あなたを解放してあげるね【本編完結・続編連載中】

青空一夏

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リクエスト1 デリアとナサニエルの二人だけの甘い新婚生活

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 ※デリアに「ナー君」と呼ばせるのが微妙というご意見が複数人いらっしゃったので、デリアには「ナサニエル様」と呼ばせることにしました。


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 ナサニエル様が侯爵の位を賜った時に、国王陛下からいただいた領地はグラフトン侯爵領の隣で王都からも近かった。この新しい領地には美しい湖と森が広がり、ナサニエル様は「シルバーレイク領」と名付けたわ。その名前は陽光に照らされて銀色に光る美しい湖面を表している。つまりナサニエル様はナサニエル・シルバーレイク侯爵になったというわけなのよ。

 この世界では女性も爵位を引き継ぐことができるし、一人で複数の爵位を保持することもできる。いずれ、私もお父様の跡を継いで、グラフトン女侯爵になることが決まっているし、爵位を持つ者同士が夫婦になることは珍しくなかった。

 そんなわけで、シルバーレイク領に屋敷を新しく建てる計画は、ナサニエル様が爵位を賜った時から進んでいた。新しい屋敷は壮大な石造りの構造で、その見事な建築美が際立っていた。 屋敷の正面には高くそびえる塔と精巧な彩色ガラスの窓が設けられ、古風なデザインの門が迎える。 赤い屋根は周囲の緑豊かな森と見事に調和し、屋敷全体に荘厳さと圧倒的な存在感を与えていた。

 そこで新婚生活を楽しむことにした私たちは、グリオの背に乗せてもらった。シルバーレイク領の屋敷まであっという間に着いたのは、神獣のグリオンドールがいかに素早く飛行できるかの証明よね。グリオのお陰でナサニエル様も私もとても移動時間が短縮できた。王都のグラフトン侯爵邸にも、グラフトン侯爵領やシルバーレイク侯爵領のカントリーハウスにも、魔法騎士団館にも、グリオの背に乗ればわずかな時間で着くことができたから。

 この屋敷には必要最小限の使用人しか置いていない。新婚の私たちは、なるべく二人っきりに近い形で過ごしたかったのよ。シルバーレイク領の屋敷の庭園に到着すると、ナサニエル様が私を抱きかかえて、屋敷のなかにはいる。屋敷の中央に位置するサロンに着くと、ソファにそっとおろされた。

  使用人たちが気を利かせて気配を消しているみたい。サロンに漂う空気は爽やかで、まるで時間が止まったかのように静まりかえっていたのよ。ナサニエル様の瞳は深い海のように輝き、私の心を優しく包み込んでいくようだった。

「デリアは本当に美しい・・・・・・」
 ナサニエル様の声は震えていたけれど、その言葉には確かな愛が込められていた。 私の心臓は激しく鼓動し、彼の言葉一つ一つが私の魂を震わせた。

 ナサニエル様の手が私の頬を優しく撫でる。 その触れる感触は、かつて感じたことのないような温もりで、私は目を閉じその瞬間を全身で感じ取ろうとした。 ナサニエル様の息遣いが私の唇に触れる距離まで近づき、私たちの間にはもはや何も隔てるものはなくなった。

 そして、ついに彼の唇が私の唇に優しく触れた。 そのキスは柔らかく愛情深いもので、私たちの心が一つになる瞬間だった。 私はナサニエル様の腕の中で安堵の息を吐き、この瞬間が永遠に続くことを願った。 彼とのキスは、まるで夢の中にいるような、不思議で幸せな感覚だったのよ。

「デリア、君は私にとってかけがえのない宝物だよ」
「ナサニエル様こそ、世界の至宝ですわ」
 
 彼の言葉は私の心に深く響き、この瞬間を私たちは永遠に忘れないだろうと確信したのだった。

 甘い香りが漂う夜、私たちは初めて同じベッドで過ごした。ナサニエル様と私の心は愛情に満ち、期待と緊張が交錯していた。ナサニエル様は私の手を取り、そっと私の顔を撫でた。

