6 / 29
6
しおりを挟む
(マクシミリアン様の為にもっと力になれたらいいのに)
リュシュパン公爵家敷地内にある湖は、いつも清らかに澄んでいてとても綺麗だ。畔にはたくさんの花が咲き乱れる。
(マクシミリアン様と一緒に、手を繋いでここをお散歩できたらどんなに素敵かしら)
「マクシミリアン様の病気が一日も早く治りますように」
そうつぶやきながら湖に手を入れると、その冷たさがほどよく気持ち良い。もう少し暑くなったらここで泳ぐこともできそうだな、と思う。
陽光に照らされた湖の水面が、キラリと七色に光る。その不思議なきらめきに、私は何度も瞬きをした。
「まぁ、このような色合いで水面が輝くのは見たことがないわね。綺麗ねぇーー」
リュシュパン公爵夫人が微笑みながらこちらにいらして、一緒に湖を眺めおしゃべりをする。
「そう言えば、フランソワーズは学園に行かなかったようだけれど、病気がちだったのかしら? それとも人見知りが激しかったの?」
「行ったらきっと虐められると思ったので行きませんでした。私は、珍しい髪と瞳の色なので・・・・・・」
「確かに珍しいけれど、とても綺麗で素敵ですよ。好かれることはあっても、虐められるなんてあり得ませんね。かつての社交界の華、前カステジャノス侯爵夫人にそっくりです。あなたが社交界に出れば、たちまち注目の的でしょうね。学園に行けば同じ年頃のお友達も出来て楽しかったはずよ」
「お祖母様は私が幼い頃に亡くなったので、ほんの少ししか覚えていませんが、優しかったです。お祖父様もよく抱っこしてくださいました。二人とも大好きでした。ですが、私はお祖母様に似なければ良かった、とずっと思っています」
「・・・・・・そういうことね。よくわかりましたよ。さぁ、このお話しはおしまい。もっと楽しいお話しをしましょうね。そうだ、あなたのドレスを少しばかり補充しに仕立屋に行かない? 仕立屋を屋敷に呼びつけてもいいけれど、市井に行く方が楽しいわ」
「あのぉ、私は今持っているもので充分です。それに屋敷外には行ったことがないので、市井なんて怖いです」
「え? 市井に行ったことがないの? 屋敷から出たことがない? 一度も?」
私はコクンと頷いた。なぜ、それほど驚かれるのかしら?
「早速今から行きましょう。あなたを見ていたら、なんでもしてあげたくなっちゃうわ」
(私はすっかり同情されたみたい。マクシミリアン様も同情してくれたし)
家族に邪険にされていたことを知られるのは辛くて恥ずかしい。家族の愛をもらえなかったことが、まるで自分の落ち度のように感じるから。だから、学園に行ったら虐められるから行かなくていい、とおっしゃったお母様のことは言えない。
「さぁ、ここにあるドレスをすべて試着するのよ」
リュシュパン公爵夫人が次々とドレスを持ってきては私に試着させる。
「どれもお似合いですけれど、ゴテゴテしたものよりシンプルな方が良さそうです。エンパイアラインとマーメイドライン、スレンダーライン、このあたりが一番お嬢様にお似合いです。妖精のような清らかな美貌にピッタリですから」
デザイナーが私に似合うドレスを的確に分析し、それらのデザインのドレスが、私の身体に合わせて微調整されていく。たくさんのお針子達が、素早く確実に私の身体にぴったりあったドレスに作り替えるのだ。
「うん、いいわね。このデザインのドレスは、もう売らないでちょうだい。デザインの権利ごとリュシュパン公爵家が買い取ります。夜会や舞踏会で似たようなデザインのドレスを見かけることぐらい、嫌なことはありませんからね」
リュシュパン公爵夫人がにこやかに仕立屋のオーナーに告げると、オーナーは深くうなづいた。
「ちょっと多過ぎでは? 2、3着で充分です。それにこのようなセミオーダーの贅沢なドレスなんてもったいないです。私にはぶら下がり物で充分です」
「ぶら下がり物? 貴族令嬢は誰も、そのような物は着ません。これはわたくしの楽しみでもありますよ。遠慮はいりません。それにしても綺麗な水色の髪だこと! これ以上に美しい髪は見たことがないわ」
「おっしゃる通りです。これほど美しいお嬢様は見たことがありません」
仕立屋のオーナーが言ってくれるのは、きっと社交辞令だと思う。
リュシュパン公爵家に来てからの私は、一日に何回もたくさんの方から褒められる。侍女からはドレスを着させてもらう度に、天使だ、妖精だ、女神だと、賞賛された。リュシュパン公爵夫人は可愛いと、リュシュパン公爵は賢い子だと、マクシミリアン様は綺麗だと、私に何度もおっしゃった。
(もしかして・・・・・・私、この方達から愛されているのかもしれない)
段々と自分に自信がついてくると、マクシミリアン様との会話も弾んだ。
「マクシミリアン様、お野菜を残してはいけません! このオレンジも、もう一口めしあがってくださいませ」
「オレンジはあまり好きじゃないが、フランソワーズの言うことなら全部食べるよ」
マクシミリアン様は頬に少し肉がついてきて、だいぶ体調が良い。もう以前のようにガリガリではないし、順調に回復に向かっていた。
