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44 いろいろおかしい?(ナサニエル視点)
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グラフトン侯爵家のパーティから三日後のこと、私たちの平民寮にブレイン卿が入ってきた。さすがに個室を与えられていたが、伯爵家の子息が平民寮に入るのは前代未聞だった。魔法騎士団副団長補佐の役職も解かれ第8小隊長になり、あの長い髪はきっちり後ろに束ねていた。
「これから君たちと行動を共にするターヴィル伯爵家のブレインだ。平民寮なんて住みたくなかったのだが、国王陛下から直々のご命令があった。私の素晴らしい危機管理のスキルと困難への挑戦を学ばせてやろう」
危機管理スキルは正直ないと思うが、結果的に困難への挑戦にはなっていると思う。しかし、ブレイン卿の自己紹介が終わっても誰も反応せず、魔法騎士団館の講堂はシーンと静まりかえっていた。
(この嫌な空気は苦手だな。上から目線の言い方に腹を立てたのかもしれないが、拍手ぐらいしてやるのが大人だろうに)
「ペーンにイアゴ。拍手ぐらいしろよ。ゴロヨ小隊長も拍手ぐらいしてあげてください」
私が率先して拍手をするとペーンにイアゴ、ゴロヨ小隊長もそれに続く。私たち四人に続き、第9小隊の隊員たちもまばらな拍手をおくった。肝心の第8小隊の騎士たちからはなんの反応もない。
「おい、ナサニエル。正直、俺も拍手したくないんだが。だって、あいつの手を見てみろよ。貴婦人みたいに綺麗だぜ。副騎士団長補佐は団員たちの訓練や戦闘スキルの向上を監督し、部下たちを指導するはずだろう? いくら魔法で戦うといっても剣の稽古はみんなしている。でも、あいつの手は剣を握る男の手じゃないぜ」
ペーンは苦虫をかみつぶしたような顔になっていた。
「俺も違和感なんだよなぁ。組織内の手続きや文書作成って多分膨大な量だろう? なのに、あいつの手にはペンだこが見あたらない。それに、バカみたいに上から目線で嫌になるよ。きっと、あの調子だと部下たちは言うことをきかないだろうな」
ゴロヨ小隊長が首を横に振りながらため息をついた。確かに綺麗すぎる手だ。まるで私の兄上と弟のような手だった。魔法省にいたときも、公爵家の息子などは補佐役に就いて偉そうにしていたが碌な仕事をしていなかった。それと同じような感じなのかもしれない。そう思いながら彼に向かって拍手をしていると、ブレイン卿とばっちり目が合ってしまう。嫌な予感しかない。
「いたな、ナサニエル! お前は僕のライバルだ。この僕にライバル認定されたことを喜ぶがいい! はーはっはっはっは!」
私はブレイン卿からビシッと指をさされた。なにがおかしいのか、豪快に笑う様子も不思議すぎる。ただ、あの夜会の時のショックを受けた様子からは、すっかり立ち直っているようでなによりだ。
「なんだよ、あいつ。やっぱり気にくわないよ。俺らのナサニエルに挑戦状をたたきつけやがった」
「ほんとだよ。俺らのナサニエルに指さすなんて失礼なやつだ」
「全くだ。第9小隊のアイドルに向かって、なんてことすんだっ!」
ペーン、イアゴ、ゴロヨ小隊長も言うことが所々おかしい。『俺らのナサニエル』って? 『アイドル』? 思わず首を傾げたのだった。
୨୧⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒୨୧
※話の舞台がコロコロ変わりますが、ご了承ください🙇♀️
※【「君を愛することはない」と言われて】連載中です。よろしくお願いします!
「これから君たちと行動を共にするターヴィル伯爵家のブレインだ。平民寮なんて住みたくなかったのだが、国王陛下から直々のご命令があった。私の素晴らしい危機管理のスキルと困難への挑戦を学ばせてやろう」
危機管理スキルは正直ないと思うが、結果的に困難への挑戦にはなっていると思う。しかし、ブレイン卿の自己紹介が終わっても誰も反応せず、魔法騎士団館の講堂はシーンと静まりかえっていた。
(この嫌な空気は苦手だな。上から目線の言い方に腹を立てたのかもしれないが、拍手ぐらいしてやるのが大人だろうに)
「ペーンにイアゴ。拍手ぐらいしろよ。ゴロヨ小隊長も拍手ぐらいしてあげてください」
私が率先して拍手をするとペーンにイアゴ、ゴロヨ小隊長もそれに続く。私たち四人に続き、第9小隊の隊員たちもまばらな拍手をおくった。肝心の第8小隊の騎士たちからはなんの反応もない。
「おい、ナサニエル。正直、俺も拍手したくないんだが。だって、あいつの手を見てみろよ。貴婦人みたいに綺麗だぜ。副騎士団長補佐は団員たちの訓練や戦闘スキルの向上を監督し、部下たちを指導するはずだろう? いくら魔法で戦うといっても剣の稽古はみんなしている。でも、あいつの手は剣を握る男の手じゃないぜ」
ペーンは苦虫をかみつぶしたような顔になっていた。
「俺も違和感なんだよなぁ。組織内の手続きや文書作成って多分膨大な量だろう? なのに、あいつの手にはペンだこが見あたらない。それに、バカみたいに上から目線で嫌になるよ。きっと、あの調子だと部下たちは言うことをきかないだろうな」
ゴロヨ小隊長が首を横に振りながらため息をついた。確かに綺麗すぎる手だ。まるで私の兄上と弟のような手だった。魔法省にいたときも、公爵家の息子などは補佐役に就いて偉そうにしていたが碌な仕事をしていなかった。それと同じような感じなのかもしれない。そう思いながら彼に向かって拍手をしていると、ブレイン卿とばっちり目が合ってしまう。嫌な予感しかない。
「いたな、ナサニエル! お前は僕のライバルだ。この僕にライバル認定されたことを喜ぶがいい! はーはっはっはっは!」
私はブレイン卿からビシッと指をさされた。なにがおかしいのか、豪快に笑う様子も不思議すぎる。ただ、あの夜会の時のショックを受けた様子からは、すっかり立ち直っているようでなによりだ。
「なんだよ、あいつ。やっぱり気にくわないよ。俺らのナサニエルに挑戦状をたたきつけやがった」
「ほんとだよ。俺らのナサニエルに指さすなんて失礼なやつだ」
「全くだ。第9小隊のアイドルに向かって、なんてことすんだっ!」
ペーン、イアゴ、ゴロヨ小隊長も言うことが所々おかしい。『俺らのナサニエル』って? 『アイドル』? 思わず首を傾げたのだった。
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※話の舞台がコロコロ変わりますが、ご了承ください🙇♀️
※【「君を愛することはない」と言われて】連載中です。よろしくお願いします!
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