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11 上条瑛太との作戦会議と、急に引っ越す裕太

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「ねぇ、なんで、こうも実家に行くのかしら?」

私は上条瑛太に問いかけた。彼も首を傾げているが、結論としては私と同じ考えだった。

「よほど、その女性が、裕太さんのご家族に気に入られているのかもしれませんね。家庭的なのかな?」

がーーん!! 家庭的ね・・・・・・まじで、一昔前の、漫画的効果音の登場に、私も呆れましたよ。

なるほどね・・・・・・全然、家庭的じゃないもんね・・・・・・私ってば。

私は、裕太に食事に誘われたことも打ち明けた。

「そこ、おいしかったですか?」

いきなり、聞かれて頷いた。

「うん、結構、良い感じのお店だったわよ?」

「ふん! 困った人ですね。日向さんは、小悪魔的な女性ですよね?」

小悪魔的?・・・・・・いやぁーー、初めて言われましたが・・・・・・

そんな男を惑わす高等技術なんて、もっとらんわ・・・・・・

「とにかく、その実家に女性を連れて行っているとすれば本命でしょう? 毎回、本命とだけデートしてるのかなぁーー。裕太さんは、本当は真面目な人?」

「わからないわ・・・・・・真面目だったと思う? もう、なにが正解かが、わからないのよ。どうでもいいかもしれないわ。だって、別れたいって言われたんだから、今更、何を掴んだところで・・・・・・」

「・・・・・・はい、はい。日向さんが、まだ、裕太さんが好きなことがその表情でわかりましたよ・・・・・・」

「なっ、そんなことないわよ! 私は、もうふっきれているのよ・・・・・・絶対、割り切れているつもりなんだから・・・・・・」

「うん、うん。わかっていますよ。真面目な日向さんは、やっぱり、けじめをつけないと次の恋には移れそうもないですね?」

私は、次の恋には、確かに移れないのかな・・・・・・女性の恋愛は上書きとよく言われるけれど、私の場合は簡単には塗り潰すことはできないようだ。

その日、マンションに戻ると裕太が私を待っていた。

「ごめんな。日向! 急遽、引っ越しすることになった。ここの家賃は、日向が引っ越すまで半分払うから。ゆっくり物件を探していいよ」

「なんで、そんなに急なの?」

「ははは。彼女がね・・・・・・俺と片時も離れたくないって・・・・・・」

さようでございますか・・・・・・もう、どうぞ、勝手に惚気てろ!







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