「これは奇跡です」と医者が感心し、リュシュパン公爵夫妻は私にとても感謝してくださる。
「フランソワーズが親身になって看病してくれたお陰よ。ありがとう」
私にも価値があるんだ、と信じさせてくれる魔法の言葉を、公爵家の方達はたくさん言ってくれる。
やがて、マクシミリアン様はすっかり回復して、リュシュパン公爵家でお祝いのパーティーが開かれた。
「私の代わりに看病してくださってありがとう。ですが、もうお姉様の役目はここまでですわ。私に返してくださらない? きっとマクシミリアン様だって私が戻ってくるのを待ち望んでいらっしゃいますわ」
両親とともにベッツィーがやって来て、私の耳元でささやいた。
「なぜ、マクシミリアン様がベッツィーを待ち望んでいると思うの? 私達はとても仲良く暮らしているわ」
「あらぁーー。お姉様が口答えをするようになったなんて、生意気よ、お母様に嫌われているお姉様のくせに。
リュシュパン公爵家の方達が皆優しいから、とんだ勘違いを起こしたのね?」
”お母様に嫌われているお姉様のくせに” その言葉が私の心をえぐる。
「・・・・・・リュシュパン公爵家の方々は皆とても優しいし良くしてくださるわ」
私は努めて冷静な声を出すようにした。
「ふふふふ。それってお姉様だから特別というわけではありませんよ? この私だって婚約者だった頃は、とても公爵夫妻に大事にされました。それに・・・・・・マクシミリアン様は私に夢中でした。お姉様はマクシミリアン様とキスをしたことがありますか? 私は毎回会う度にキスをされて、『君が欲しい』と、言われましたわ。裸で抱き合ったことさえあるのです」
「嘘でしょう?」
「嘘なものですか。お兄様に相談したのですよ。ねぇ、お兄様にマクシミリアン様のことを相談したのを覚えてますわね? 私がマクシミリアン様に押し倒されそうになった時に・・・・・・」
「うん、覚えているさ。男は好きな女性にはそんな気持ちを隠せない。だから喜んでされるままにした方がいい、とアドバイスしてあげた。キスなんかは挨拶みたいなものだしね」
(キスは当たり前なの? 私はそんなことをされたことがない)
「あっははは。どうやらそのお顔は、なにもされたことがない、ということのようですわね? さぁ、どちらが愛されているかわかったでしょう?」
せっかく自信がついてきたところだったのに・・・・・・リュシュパン公爵家の方々から、私は愛されているのかもしれない、と思い始めてきたところだったのに・・・・・・
私だけが特別ではないと聞かされて、自分が思い上がっていたことに恥ずかしくなる。私はマクシミリアン様にキスもされたこともなければ・・・・・・好きだ、と言われたこともないのだ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※ぶら下がり物:既製服。サイズが大雑把に分かれているが、あらかじめできあがった服のこと。
リュシュパン公爵家敷地内にある湖は、いつも清らかに澄んでいてとても綺麗だ。畔にはたくさんの花が咲き乱れる。
(マクシミリアン様と一緒に、手を繋いでここをお散歩できたらどんなに素敵かしら)
「マクシミリアン様の病気が一日も早く治りますように」
そうつぶやきながら湖に手を入れると、その冷たさがほどよく気持ち良い。もう少し暑くなったらここで泳ぐこともできそうだな、と思う。
陽光に照らされた湖の水面が、キラリと七色に光る。その不思議なきらめきに、私は何度も瞬きをした。
「まぁ、このような色合いで水面が輝くのは見たことがないわね。綺麗ねぇーー」
リュシュパン公爵夫人が微笑みながらこちらにいらして、一緒に湖を眺めおしゃべりをする。
「そう言えば、フランソワーズは学園に行かなかったようだけれど、病気がちだったのかしら? それとも人見知りが激しかったの?」
「行ったらきっと虐められると思ったので行きませんでした。私は、珍しい髪と瞳の色なので・・・・・・」
「確かに珍しいけれど、とても綺麗で素敵ですよ。好かれることはあっても、虐められるなんてあり得ませんね。かつての社交界の華、前カステジャノス侯爵夫人にそっくりです。あなたが社交界に出れば、たちまち注目の的でしょうね。学園に行けば同じ年頃のお友達も出来て楽しかったはずよ」
「お祖母様は私が幼い頃に亡くなったので、ほんの少ししか覚えていませんが、優しかったです。お祖父様もよく抱っこしてくださいました。二人とも大好きでした。ですが、私はお祖母様に似なければ良かった、とずっと思っています」
「・・・・・・そういうことね。よくわかりましたよ。さぁ、このお話しはおしまい。もっと楽しいお話しをしましょうね。そうだ、あなたのドレスを少しばかり補充しに仕立屋に行かない? 仕立屋を屋敷に呼びつけてもいいけれど、市井に行く方が楽しいわ」
「あのぉ、私は今持っているもので充分です。それに屋敷外には行ったことがないので、市井なんて怖いです」
「え? 市井に行ったことがないの? 屋敷から出たことがない? 一度も?」
私はコクンと頷いた。なぜ、それほど驚かれるのかしら?
