（完結）だって貴方は浮気をしているのでしょう？

１４ 裕太の実家に行くことを決心する私

私は、休みの日に癌治療センター中央病院に行ってみることにした。

小児科医の裕太が、なぜ、そこに車を止めっぱなしにしているのか解せなかったからだ。

「すみません。佐々木裕太先生は、今日は診察日ですか？」

病院の受付に聞くと、事務の制服姿の女性は医師の勤務スケジュールをパソコンで確認した。

「えぇと、そのような先生はいらっしゃいませんよ」

えぇーー。いないはずはないのだけれど･･････裕太の車は確かに病院の駐車場に止まっていた。

どうしてなのかな･･････

病院の駐車場に止まっている車は、かなり埃が被っていて、きれい好きな裕太にしては珍しかった。

私は、腑に落ちずに、それでも夕食のおかずを買って自宅マンションに帰った。

まだ、私は引っ越しはしていない。裕太からは、律儀に毎月半分の家賃が振り込まれていた。


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瑛太からの電話に、その話をしたら、気にしないように言われた。

「今から、そっちに行くよ。なにか、買ってきてほしいものはある？」

瑛太が、私に尋ねた。

「うん、甘い物がいいな。あんこたっぷりの大福とかね」

「オッケー。つまみも買ってく。待っていて」

瑛太は優しいし、気が利く。私の部屋にはいるなり、瑛太は見解を述べた。

「きっと、その車は、もう売られているんだよ。付き合う女性が変ると、車も変える男って多いんだよ」

瑛太の言葉は、とても説得力があった。

そうか･･････あれは、もう裕太の車じゃぁないんだ･･････納得だった。

それでも、GPSを、たまに、見ることはやめられない。そして、久しぶりに車が動くと、それは、やはり裕太の実家に止まるのだった。

絶対、おかしい･･････納得できない･･････


これは、行くしかないわ･･････裕太の実家に、次の休みに瑛太に内緒で行くことを決心したのだった。