7 / 7
7 皇妃様は隠れ大聖女様 最終話
しおりを挟む
ꕤ୭*王太子殿下視点
真聖女、あれはエジラプト国の膿だった。あいつの父親はそこにいる汚職まみれの大神官と母親は欲深な公爵家のわがまま令嬢だった女。権威を笠に着てやりたい放題。実力のある聖女が一人もいなくなったのは、こいつらが虐げ迫害し国外に追いやったからだ。
こういう機会でもなければ一掃することができなかったから、隣国のカール王太子殿下の要請は都合が良かった。
「なんてことだ! 娘をどこへやった? まさか、本当に隣国へ? そんなことをしたら、あの子は・・・・・・」
「なに? やはり、娘だけでは心配だよな? 大神官、お前も娘に協力したいよな? アネット、この高潔な大神官も隣国へ赴き人助けをしたいそうだ」
「滅相もない。私の力など微力ですので・・・・・・どうか、ご勘弁を」
「そうか、微力なお前がなぜ大神官を名乗っている? 即刻、その位を返還せよ」
大神官の一族を国外に追放し、エジラプト国に平和が戻ってきた。
「アネット! ここで神殿を束ねて民のために祈ってくれ」
ꕤ୭*アネット視点
「アネット! ここで神殿を束ねて民のために祈ってくれ」
「嫌です! だって、迫害されたりいろいろとその・・・・・・」
「あぁ、わかるよ。だったら、私の妃になって聖女の仕事は隠れてやればいい」
「ほぇ? そんなことできるのですか?」
「私に不可能という文字はない」
エジラプト国の神殿は壊され子供が遊べる広場が作られ遊具が設置された。この国には神官も聖女も巫女もいなくなったのだ。だって、神はそれぞれの心の中にこそいるのだから!
「王妃さまぁーー! この魔獣の毒を抜いてくだせぇーー。今夜は焼き肉にしたいので」
王宮の庭園まで森で仕留めた魔獣を持って来た民達に、私は毒消しの魔法を上から散らす。
「れさえきよくど、レサエキヨクドーー!! 美味しくなぁれ」
「ありがとうございまぁーーす ! 王妃様がいれば聖女様なんて用なしだぁ」
朝から多くの民がここに訪れ毒消しを望む。魔獣は今や大切な食料源になっていた。
私は朝起きると結界のチェックをし、こうして仕留めた魔獣の毒を消し去り食用肉にしてあげる。だからこの国は飢えることもなく、無限にお肉が手に入るのだった。野菜だけ育てれば自給自足。
国はますます繁栄しやがて私達は諸外国を統一、一大帝国を築きあげのだった。
ꕤ୭*元アグスティン国の民の一人
私が住んでいた村に大量の魔獣が侵入してきたが、なぜか私達はスルーして王城を取り囲み始めた。
今まで大量発生などしたことがなかったのは誰かがそれを抑制していたのだろう。
思い当たる人物は数ヶ月前に追放された聖女様。本物の大聖女はあの方だったのでは? と皆がそう思いだしたときのこの魔獣の大量発生だ。
王城は血の海と化して、それは一瞬にして静まった。アグスティン国はエジラプト国に統合され、新しい皇帝が生まれた。皇妃がなんとあの例の聖女様だ。この方は大聖女と呼ばれることを嫌い、神殿もいらないと言ったそうだ。それこそ、大聖女様らしいお言葉! だから、私達は知っている。本物の大聖女様はあの方なのだと。
完
真聖女、あれはエジラプト国の膿だった。あいつの父親はそこにいる汚職まみれの大神官と母親は欲深な公爵家のわがまま令嬢だった女。権威を笠に着てやりたい放題。実力のある聖女が一人もいなくなったのは、こいつらが虐げ迫害し国外に追いやったからだ。
こういう機会でもなければ一掃することができなかったから、隣国のカール王太子殿下の要請は都合が良かった。
「なんてことだ! 娘をどこへやった? まさか、本当に隣国へ? そんなことをしたら、あの子は・・・・・・」
「なに? やはり、娘だけでは心配だよな? 大神官、お前も娘に協力したいよな? アネット、この高潔な大神官も隣国へ赴き人助けをしたいそうだ」
「滅相もない。私の力など微力ですので・・・・・・どうか、ご勘弁を」
「そうか、微力なお前がなぜ大神官を名乗っている? 即刻、その位を返還せよ」
大神官の一族を国外に追放し、エジラプト国に平和が戻ってきた。
「アネット! ここで神殿を束ねて民のために祈ってくれ」
ꕤ୭*アネット視点
「アネット! ここで神殿を束ねて民のために祈ってくれ」
「嫌です! だって、迫害されたりいろいろとその・・・・・・」
「あぁ、わかるよ。だったら、私の妃になって聖女の仕事は隠れてやればいい」
「ほぇ? そんなことできるのですか?」
「私に不可能という文字はない」
エジラプト国の神殿は壊され子供が遊べる広場が作られ遊具が設置された。この国には神官も聖女も巫女もいなくなったのだ。だって、神はそれぞれの心の中にこそいるのだから!
「王妃さまぁーー! この魔獣の毒を抜いてくだせぇーー。今夜は焼き肉にしたいので」
王宮の庭園まで森で仕留めた魔獣を持って来た民達に、私は毒消しの魔法を上から散らす。
「れさえきよくど、レサエキヨクドーー!! 美味しくなぁれ」
「ありがとうございまぁーーす ! 王妃様がいれば聖女様なんて用なしだぁ」
朝から多くの民がここに訪れ毒消しを望む。魔獣は今や大切な食料源になっていた。
私は朝起きると結界のチェックをし、こうして仕留めた魔獣の毒を消し去り食用肉にしてあげる。だからこの国は飢えることもなく、無限にお肉が手に入るのだった。野菜だけ育てれば自給自足。
国はますます繁栄しやがて私達は諸外国を統一、一大帝国を築きあげのだった。
ꕤ୭*元アグスティン国の民の一人
私が住んでいた村に大量の魔獣が侵入してきたが、なぜか私達はスルーして王城を取り囲み始めた。
今まで大量発生などしたことがなかったのは誰かがそれを抑制していたのだろう。
思い当たる人物は数ヶ月前に追放された聖女様。本物の大聖女はあの方だったのでは? と皆がそう思いだしたときのこの魔獣の大量発生だ。
王城は血の海と化して、それは一瞬にして静まった。アグスティン国はエジラプト国に統合され、新しい皇帝が生まれた。皇妃がなんとあの例の聖女様だ。この方は大聖女と呼ばれることを嫌い、神殿もいらないと言ったそうだ。それこそ、大聖女様らしいお言葉! だから、私達は知っている。本物の大聖女様はあの方なのだと。
完
44
お気に入りに追加
1,104
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(36件)
あなたにおすすめの小説
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
ファンタジー
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。