「早速今から行きましょう。あなたを見ていたら、なんでもしてあげたくなっちゃうわ」
(私はすっかり同情されたみたい。マクシミリアン様も同情してくれたし)
家族に邪険にされていたことを知られるのは辛くて恥ずかしい。家族の愛をもらえなかったことが、まるで自分の落ち度のように感じるから。だから、学園に行ったら虐められるから行かなくていい、とおっしゃったお母様のことは言えない。
「さぁ、ここにあるドレスをすべて試着するのよ」
リュシュパン公爵夫人が次々とドレスを持ってきては私に試着させる。
「どれもお似合いですけれど、ゴテゴテしたものよりシンプルな方が良さそうです。エンパイアラインとマーメイドライン、スレンダーライン、このあたりが一番お嬢様にお似合いです。妖精のような清らかな美貌にピッタリですから」
デザイナーが私に似合うドレスを的確に分析し、それらのデザインのドレスが、私の身体に合わせて微調整されていく。たくさんのお針子達が、素早く確実に私の身体にぴったりあったドレスに作り替えるのだ。
「うん、いいわね。このデザインのドレスは、もう売らないでちょうだい。デザインの権利ごとリュシュパン公爵家が買い取ります。夜会や舞踏会で似たようなデザインのドレスを見かけることぐらい、嫌なことはありませんからね」
リュシュパン公爵夫人がにこやかに仕立屋のオーナーに告げると、オーナーは深くうなづいた。
「ちょっと多過ぎでは? 2、3着で充分です。それにこのようなセミオーダーの贅沢なドレスなんてもったいないです。私にはぶら下がり物で充分です」
「ぶら下がり物? 貴族令嬢は誰も、そのような物は着ません。これはわたくしの楽しみでもありますよ。遠慮はいりません。それにしても綺麗な水色の髪だこと! これ以上に美しい髪は見たことがないわ」
「おっしゃる通りです。これほど美しいお嬢様は見たことがありません」
仕立屋のオーナーが言ってくれるのは、きっと社交辞令だと思う。
リュシュパン公爵家に来てからの私は、一日に何回もたくさんの方から褒められる。侍女からはドレスを着させてもらう度に、天使だ、妖精だ、女神だと、賞賛された。リュシュパン公爵夫人は可愛いと、リュシュパン公爵は賢い子だと、マクシミリアン様は綺麗だと、私に何度もおっしゃった。
(もしかして・・・・・・私、この方達から愛されているのかもしれない)
段々と自分に自信がついてくると、マクシミリアン様との会話も弾んだ。
「マクシミリアン様、お野菜を残してはいけません! このオレンジも、もう一口めしあがってくださいませ」
「オレンジはあまり好きじゃないが、フランソワーズの言うことなら全部食べるよ」
マクシミリアン様は頬に少し肉がついてきて、だいぶ体調が良い。もう以前のようにガリガリではないし、順調に回復に向かっていた。
「これは奇跡です」と医者が感心し、リュシュパン公爵夫妻は私にとても感謝してくださる。
「フランソワーズが親身になって看病してくれたお陰よ。ありがとう」
私にも価値があるんだ、と信じさせてくれる魔法の言葉を、公爵家の方達はたくさん言ってくれる。
やがて、マクシミリアン様はすっかり回復して、リュシュパン公爵家でお祝いのパーティーが開かれた。
「私の代わりに看病してくださってありがとう。ですが、もうお姉様の役目はここまでですわ。私に返してくださらない? きっとマクシミリアン様だって私が戻ってくるのを待ち望んでいらっしゃいますわ」
両親とともにベッツィーがやって来て、私の耳元でささやいた。
「なぜ、マクシミリアン様がベッツィーを待ち望んでいると思うの? 私達はとても仲良く暮らしているわ」
「あらぁーー。お姉様が口答えをするようになったなんて、生意気よ、お母様に嫌われているお姉様のくせに。
リュシュパン公爵家の方達が皆優しいから、とんだ勘違いを起こしたのね?」
”お母様に嫌われているお姉様のくせに” その言葉が私の心をえぐる。
「・・・・・・リュシュパン公爵家の方々は皆とても優しいし良くしてくださるわ」
私は努めて冷静な声を出すようにした。
「ふふふふ。それってお姉様だから特別というわけではありませんよ? この私だって婚約者だった頃は、とても公爵夫妻に大事にされました。それに・・・・・・マクシミリアン様は私に夢中でした。お姉様はマクシミリアン様とキスをしたことがありますか? 私は毎回会う度にキスをされて、『君が欲しい』と、言われましたわ。裸で抱き合ったことさえあるのです」
「嘘でしょう?」
「嘘なものですか。お兄様に相談したのですよ。ねぇ、お兄様にマクシミリアン様のことを相談したのを覚えてますわね? 私がマクシミリアン様に押し倒されそうになった時に・・・・・・」
「うん、覚えているさ。男は好きな女性にはそんな気持ちを隠せない。だから喜んでされるままにした方がいい、とアドバイスしてあげた。キスなんかは挨拶みたいなものだしね」
(キスは当たり前なの? 私はそんなことをされたことがない)
「あっははは。どうやらそのお顔は、なにもされたことがない、ということのようですわね? さぁ、どちらが愛されているかわかったでしょう?」
