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(マクシミリアン様の為にもっと力になれたらいいのに)
リュシュパン公爵家敷地内にある湖は、いつも清らかに澄んでいてとても綺麗だ。畔にはたくさんの花が咲き乱れる。
(マクシミリアン様と一緒に、手を繋いでここをお散歩できたらどんなに素敵かしら)
「マクシミリアン様の病気が一日も早く治りますように」
そうつぶやきながら湖に手を入れると、その冷たさがほどよく気持ち良い。もう少し暑くなったらここで泳ぐこともできそうだな、と思う。
陽光に照らされた湖の水面が、キラリと七色に光る。その不思議なきらめきに、私は何度も瞬きをした。
「まぁ、このような色合いで水面が輝くのは見たことがないわね。綺麗ねぇーー」
リュシュパン公爵夫人が微笑みながらこちらにいらして、一緒に湖を眺めおしゃべりをする。
「そう言えば、フランソワーズは学園に行かなかったようだけれど、病気がちだったのかしら? それとも人見知りが激しかったの?」
「行ったらきっと虐められると思ったので行きませんでした。私は、珍しい髪と瞳の色なので・・・・・・」
「確かに珍しいけれど、とても綺麗で素敵ですよ。好かれることはあっても、虐められるなんてあり得ませんね。かつての社交界の華、前カステジャノス侯爵夫人にそっくりです。あなたが社交界に出れば、たちまち注目の的でしょうね。学園に行けば同じ年頃のお友達も出来て楽しかったはずよ」
「お祖母様は私が幼い頃に亡くなったので、ほんの少ししか覚えていませんが、優しかったです。お祖父様もよく抱っこしてくださいました。二人とも大好きでした。ですが、私はお祖母様に似なければ良かった、とずっと思っています」
「・・・・・・そういうことね。よくわかりましたよ。さぁ、このお話しはおしまい。もっと楽しいお話しをしましょうね。そうだ、あなたのドレスを少しばかり補充しに仕立屋に行かない? 仕立屋を屋敷に呼びつけてもいいけれど、市井に行く方が楽しいわ」
「あのぉ、私は今持っているもので充分です。それに屋敷外には行ったことがないので、市井なんて怖いです」
「え? 市井に行ったことがないの? 屋敷から出たことがない? 一度も?」
私はコクンと頷いた。なぜ、それほど驚かれるのかしら?
「早速今から行きましょう。あなたを見ていたら、なんでもしてあげたくなっちゃうわ」
(私はすっかり同情されたみたい。マクシミリアン様も同情してくれたし)
家族に邪険にされていたことを知られるのは辛くて恥ずかしい。家族の愛をもらえなかったことが、まるで自分の落ち度のように感じるから。だから、学園に行ったら虐められるから行かなくていい、とおっしゃったお母様のことは言えない。
「さぁ、ここにあるドレスをすべて試着するのよ」
リュシュパン公爵夫人が次々とドレスを持ってきては私に試着させる。
「どれもお似合いですけれど、ゴテゴテしたものよりシンプルな方が良さそうです。エンパイアラインとマーメイドライン、スレンダーライン、このあたりが一番お嬢様にお似合いです。妖精のような清らかな美貌にピッタリですから」
デザイナーが私に似合うドレスを的確に分析し、それらのデザインのドレスが、私の身体に合わせて微調整されていく。たくさんのお針子達が、素早く確実に私の身体にぴったりあったドレスに作り替えるのだ。
「うん、いいわね。このデザインのドレスは、もう売らないでちょうだい。デザインの権利ごとリュシュパン公爵家が買い取ります。夜会や舞踏会で似たようなデザインのドレスを見かけることぐらい、嫌なことはありませんからね」
リュシュパン公爵夫人がにこやかに仕立屋のオーナーに告げると、オーナーは深くうなづいた。
「ちょっと多過ぎでは? 2、3着で充分です。それにこのようなセミオーダーの贅沢なドレスなんてもったいないです。私にはぶら下がり物で充分です」
