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5 最終話 (アデン視点) 事の真相とざまぁ?

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「アデン! アデンの携帯貸して! ほら、これで見れるよ?」

 昼すぎにサンドイッチを持っていきなりやってきたキャサリンが、僕の携帯をチャッチャッと触ってまた僕に返してくれた。

「なにを見られるの?」

「ん? アラサリーの携帯に昨日ストーカーウェアをインストールしたから、そのデータが転送されるのよ」

「なにそれ? そして、このデーターはなに?」

 僕の携帯に流れ込む写メ、メールのやり取り、通話履歴……これは『編集長だらけ』……

「やられちゃってるね! まぁ、ここは離婚でよくないかい? いつもご飯をご馳走になっているからさぁー。このデータを書類化してあげるよぉーー。出来心で、なんて言われないように一ヶ月から三ヶ月我慢できる? 全部が編集しとくさ。この携帯は預かっておくね」

 僕は虚しい気持ちでいっぱいで、頷くだけで精一杯だ。裏切られていた……もうなにも考えたくないんだ……

「公爵様から肖像画と、聖堂の壁画を頼まれていたんだ。すっごく忙しくなって公爵家に泊まり込みになる仕事だったから断ってたんだけど……」

「行ってきなよ! このキャサリン様が全部証拠をとっておくわよ」



☆彡★彡☆彡


 僕はそれから半年のあいだ、家には帰らなかった。キャサリンからアラサリーに、急に泊りがけの仕事になったと言ってもらうようにした。
 
 ずっと公爵家で用意された部屋で、寝食を忘れて絵を描いていた。嫌なことや辛いことを忘れるために真摯にうちこんだ結果、思いがけず素晴らしい傑作がうまれた。

 特に聖堂の壁画は高く評価され、国王陛下にいたく気に入っていただけた。今までにも王家から仕事を受けていたこともあり、実績を認められて一代限りではあるが男爵の爵位もいただいたのだった。



 自宅に戻るとアラサリーが媚びるような笑顔を浮かべて寄り添ってきたので、その身体をはねのけた。

「どうしたのよ? お帰り! 私、すっごく寂しかったわ。ところで、その格好はなぁに? お貴族様みたいよ? これって、仮装大会?」

「いや、違うよ。男爵の称号を国王陛下からいただいたんだ。もちろん一代限りなんだけど・・・・・・ただこれから、もっと素晴らしい壁画を描き続けるのなら、領地もくださって一代だけではなくなるそうだ」


「素敵! 私はアデンを支えるためにも、出版社はやめるわね?」

「いや、アラサリーの支えはいらない。会社は辞めないほうがいいよ」


ーーピンポーンーー 



「おっ帰りぃーー! さてと、アラサリーはキモいからアデン君に近づかないでぇーー! はい、離婚届はこれよ?アラサリーさんはここにサインをどうぞ!」

 キャサリンが元気よく入ってきて、アラサリーと僕の間に入ってきた。

「は? どういうことよ! あんたたち、さてはのね? 慰謝料を請求するわ! 絶対に許さないんだからぁーー」

「アラサちゃん、これはなんでしょう? この証拠はばっちり残してあるからね? もう裁判所にも届け済みよ? 慰謝料を払うのはあんただね? それとさぁ、あたしの旦那ともよろしくやってるのわかったからね? 二人で払ってよね?」
 

 



☆彡★彡☆彡
(キャサリン視点)






 アデンはアラサリーと離婚して、私もロバートとは離婚した。

「ねぇ、ロバートはアラサリーとは浮気していない、って言ってたけど?」

 アデンが私に聞いてくるが、私は曖昧に笑って誤魔化した。

「ロバートは出張先にいっぱい女性がいたから、アラサリーがいたって不思議じゃないわよ」

 そう、ロバートには女が複数いたが証拠はなかなか掴めなかった。あのアラサリーの携帯に登録してあった別人のロバートの電話番号を、夫の番号に変えた。

 案の定、何回も私の夫に電話をし、ラブラブメールも電話番号宛てにいくつも送っていた。あの迂闊で愚かなアラサリーは絶対に電話番号を一回登録したら、その番号はいちいち確認しないはずなのだ。

 私の夫はたくさんの女とつきあいすぎて、ごちゃごちゃになっていたらアラサリーのメールに相づちを打っていた。ばかな男だ・・・・・・。

 かくして、浮気夫の証拠もゲットし私は見事離婚ができて・・・・・・しかも、今はアデンの恋人に収まっている。アデンの為にお料理教室にも通っているし、お掃除だって頑張っているわ。

 私は、実はずっとアデンが好きだった。だから、彼の親友と結婚して隣の家に住んで家族同士で仲良くしたの。近くにいたかったから、それだけで幸せだったんだ!

 でも、アラサリーが浮気してくれてたから・・・・・・これはアデンには内緒だ・・・・・・私の気持ちはアラサリーに感謝しているということ。

 アラサちゃん! 私の大好きなアデンを裏切ってくれてありがとう!!
 
 

▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
🌷 おまけ



「アデン、おめでとう! 大聖堂の壁画を任されて大成功ですって! 領地も、もらえて本物のお貴族様になれるなんて、すごいわ!」

「うん、これから生まれる子供のために頑張ったよ!」

 アデンは男爵の爵位を子供に継がせることができるまでに出世し、子どもは3人恵まれてずっと幸せだったそうです。


 アラサリーは・・・・・・路地裏で夜になると立っているそうですよ・・・・・・何のためにかって? さぁ、なんの為ですかねぇーー

「うっさいわよ! お金の為よ! 決まってるじゃない! 今日こそは上客を捕まえてやるんだからね!」

 アラサリーは、真っ赤な口紅をつけてブツブツつぶやいております。まぁ、そういうことのようです。



おしまい


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感想 3

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みんなの感想(3件)

セリ
2021.07.15 セリ
ネタバレ含む
青空一夏
2021.07.15 青空一夏

( *ˊᗜˋ)ノꕤ*.゚コンバンハ~♪

>5話、所々、『アラサリー』・・・・・・
ひゃ∑( ◦д⊙)‼
修正しておきます
間違いだらけ(•́ε•̀;ก)💦・・・・・・
いやはやなんとも・・・・・・

>テンポ良く、ざまぁ・・・・・・
そうそうw
ろくでもない人達です😁

感想アリガトウ✾“ヽ(。◕‿◕。)ノ”ゴザイマス🌷

解除
鍋
2021.03.30

青空様~💐
新作ですね🎵
浮気妻の心理に興味津々((o(^∇^)o))

青空一夏
2021.03.30 青空一夏

お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_☕️🍰

これね、、、最低なんですヽ(´o`;

ゆるふわお下劣です😅

コメントをお寄せくださり感謝💐です🎶☺️

解除
Kimy
2021.03.30 Kimy
ネタバレ含む
青空一夏
2021.03.30 青空一夏

お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_☕️🍰

これね
最低な女性が思い浮かんだので書きたくなって😅👀

2話目は最低な妻視点ですーーーー
ここが書きたかったぁーー🎵

みんなで最低ーーヽ(´o`;とハモりたい🎵🎶

コメントをお寄せくださり感謝💐です🎶☺️

解除

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