聖女解任ですか?畏まりました(はい、喜んでっ!)
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私はマリア、職業は大聖女。ダグラス王国の聖女のトップだ。そんな私にある日災難(婚約者)が災難(難癖を付け)を呼び、聖女を解任された。やった〜っ!悩み事が全て無くなったから、2度と聖女の職には戻らないわよっ!?
元聖女がやっと手に入れた自由を満喫するお話しです。
私の妹は確かに聖女ですけど、私は女神本人ですわよ?
みおな
ファンタジー
私の妹は、聖女と呼ばれている。
妖精たちから魔法を授けられた者たちと違い、女神から魔法を授けられた者、それが聖女だ。
聖女は一世代にひとりしか現れない。
だから、私の婚約者である第二王子は声高らかに宣言する。
「ここに、ユースティティアとの婚約を破棄し、聖女フロラリアとの婚約を宣言する!」
あらあら。私はかまいませんけど、私が何者かご存知なのかしら?
それに妹フロラリアはシスコンですわよ?
この国、滅びないとよろしいわね?

常識的に考えて
章槻雅希
ファンタジー
アッヘンヴァル王国に聖女が現れた。王国の第一王子とその側近は彼女の世話係に選ばれた。女神教正教会の依頼を国王が了承したためだ。
しかし、これに第一王女が異を唱えた。なぜ未婚の少女の世話係を同年代の異性が行うのかと。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。


聖女は魔女の濡れ衣を被せられ、魔女裁判に掛けられる。が、しかし──
naturalsoft
ファンタジー
聖女シオンはヒーリング聖王国に遥か昔から仕えて、聖女を輩出しているセイント伯爵家の当代の聖女である。
昔から政治には関与せず、国の結界を張り、周辺地域へ祈りの巡礼を日々行っていた。
そんな中、聖女を擁護するはずの教会から魔女裁判を宣告されたのだった。
そこには教会が腐敗し、邪魔になった聖女を退けて、教会の用意した従順な女を聖女にさせようと画策したのがきっかけだった。
二人の男爵令嬢の成り上がり!でも、結末は──
naturalsoft
恋愛
オーラシア大陸の南に姉妹国と呼ばれる二つの国があった。
西側のアネーデス王国
東側のイモート王国
過去にはお互いの王族を嫁がせていた事もあり、お互いにそれぞれの王族の血が受け継がれている。
そして、アネーデス王国で周辺国を驚かすニュースが大陸を駆け抜けた。
その国のとある男爵令嬢が、王太子に見初められ【正しい正規の手続き】を踏んで、王太子妃になったのである。
その出来事から1年後、隣のイモート王国でも、その国の男爵令嬢が【第一王子】の【婚約者】になったと騒がれたのだった。
しかし、それには公衆の面前で元婚約者に婚約破棄を突き付けたりと、【正規の手続きを踏まず】に決行した悪質なやり方であった。
この二人の結末はいかに──
タイトルイラスト
素材提供
『背景素材屋さんみにくる』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
大爆笑で😂
大ウケでした!
サイコーです( ̄▽ ̄)
感想ありがとうございます!
喜んでいただきありがとうございます🙇♀️
いつも褒めていただいて嬉しい(#^.^#)
最近、新作も書かず、続編も書かず、怠けております😓が
来月からは、バンバン書いていきたいな、と思っておりますので、よろしくお願いしますーー
もうね、いつも思うの。
登場人物の名前が素敵すぎる!!!
物語は然ることながら、ほんとに楽しく読んでます!
🎀∧
| ・ω・) あ
|⊂ノ
|🎀∧
| ・ω・) り
|⊂ノ
|🎀∧
| ・ω・) が
|⊂ノ
|🎀∧
| ・ω・) と
|⊂ノ
|🎀∧
| ・ω・) ❤️
|⊂ノ
最近お休みしておりますが
今年も
┏┳┳━┳┳┳━●∞●
┃┃┃┗┫┃┃★(・ω・*)
┗┓┃★┣┓┣┓⊂ |
┗┻━┛┗┻━┛UU
お願いします❤
そろそろ
また書き始めますので
読んでいただけると嬉しいです(*´꒳`*)
とても良い。
( 'ω')あ
👌
( 'ω')り
👌
( 'ω' )が
👌
('ω' )と
👌
('ω' )う
👌
( ˘人˘ )ありがとう
∧_ ∧
( ・ω・∩
⊂ ノ ♥アリガトデス♥
O__ ノ
(ノ
❤️