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4『匂わせ』たい姉(姉視点)
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ポージの夫がやってきた時には、心底、驚いた。まさか、こんなに素敵な人だとは思わなかった。
金髪碧眼の彫刻のような顔立ちにボゥとなってしまった。これはあの子には絶対もったいない。
私がもらってもいいのじゃないかしら?ばれないように、すれば平気? 違う、違う、少し匂わせて傷つけて、しらっばくれてやればいいんだわ。
あぁ、これが、いわゆる『匂わせ不倫』って、やつでしょう?
まずは、このセオドアを誘惑して・・・・・・。私が、やって来たセオドアに、にっこりと微笑むと彼も嬉しそうに微笑んだ。
え?なにこれ?すでに、準備はオッケーなのね?なんて、手間が省けるのかしら?私は彼に近づき、その手をそっと取った。
「ねぇ、二人でとてもいいことをしましょう?」
「いいですよ。ポージには秘密ですね?」
ふふふ。話が早いわ。私達は、会って数分で深い仲になった。あぁ、やっぱり、若くて綺麗な男は最高だわ!今まで、お金が好きだとは言え、年寄りと5年もいたから干からびるかと思ったわよ? あぁ。これって天国!
パラダイスだわぁ。
触れている肌は、すべすべで、皺ひとつない顔はとても綺麗だった。こんないい男を独占していたなんて・・・改めてポージが憎くなった。
私は、セオドアを毎日のように呼び出した。ポージは急に働きはじめたと言っていた。
「あぁ、いいことだわ。家に閉じこもっていないで、外にでて働くのはとても大事なことよね?」
私は、たまにポージに会うとそう言ったわ。
セオドアにもそう言わせた。ポージはばかみたい。私にお礼すら言ったのよ。
「お姉様のお陰で私も、仕事ができるようになりました。ありがとうございます」だって。
自分の夫が寝取られているのも知らないで。暢気な妹で笑ってしまった。私達は、ポージが仕事に夢中になっているのをいいことに朝から晩まで一緒にいることも多くなった。
今日は、ポージを、わざと呼びつけた。二階の部屋には愛し合ったばかりのセオドアがベッドで寝ている。
ポージが来る前に、セオドアが愛用しているコロンを自分の身にたっぷりとふりかけた。
「お姉様。今日もお招きいただいてありがとうございます」
最近のポージは、とても浮き浮きとしている。忌々しいわ。なにか、感じなさいよ! ほら、この香り! 勘ぐりなさいよっ!間抜けな子ねぇ!
ひとしきり、おしゃべりをし、お菓子を食べてお茶を飲んだ。
全く、気がつきもしないで、帰っていこうとするからおもしろくない。わざと彼の服が掛かっている部屋を通らせて帰らせよう。
「ねぇ、この部屋の絵は、最近気に入って買ったばかりなのよ?」
セオドアの服が、無造作にソファにかけられている様子をポージが一瞬、見たのを私は確信したのだった。
金髪碧眼の彫刻のような顔立ちにボゥとなってしまった。これはあの子には絶対もったいない。
私がもらってもいいのじゃないかしら?ばれないように、すれば平気? 違う、違う、少し匂わせて傷つけて、しらっばくれてやればいいんだわ。
あぁ、これが、いわゆる『匂わせ不倫』って、やつでしょう?
まずは、このセオドアを誘惑して・・・・・・。私が、やって来たセオドアに、にっこりと微笑むと彼も嬉しそうに微笑んだ。
え?なにこれ?すでに、準備はオッケーなのね?なんて、手間が省けるのかしら?私は彼に近づき、その手をそっと取った。
「ねぇ、二人でとてもいいことをしましょう?」
「いいですよ。ポージには秘密ですね?」
ふふふ。話が早いわ。私達は、会って数分で深い仲になった。あぁ、やっぱり、若くて綺麗な男は最高だわ!今まで、お金が好きだとは言え、年寄りと5年もいたから干からびるかと思ったわよ? あぁ。これって天国!
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私は、セオドアを毎日のように呼び出した。ポージは急に働きはじめたと言っていた。
「あぁ、いいことだわ。家に閉じこもっていないで、外にでて働くのはとても大事なことよね?」
私は、たまにポージに会うとそう言ったわ。
セオドアにもそう言わせた。ポージはばかみたい。私にお礼すら言ったのよ。
「お姉様のお陰で私も、仕事ができるようになりました。ありがとうございます」だって。
自分の夫が寝取られているのも知らないで。暢気な妹で笑ってしまった。私達は、ポージが仕事に夢中になっているのをいいことに朝から晩まで一緒にいることも多くなった。
今日は、ポージを、わざと呼びつけた。二階の部屋には愛し合ったばかりのセオドアがベッドで寝ている。
ポージが来る前に、セオドアが愛用しているコロンを自分の身にたっぷりとふりかけた。
「お姉様。今日もお招きいただいてありがとうございます」
最近のポージは、とても浮き浮きとしている。忌々しいわ。なにか、感じなさいよ! ほら、この香り! 勘ぐりなさいよっ!間抜けな子ねぇ!
ひとしきり、おしゃべりをし、お菓子を食べてお茶を飲んだ。
全く、気がつきもしないで、帰っていこうとするからおもしろくない。わざと彼の服が掛かっている部屋を通らせて帰らせよう。
「ねぇ、この部屋の絵は、最近気に入って買ったばかりなのよ?」
セオドアの服が、無造作にソファにかけられている様子をポージが一瞬、見たのを私は確信したのだった。
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