにゃっとした生き物さ・・・・・・皆、あの不気味な形だから悪魔しか食わないと言って廃棄するしかないんだ」
私は実は転生者。蛇のような形といえば思い浮かべるのはあの細長い高給食材。そう、鰻だわ。鰻は川に生息するばかりではなく海にもいる。
前世に日本という国で生きていた私は、なにを隠そう鰻屋の一人娘だった。淡水魚のウナギは一般的に海でうまれた後、川に遡上して成長し、産卵期を迎えるとまた海に戻る。
この異世界でも鮭や鮎、秋刀魚もあるなら鰻だってあるに違いない。しかも醤油に似た風味の調味料もあるとなれば・・・・・・そう、これは鰻屋をやらずしてなんとする?
私は早速、夫の事業を見に行きーーつまりその蛇のような魚とご対面したわけ。うん、やっぱり鰻ちゃんでしたぁーー。
「これは極上の鰻だわ。首をつるどころじゃないわよ! 大儲けだわ。任せてちょうだい! あ、ちなみにそのたくさんの足をもつ生き物も食べられるわよ。美味しいんだから」
私はあっという間にその鰻と蛸で大きな利益を生み出したのだった。
ところが最初こそ感謝していた夫は、利益を生み出すようになってから3ヶ月もするとおもしろくなさ気な表情となり、その半年後にはこう言いだしたのだった。
「エリザベート! もう君の役目は終わったよ」
夫がしゃがれ声でそう言いながら泣き出したの。
「待って。そんなに悲観することはないわ。私に帳簿と詳しい話を聞かせてくれないかしら?」
私は夫を励ますように優しい微笑みと言葉で慰めた。
「女の君にはわかるはずがないよ。新しい事業は大失敗さ。ウィンザー侯爵領には海も川もあるだろう? だから漁業に力をいれたところ妙な生き物ばかり捕れるんだ」
「妙な生き物? どんなものなの?」
「蛇みたいな形とたくさん足があるぐにゃっとした生き物さ・・・・・・皆、あの不気味な形だから悪魔しか食わないと言って廃棄するしかないんだ」
私は実は転生者。蛇のような形といえば思い浮かべるのはあの細長い高給食材。そう、鰻だわ。鰻は川に生息するばかりではなく海にもいる。
前世に日本という国で生きていた私は、なにを隠そう鰻屋の一人娘だった。淡水魚のウナギは一般的に海でうまれた後、川に遡上して成長し、産卵期を迎えるとまた海に戻る。
この異世界でも鮭や鮎、秋刀魚もあるなら鰻だってあるに違いない。しかも醤油に似た風味の調味料もあるとなれば・・・・・・そう、これは鰻屋をやらずしてなんとする?
私は早速、夫の事業を見に行きーーつまりその蛇のような魚とご対面したわけ。うん、やっぱり鰻ちゃんでしたぁーー。
「これは極上の鰻だわ。首をつるどころじゃないわよ! 大儲けだわ。任せてちょうだい! あ、ちなみにそのたくさんの足をもつ生き物も食べられるわよ。美味しいんだから」
私はあっという間にその鰻と蛸で大きな利益を生み出したのだった。
ところが最初こそ感謝していた夫は、利益を生み出すようになってから3ヶ月もするとおもしろくなさ気な表情となり、その半年後にはこう言いだしたのだった。
「エリザベート! もう君の役目は終わったよ」
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