「ぶら下がり物? 貴族令嬢は誰も、そのような物は着ません。これはわたくしの楽しみでもありますよ。遠慮はいりません。それにしても綺麗な水色の髪だこと! これ以上に美しい髪は見たことがないわ」
「おっしゃる通りです。これほど美しいお嬢様は見たことがありません」
仕立屋のオーナーが言ってくれるのは、きっと社交辞令だと思う。
リュシュパン公爵家に来てからの私は、一日に何回もたくさんの方から褒められる。侍女からはドレスを着させてもらう度に、天使だ、妖精だ、女神だと、賞賛された。リュシュパン公爵夫人は可愛いと、リュシュパン公爵は賢い子だと、マクシミリアン様は綺麗だと、私に何度もおっしゃった。
(もしかして・・・・・・私、この方達から愛されているのかもしれない)
段々と自分に自信がついてくると、マクシミリアン様との会話も弾んだ。
「マクシミリアン様、お野菜を残してはいけません! このオレンジも、もう一口めしあがってくださいませ」
「オレンジはあまり好きじゃないが、フランソワーズの言うことなら全部食べるよ」
マクシミリアン様は頬に少し肉がついてきて、だいぶ体調が良い。もう以前のようにガリガリではないし、順調に回復に向かっていた。
「これは奇跡です」と医者が感心し、リュシュパン公爵夫妻は私にとても感謝してくださる。
「フランソワーズが親身になって看病してくれたお陰よ。ありがとう」
私にも価値があるんだ、と信じさせてくれる魔法の言葉を、公爵家の方達はたくさん言ってくれる。
やがて、マクシミリアン様はすっかり回復して、リュシュパン公爵家でお祝いのパーティーが開かれた。
「私の代わりに看病してくださってありがとう。ですが、もうお姉様の役目はここまでですわ。私に返してくださらない? きっとマクシミリアン様だって私が戻ってくるのを待ち望んでいらっしゃいますわ」
両親とともにベッツィーがやって来て、私の耳元でささやいた。
「なぜ、マクシミリアン様がベッツィーを待ち望んでいると思うの? 私達はとても仲良く暮らしているわ」
「あらぁーー。お姉様が口答えをするようになったなんて、生意気よ、お母様に嫌われているお姉様のくせに。
リュシュパン公爵家の方達が皆優しいから、とんだ勘違いを起こしたのね?」
”お母様に嫌われているお姉様のくせに” その言葉が私の心をえぐる。
「・・・・・・リュシュパン公爵家の方々は皆とても優しいし良くしてくださるわ」
私は努めて冷静な声を出すようにした。
「ふふふふ。それってお姉様だから特別というわけではありませんよ? この私だって婚約者だった頃は、とても公爵夫妻に大事にされました。それに・・・・・・マクシミリアン様は私に夢中でした。お姉様はマクシミリアン様とキスをしたことがありますか? 私は毎回会う度にキスをされて、『君が欲しい』と、言われましたわ。裸で抱き合ったことさえあるのです」
「嘘でしょう?」
「嘘なものですか。お兄様に相談したのですよ。ねぇ、お兄様にマクシミリアン様のことを相談したのを覚えてますわね? 私がマクシミリアン様に押し倒されそうになった時に・・・・・・」
「うん、覚えているさ。男は好きな女性にはそんな気持ちを隠せない。だから喜んでされるままにした方がいい、とアドバイスしてあげた。キスなんかは挨拶みたいなものだしね」
(キスは当たり前なの? 私はそんなことをされたことがない)
「あっははは。どうやらそのお顔は、なにもされたことがない、ということのようですわね? さぁ、どちらが愛されているかわかったでしょう?」
せっかく自信がついてきたところだったのに・・・・・・リュシュパン公爵家の方々から、私は愛されているのかもしれない、と思い始めてきたところだったのに・・・・・・
私だけが特別ではないと聞かされて、自分が思い上がっていたことに恥ずかしくなる。私はマクシミリアン様にキスもされたこともなければ・・・・・・好きだ、と言われたこともないのだ。
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
※ぶら下がり物:既製服。サイズが大雑把に分かれているが、あらかじめできあがった服のこと。
リュシュパン公爵家敷地内にある湖は、いつも清らかに澄んでいてとても綺麗だ。畔にはたくさんの花が咲き乱れる。
(マクシミリアン様と一緒に、手を繋いでここをお散歩できたらどんなに素敵かしら)
「マクシミリアン様の病気が一日も早く治りますように」
そうつぶやきながら湖に手を入れると、その冷たさがほどよく気持ち良い。もう少し暑くなったらここで泳ぐこともできそうだな、と思う。
陽光に照らされた湖の水面が、キラリと七色に光る。その不思議なきらめきに、私は何度も瞬きをした。
「まぁ、このような色合いで水面が輝くのは見たことがないわね。綺麗ねぇーー」
リュシュパン公爵夫人が微笑みながらこちらにいらして、一緒に湖を眺めおしゃべりをする。
「そう言えば、フランソワーズは学園に行かなかったようだけれど、病気がちだったのかしら? それとも人見知りが激しかったの?」
「行ったらきっと虐められると思ったので行きませんでした。私は、珍しい髪と瞳の色なので・・・・・・」
「確かに珍しいけれど、とても綺麗で素敵ですよ。好かれることはあっても、虐められるなんてあり得ませんね。かつての社交界の華、前カステジャノス侯爵夫人にそっくりです。あなたが社交界に出れば、たちまち注目の的でしょうね。学園に行けば同じ年頃のお友達も出来て楽しかったはずよ」
「お祖母様は私が幼い頃に亡くなったので、ほんの少ししか覚えていませんが、優しかったです。お祖父様もよく抱っこしてくださいました。二人とも大好きでした。ですが、私はお祖母様に似なければ良かった、とずっと思っています」
「・・・・・・そういうことね。よくわかりましたよ。さぁ、このお話しはおしまい。もっと楽しいお話しをしましょうね。そうだ、あなたのドレスを少しばかり補充しに仕立屋に行かない? 仕立屋を屋敷に呼びつけてもいいけれど、市井に行く方が楽しいわ」
「あのぉ、私は今持っているもので充分です。それに屋敷外には行ったことがないので、市井なんて怖いです」
「え? 市井に行ったことがないの? 屋敷から出たことがない? 一度も?」
私はコクンと頷いた。なぜ、それほど驚かれるのかしら?
「早速今から行きましょう。あなたを見ていたら、なんでもしてあげたくなっちゃうわ」
(私はすっかり同情されたみたい。マクシミリアン様も同情してくれたし)
家族に邪険にされていたことを知られるのは辛くて恥ずかしい。家族の愛をもらえなかったことが、まるで自分の落ち度のように感じるから。だから、学園に行ったら虐められるから行かなくていい、とおっしゃったお母様のことは言えない。
「さぁ、ここにあるドレスをすべて試着するのよ」
リュシュパン公爵夫人が次々とドレスを持ってきては私に試着させる。
「どれもお似合いですけれど、ゴテゴテしたものよりシンプルな方が良さそうです。エンパイアラインとマーメイドライン、スレンダーライン、このあたりが一番お嬢様にお似合いです。妖精のような清らかな美貌にピッタリですから」
デザイナーが私に似合うドレスを的確に分析し、それらのデザインのドレスが、私の身体に合わせて微調整されていく。たくさんのお針子達が、素早く確実に私の身体にぴったりあったドレスに作り替えるのだ。
「うん、いいわね。このデザインのドレスは、もう売らないでちょうだい。デザインの権利ごとリュシュパン公爵家が買い取ります。夜会や舞踏会で似たようなデザインのドレスを見かけることぐらい、嫌なことはありませんからね」
リュシュパン公爵夫人がにこやかに仕立屋のオーナーに告げると、オーナーは深くうなづいた。
「ちょっと多過ぎでは? 2、3着で充分です。それにこのようなセミオーダーの贅沢なドレスなんてもったいないです。私にはぶら下がり物で充分です」
「ぶら下がり物? 貴族令嬢は誰も、そのような物は着ません。これはわたくしの楽しみでもありますよ。遠慮はいりません。それにしても綺麗な水色の髪だこと! これ以上に美しい髪は見たことがないわ」
「おっしゃる通りです。これほど美しいお嬢様は見たことがありません」
仕立屋のオーナーが言ってくれるのは、きっと社交辞令だと思う。
リュシュパン公爵家に来てからの私は、一日に何回もたくさんの方から褒められる。侍女からはドレスを着させてもらう度に、天使だ、妖精だ、女神だと、賞賛された。リュシュパン公爵夫人は可愛いと、リュシュパン公爵は賢い子だと、マクシミリアン様は綺麗だと、私に何度もおっしゃった。
(もしかして・・・・・・私、この方達から愛されているのかもしれない)
段々と自分に自信がついてくると、マクシミリアン様との会話も弾んだ。
「マクシミリアン様、お野菜を残してはいけません! このオレンジも、もう一口めしあがってくださいませ」
「オレンジはあまり好きじゃないが、フランソワーズの言うことなら全部食べるよ」
マクシミリアン様は頬に少し肉がついてきて、だいぶ体調が良い。もう以前のようにガリガリではないし、順調に回復に向かっていた。
「これは奇跡です」と医者が感心し、リュシュパン公爵夫妻は私にとても感謝してくださる。
「フランソワーズが親身になって看病してくれたお陰よ。ありがとう」
私にも価値があるんだ、と信じさせてくれる魔法の言葉を、公爵家の方達はたくさん言ってくれる。
やがて、マクシミリアン様はすっかり回復して、リュシュパン公爵家でお祝いのパーティーが開かれた。
「私の代わりに看病してくださってありがとう。ですが、もうお姉様の役目はここまでですわ。私に返してくださらない? きっとマクシミリアン様だって私が戻ってくるのを待ち望んでいらっしゃいますわ」
両親とともにベッツィーがやって来て、私の耳元でささやいた。
「なぜ、マクシミリアン様がベッツィーを待ち望んでいると思うの? 私達はとても仲良く暮らしているわ」
「あらぁーー。お姉様が口答えをするようになったなんて、生意気よ、お母様に嫌われているお姉様のくせに。
リュシュパン公爵家の方達が皆優しいから、とんだ勘違いを起こしたのね?」
”お母様に嫌われているお姉様のくせに” その言葉が私の心をえぐる。
「・・・・・・リュシュパン公爵家の方々は皆とても優しいし良くしてくださるわ」
私は努めて冷静な声を出すようにした。
「ふふふふ。それってお姉様だから特別というわけではありませんよ? この私だって婚約者だった頃は、とても公爵夫妻に大事にされました。それに・・・・・・マクシミリアン様は私に夢中でした。お姉様はマクシミリアン様とキスをしたことがありますか? 私は毎回会う度にキスをされて、『君が欲しい』と、言われましたわ。裸で抱き合ったことさえあるのです」
「嘘でしょう?」
「嘘なものですか。お兄様に相談したのですよ。ねぇ、お兄様にマクシミリアン様のことを相談したのを覚えてますわね? 私がマクシミリアン様に押し倒されそうになった時に・・・・・・」
「うん、覚えているさ。男は好きな女性にはそんな気持ちを隠せない。だから喜んでされるままにした方がいい、とアドバイスしてあげた。キスなんかは挨拶みたいなものだしね」
(キスは当たり前なの? 私はそんなことをされたことがない)
「あっははは。どうやらそのお顔は、なにもされたことがない、ということのようですわね? さぁ、どちらが愛されているかわかったでしょう?」
せっかく自信がついてきたところだったのに・・・・・・リュシュパン公爵家の方々から、私は愛されているのかもしれない、と思い始めてきたところだったのに・・・・・・
私だけが特別ではないと聞かされて、自分が思い上がっていたことに恥ずかしくなる。私はマクシミリアン様にキスもされたこともなければ・・・・・・好きだ、と言われたこともないのだ。
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※ぶら下がり物:既製服。サイズが大雑把に分かれているが、あらかじめできあがった服のこと。
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