(完結)妹に虐げられた私は・・・・・・

青空一夏

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4 この屋敷に私の居場所はない 

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「・・・・・・あぁ、それはいいかもしれないな。マリア、君はこの屋敷に残るといい」

「まぁ、ありがとうございます。嬉しいぃーー!!」
 マリアは勝ち誇ったように、甲高い声を上げて笑いお兄様の腕に縋った。

(お兄様はそれを払いのけようともしない・・・・・・そうよね・・・・・・お兄様は当主になって、これから妻を迎えなければならない。ここに私がいたらお兄様の迷惑になってしまう)

 お兄様が戻っていらしてから私は元の部屋に戻ったけれど、ミリーやエスメはマリアを頼みにして私に些細な意地悪をいつもする。

 お兄様はそれを見ていたはずなのに注意もしない。マリアの相手をしきりにしていて、お兄様の瞳に私は少しも映らない。

 ある夜、お兄様とマリアが抱き合っているのを見てしまった私は、ここを出る決心をした。

(この家を出よう! ここに私の居場所なんてないんだ)

 私はトランクにわずかな荷物を詰める。行く当てはお母様がお元気でいらした頃に、たまにお会いすることがあったノア伯父様でお母様のお兄様だ。お母様が病にかかってからは一度もお会いしていない。
 お母様が亡くなった時も、それ以降も来てくださることはなかったけれど・・・・・・私が行ったら迷惑かしら?でも他に行くところがない。

 ノア伯父様の屋敷に向かう前に、すでにお父様と田舎に向かったマーガレットの部屋で、お母様の形見がなにか残されていないかを探す。マーガレットは強欲でお母様の物はなんでも自分のものにしていたから。でも、なにもなくて・・・・・・見つかったのはたくさんの未開封の手紙だった。


愛する妹、ローズへ

お前が病に伏していると聞いて、何度もスエソン伯爵家を訪れた。しかし、あのジョセフが面会謝絶だと言って追い返す。心配でたまらない・・・・・・


                              

差出人はノア・コスタ伯爵。お母様のお兄様、ノア伯父様だ。何度もここに訪れていたなんて知らなかった。ノア伯父様は私とお母様を見捨てたわけじゃなかったのね・・・・・・

(行ってみよう。コスタ伯爵家、お母様の実家へ)

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