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18 家族で助け合いなさい(国王陛下視点)
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「証拠か? 証人がいるのだよ。あの場にベールを被っていたご婦人がいたろう? それは王妃だ」
「はっ! ベールを被っていたなら、あの二人のどっちかが王妃様だとわかるはずもない! いい加減なことを言わないでください」
オクタビアは図々しくも儂に反論するが、愚かな男よ……すでに白状しているようなものだ。
「なぜ、お前に二人とわかったのだ? 王太后と王妃がベールを被っていたことは、その場にいなければわからないはず」
儂は、ニヤリと笑いながら問いかけた。
「は? いいえ、ただ……なんとなくです……だいたい、証人がいないのなら話になりません」
まだ言い訳をして誤魔化そうとする男に、私は呆れるしかない。
「証拠の記録ノートを王妃に持ってきてくれ! 儂は着替えてくるので、ワインでも飲んで待っているがいい」
私はこの悪党から買った記録日記を、侍女から王妃に渡させると変装をしにその場を後にした。
オクタビアは侍女に渡された赤ワインのグラスをすっかり飲み干した。
ふっ、警戒心のまるでない男なのだな。
王妃が記録日記を開き、朗読をはじめたようだ。
☆彡★彡☆彡
儂が戻ってきてもまだ観察日記は朗読されていた。王妃ではなく侍女達が順番に朗読していたようだった。
「○月×日 晴天 オマリ伯爵夫妻に植物から抽出した毒を50倍に薄めて飲み水にいれ10日目に、嘔吐・目眩を……」
「○月×日 曇り オマリ伯爵夫人がついに倒れて…………」
侍女達が読み進める内容は、正確な毒の観察日記だ。
「うわっ! やめてくれ! そんなものは知らん。オマリ伯爵夫妻にスズランの毒など誰がやるか!」
オクタビアのワインには夜会の初めから、自白剤を薄めたものを用意していた。少しづつ、こうして本音がでるように仕組めば、より見物している貴族達にオクタビアの愚かさと邪悪さを印象づけられる。
「さてと、オクタビアよ。儂をよく見よ? 久しぶりだな」
オクタビアは驚愕の表情で冷や汗を垂らしていた。
「まさか……おい! コクオ! 私を国王陛下に売ったのか? 友人だと思っていたのに! お前は毒が大好きな変態じじぃなはずじゃないか……エイヴリーはもう殺したのか?」
勝手に自白していくその様子に、貴族達も唖然として『死刑』を叫んでいた。儂はオクタビアの目の前で特殊メイクを剥がすと、オクタビアはペタンと座り込み放心状態になった。
「3人は斬首刑にすればよろしいかと思いますわ」
王妃は、綺麗な眉をひそめて言うが、それでは毒でじわじわと殺された者達がうかばれん。
「古来の刑を復活させよ! 生きたまま熱湯で……」
母上の王太后様は、過激なことをおっしゃっているが……残虐なだけではいけない……。
すると聡明なクラーク・キナン伯爵から妙案が提案された。
「オクタビアの犯罪は愛するヴァネッサの為にしたものでしょう? この3人はとても仲睦まじい親子ですから、連帯責任をとらせたらいかがですか? 毎日、決まった量の毒を3人分与えます。連帯責任なので、3人で協力しあってそれを飲みます。等分に分けてもいいし、一人だけで飲んでもいい。家族の愛が試せて絆が深まり、仲良くあの世にいけます」
これは、精神的にも身体的にも辛い刑かもしれない……
「3人を塔に閉じ込め、監視をつけよ。毒はごく薄いものとし、必ず3人のうちの誰かが飲むようにせよ。勝手に捨てればむち打ちとし、連帯責任で皆に拷問を与える……」
「ひっ」
三人は、ガクンと膝から崩れ落ちて、頭を抱え込んだ。
「お前達が娘を助けたければ、毒を夫婦で分け合って飲みなさい。娘が無事生き残ったのなら、更生させるために儂も全力を尽くそう」
「はっ! ベールを被っていたなら、あの二人のどっちかが王妃様だとわかるはずもない! いい加減なことを言わないでください」
オクタビアは図々しくも儂に反論するが、愚かな男よ……すでに白状しているようなものだ。
「なぜ、お前に二人とわかったのだ? 王太后と王妃がベールを被っていたことは、その場にいなければわからないはず」
儂は、ニヤリと笑いながら問いかけた。
「は? いいえ、ただ……なんとなくです……だいたい、証人がいないのなら話になりません」
まだ言い訳をして誤魔化そうとする男に、私は呆れるしかない。
「証拠の記録ノートを王妃に持ってきてくれ! 儂は着替えてくるので、ワインでも飲んで待っているがいい」
私はこの悪党から買った記録日記を、侍女から王妃に渡させると変装をしにその場を後にした。
オクタビアは侍女に渡された赤ワインのグラスをすっかり飲み干した。
ふっ、警戒心のまるでない男なのだな。
王妃が記録日記を開き、朗読をはじめたようだ。
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儂が戻ってきてもまだ観察日記は朗読されていた。王妃ではなく侍女達が順番に朗読していたようだった。
「○月×日 晴天 オマリ伯爵夫妻に植物から抽出した毒を50倍に薄めて飲み水にいれ10日目に、嘔吐・目眩を……」
「○月×日 曇り オマリ伯爵夫人がついに倒れて…………」
侍女達が読み進める内容は、正確な毒の観察日記だ。
「うわっ! やめてくれ! そんなものは知らん。オマリ伯爵夫妻にスズランの毒など誰がやるか!」
オクタビアのワインには夜会の初めから、自白剤を薄めたものを用意していた。少しづつ、こうして本音がでるように仕組めば、より見物している貴族達にオクタビアの愚かさと邪悪さを印象づけられる。
「さてと、オクタビアよ。儂をよく見よ? 久しぶりだな」
オクタビアは驚愕の表情で冷や汗を垂らしていた。
「まさか……おい! コクオ! 私を国王陛下に売ったのか? 友人だと思っていたのに! お前は毒が大好きな変態じじぃなはずじゃないか……エイヴリーはもう殺したのか?」
勝手に自白していくその様子に、貴族達も唖然として『死刑』を叫んでいた。儂はオクタビアの目の前で特殊メイクを剥がすと、オクタビアはペタンと座り込み放心状態になった。
「3人は斬首刑にすればよろしいかと思いますわ」
王妃は、綺麗な眉をひそめて言うが、それでは毒でじわじわと殺された者達がうかばれん。
「古来の刑を復活させよ! 生きたまま熱湯で……」
母上の王太后様は、過激なことをおっしゃっているが……残虐なだけではいけない……。
すると聡明なクラーク・キナン伯爵から妙案が提案された。
「オクタビアの犯罪は愛するヴァネッサの為にしたものでしょう? この3人はとても仲睦まじい親子ですから、連帯責任をとらせたらいかがですか? 毎日、決まった量の毒を3人分与えます。連帯責任なので、3人で協力しあってそれを飲みます。等分に分けてもいいし、一人だけで飲んでもいい。家族の愛が試せて絆が深まり、仲良くあの世にいけます」
これは、精神的にも身体的にも辛い刑かもしれない……
「3人を塔に閉じ込め、監視をつけよ。毒はごく薄いものとし、必ず3人のうちの誰かが飲むようにせよ。勝手に捨てればむち打ちとし、連帯責任で皆に拷問を与える……」
「ひっ」
三人は、ガクンと膝から崩れ落ちて、頭を抱え込んだ。
「お前達が娘を助けたければ、毒を夫婦で分け合って飲みなさい。娘が無事生き残ったのなら、更生させるために儂も全力を尽くそう」
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