 ゆっくりと、私たちはお互いを優しく抱きしめ身を委ねる。ナサニエル様の指先が私の肌をなぞるたび、優しさと深い敬意をこめた愛情が私の全身を包んでいった。そして、私は彼の柔らかなキスに心を奪われ、愛情深い言葉に酔いしれる。
 その一夜は私たちの魂が触れ合い、結びついた瞬間だった。愛する人と一緒に過ごす濃密な時間は、ただそれだけで溢れる幸福感と感謝の気持ちで満たされるものなのよ。


☆彡 ★彡


 朝の光がシルバーレイク候爵邸内を優しく照らしていた。まだ眠気の残る目をこすりながら、普段は使用人たちの領域である厨房へと向かう。ナサニエル様のために、サラダぐらいは自分で作ってあげたかった。 厨房からは香ばしい焼きたてのパンの匂いと、フライパンで卵やベーコンを炒める音が耳に届く。

 コックが料理をしているものとばかり思い厨房を覗き込むと、そこにはナサニエル様の姿があった。 彼は定番の朝食メニューを、まるで長年キッチンに立っていたかのような様子で、上手に作っている。コックはそれをにこにこしながら見ていた。

「おはよう、デリア。少し驚いた?」 彼は振り返り、にっこりと笑った。 その笑顔に、心の中がふわりと温かくなる。

「ええ、完全に驚きよ。でも、どうして…?」 私は言葉を失った。 彼が、こんなにも器用にキッチンで働く姿は想像もしていなかったからよ。

 ナサニエル様は私の方へと近づき、優しく抱きしめてきた。

「デリアのためなら何だって学ぶさ。それに、二人だけの新婚生活は短いからね。何か特別なことをしたかったんだ」 彼の声が、私への愛おしさを込めて耳元で囁かれる。 そして、軽く頬にキスをされた。

 
「ありがとう、ナサニエル様。こんな素敵な朝を迎えられて、本当に幸せよ」
  私は心からの感謝を込めて言った。 そして、彼が作った朝食は最高においしかった。向かい合って食べるよりも横にいて肩が触れあう距離が好き。英雄が作ってくれた朝食を食べられるのは私だけよ。


 
☆彡 ★彡



 また、別な日。森の奥深く、私たちは自然の中でも愛の時間を過ごした。 ナサニエル様と私、二人だけの秘密の場所で。 太陽が木々の間を縫って地面に斑点を描き、風が葉をそっと揺らしている。 ここは私たちの世界、外の喧騒から隔絶された静寂に包まれた聖域だ。

「ここは本当に美しいね、デリア。君と一緒にいられることが、どれほど私にとって幸せなことか」

 ナサニエル様が、優しく微笑みながら何度もそう言った。 彼の声は周りの自然と調和して、心地よい旋律を奏でているようだった。

 「私も同じように感じているわ。ナサニエル様。あなたとこうして森の中を散歩するのは、私にとってこの世で最も幸せな瞬間のひとつよ」
 私は彼の手を握り返し、心からの愛情を込めて答えた。 

 私たちはお互いの目を見つめ合った。 ナサニエル様の目には、愛と優しさがいつも溢れていて、私の心を温かく満たしてくれた。どんな時も、彼の瞳は曇らない。私への愛は一瞬たりとも揺らぐことはないのよ。

「デリア、私の人生に光をもたらしてくれた女神」
 ナサニエル様が言いながら、軽く私の手の甲にキスをした。 

 その言葉に、私の目からはじわりと涙が溢れた。 幸せすぎて、言葉にならない。 ただ、彼の手を強く握りしめることしかできなかった。私たちはしばらくそこにいて、ただ互いの存在を感じながら、愛を確かめ合う。 森での時間は、私たちの愛をより深く、より強く結びつけてくれた。 ナサニエル様と共に過ごすこの瞬間瞬間が、私の人生の中で最も輝かしい宝物なのよ。