せっかく自信がついてきたところだったのに・・・・・・リュシュパン公爵家の方々から、私は愛されているのかもしれない、と思い始めてきたところだったのに・・・・・・
私だけが特別ではないと聞かされて、自分が思い上がっていたことに恥ずかしくなる。私はマクシミリアン様にキスもされたこともなければ・・・・・・好きだ、と言われたこともないのだ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※ぶら下がり物:既製服。サイズが大雑把に分かれているが、あらかじめできあがった服のこと。
44
お気に入りに追加
4,701
あなたにおすすめの小説
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
【完結】残酷な現実はお伽噺ではないのよ
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
恋愛
「アンジェリーナ・ナイトレイ。貴様との婚約を破棄し、我が国の聖女ミサキを害した罪で流刑に処す」
物語でよくある婚約破棄は、王族の信頼を揺るがした。婚約は王家と公爵家の契約であり、一方的な破棄はありえない。王子に腰を抱かれた聖女は、物語ではない現実の残酷さを突きつけられるのであった。
★公爵令嬢目線 ★聖女目線、両方を掲載します。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
2023/01/11……カクヨム、恋愛週間 21位
2023/01/10……小説家になろう、日間恋愛異世界転生/転移 1位
2023/01/09……アルファポリス、HOT女性向け 28位
2023/01/09……エブリスタ、恋愛トレンド 28位
2023/01/08……完結
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
素顔を知らない
基本二度寝
恋愛
王太子はたいして美しくもない聖女に婚約破棄を突きつけた。
聖女より多少力の劣る、聖女補佐の貴族令嬢の方が、見目もよく気もきく。
ならば、美しくもない聖女より、美しい聖女補佐のほうが良い。
王太子は考え、国王夫妻の居ぬ間に聖女との婚約破棄を企て、国外に放り出した。
王太子はすぐ様、聖女補佐の令嬢を部屋に呼び、新たな婚約者だと皆に紹介して回った。
国王たちが戻った頃には、地鳴りと水害で、国が半壊していた。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
義姉でも妻になれますか? 第一王子の婚約者として育てられたのに、候補から外されました
甘い秋空
恋愛
第一王子の婚約者として育てられ、同級生の第二王子のお義姉様だったのに、候補から外されました! え? 私、今度は第二王子の義妹ちゃんになったのですか! ひと風呂浴びてスッキリしたら…… (全4巻で完結します。サービスショットがあるため、R15にさせていただきました。)
呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました
しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。
そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。
そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。
全身包帯で覆われ、顔も見えない。
所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。
「なぜこのようなことに…」
愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。
同名キャラで複数の話を書いています。
作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。
この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。
皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。
短めの話なのですが、重めな愛です。
お楽しみいただければと思います。
小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚するので姉様は出ていってもらえますか?
基本二度寝
恋愛
聖女の誕生に国全体が沸き立った。
気を良くした国王は貴族に前祝いと様々な物を与えた。
そして底辺貴族の我が男爵家にも贈り物を下さった。
家族で仲良く住むようにと賜ったのは古い神殿を改装した石造りの屋敷は小さな城のようでもあった。
そして妹の婚約まで決まった。
特別仲が悪いと思っていなかった妹から向けられた言葉は。
※番外編追加するかもしれません。しないかもしれません。
※えろが追加される場合はr−18に変更します。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる