(完結)追放された王女は隣国の後宮で囚われの奴隷?になるー溺愛されて困っています

青空一夏

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7 王太子の恋人のふりをしてみた

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私は、思いっきり、引いた表情をしていたに違いない。王太子は、言い訳じみた話を、いろいろしてきたわ。

「いや、決して、好きな女性がいないというわけではなく・・・もちろん、付き合っている女性はいるのだが・・・彼女はシャイなのだ・・・だから、人前に出ることも私の両親に会うことも躊躇している。だから、代わりに・・・」

「代わりに?」

私は、話の意図が掴めないでいた。好きな女性の代わりに? 私が気に入られてなんのメリットがあるの?・・・

「つまりだ、周囲を納得させて、結婚式で誓ってしまえば、その女性は私の妻だ・・・どうせ、結婚式の女性の衣装はベールで包まれていて、花嫁の顔は見えない」

ここまで、聞いて、私は納得した。了解です! 鬼畜な王太子様・・・鬼畜でもないか・・・つまり、愛する女性を大事にしたい?ってことかな・・・うーーん、わからない・・・でも、ま、いいか・・・この王太子様は私を助けてくれたのは事実だし・・・それに対しては恩を返すのがいいかもしれないな・・・

「承知いたしました。その大事な恋人の代わりに、皆様に王太子妃として相応しいと認められればいいということですね?」

私が確認すると、、王太子様は、『そういうことになるのかな?』などと、人ごとのようにおっしゃっている。

「ならば、あのお爺さんから助けていただいた恩もありますし、精一杯やらせていただきますね。それで、その仕事が済んだならば、私にこの国の戸籍と住む家を用意していただいてもよろしいでしょうか?」

「え? あぁ、戸籍と住む家か? ・・・そんなものは当然だ」

王太子様が、とても自信をもっておっしゃってくださったから、私は安心した。これは、ビジネスだわ。頑張りまぁす。

王様がいらっしゃったので、私は、すっと立ち上がり、完璧なカーテシーをした。

「まぁ、この方が王太子の思い人なのですね? 全く、どこの国の姫との縁談も断ると思っていたら・・・」

王妃様(多分)が、ニコニコと微笑みながらこちらにいらっしゃったので、私は王様の時より、一層丁寧なカーテシーをしたのだった。

王太子は私の耳元で囁いた。「合格だよ」

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