 森の中の静けさ、小川のせせらぎ、そしてナサニエル様の優しい眼差し。 これらすべてが私の心を満たし、二人の未来への信頼と愛を深めてくれる。 私たちは手を取り合い、これからも一緒に歩んでいくことを誓い合う。 永遠の愛を誓うのは、何回目かわからない。
 それでも、目が合えば愛をささやきお互いを求め合い、私たちは最高に幸せな瞬間を楽しむ。




 二人だけの時間のなかには雨の日もあった。世界が灰色のベールで包まれる中、私とナサニエル様は外の世界のざわめきから離れ、屋敷の中で自分たちだけの小宇宙を作り出していた。

 こんな日の朝はゆっくりと始まるわ。 雨音が窓を叩き、時折強くなる風が木々を揺らす音が、静かな部屋に心地よいバックグラウンドミュージックを奏でる。 私はナサニエル様とブランケットにくるまって、雨が降りしきる庭園を眺めながら暖かい飲み物を飲む。一枚の大判のブランケットに二人で下着姿のまま、お互いのぬくもりで温め合うのが楽しい。こんな雨の日は思いのほか寒くて、暖炉に火をともして二人でぴったり身体を密着させるのが良い。 

 どんな天気でも、寒くても暑くても、ナサニエル様と一緒なら幸せよ。好きな人と一緒にいられれば一秒一秒がまるで魔法のようにきらめいて、空気さえも甘く感じたし、なにが起こっても奇跡の瞬間のように感動できた。

 午後になると、私たちはグリオが持ってきた古いボードゲームをしてみる。私は競争心が強く、ナサニエル様はそれを楽しんでいる。 ゲームに夢中になる中で笑い声が絶えず、時には小さな冗談が飛び交い、私たちの間の絆をさらに深めていた。

 夕方にはナサニエル様がリュートを手に取り、私は彼の隣で歌を歌った。夜が訪れると、私たちは協力して料理を作る。コックもいるけれど、今は自分たちで料理をしたかった。肉をソテーして野菜サラダを作るくらいはできるもの。ナサニエル様は魚の捌き方を源さんから教わったようで、お鮨でさえ握れるようになっていた。

(私のナサニエル様が完璧すぎる・・・・・・好き!)


 キャンドルを灯し、夕食を楽しんだ。 食後のデザートは、私が焼いたチョコレートチップクッキー。クッキーぐらいは私も作れるのよ。 甘い香りが二人を幸せな気分にさせた。

「凄い、美味しい。デリアはなにをやっても完璧だね。綺麗だし可愛いし、料理もできて世界一の女性だよ」

 私たちはお互いが世界一素晴らしいと信じ合っている。なんの疑いもなく不安もない、確かな愛がある日々が約束されている私たちは、なにがあっても離れることはない。




 そうして甘い新婚生活をシルバーレイク領で過ごした結果、グラフトン侯爵家に戻ってきた私が、その数ヶ月後にナサニエル様に報告した言葉は・・・・・・

「ナサニエル様! 私、妊娠しましたわ!」

 飛び上がるくらいに喜んでくださると思ったのに、ナサニエル様は感動しすぎて涙をはらはらとこぼしたのだった。最近、涙ぐむ姿を見なかったから、とても新鮮だったわ。

 私、デリアは英雄ナサニエル様を感動で泣かせるほど愛されているのだけれど、こういった私たちの様子がどうやら市井にまで伝わっているようで、歌劇やお芝居に私やナサニエル様と似た登場人物がよく出てきたわ。でもね、どんなに麗しいといわれる舞台俳優も全然演じ切れていなかった。だって、本物のナサニエル様には遠く及ばないから。

 だってね、私のナサニエル様は特別だもの!


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次回、妊娠中のデリアをベタベタに甘やかすナサニエルとデリアの出産。
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