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いきなり初夜突入?

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カトリーヌの兄という男性はジャスパー様に比べて、体つきが貧弱なわりに力はあるようで私をベッドに下ろすと覆い被さってきて、はねよけようとしてもびくともしない。

ドレスの胸のあたりを引きちぎられて、キスされるのも気持ちが悪く吐きそうになった。
ここで、純潔を奪われたらジャスパー様とは結婚できない!

「あなたは、舞踏会の少年じゃぁないわね?よく聞いて?こんなことをしてただで済むと思う?」

「純潔を奪われた高位貴族の令嬢はその男のものになると妹が言っていた」
なるほど、そういうことね。
私がバカだった。
あんな侍女の言うことを真に受けるなんて‥‥

あの仮面舞踏会の少年は‥‥ん?ちょっと待って?
仮面舞踏会ってことは、あぁー私は、ほんとうにお馬鹿さんだ!

仮面舞踏会はみんなが仮面をつけて顔を隠すし、髪の色も変える人が多いんだった!!
私は髪の色を変えなかったけれど、だとしたら、あの少年は金髪じゃない可能性もある。

銀髪だったら?‥‥だとしたら、すべてがあてはまる‥‥なぜお母様が初恋の相手を本気で探してくださらないのか‥‥すでにその男性は私のそばにいるからだわ‥‥

ジャスパー様が初恋の少年のことを私が言っても全く嫌な顔ひとつしないのは、それが自分だからに違いない!!

なぜ、こんなときになってから気がついたのだろう?
この嫌な男が私のドレスの裾をたくしあげて悪さをしようとしている時に!!

腹立たしさを右足に精一杯込めて、私はその男の急所を蹴り上げた。
さらにベッドの脇に薔薇が生けられていた花瓶を頭に投げつけた。

すると、不思議なことに薔薇の茎がぐんぐん伸びて男の手足を巻き付けていった。
薔薇のトゲが男に容赦なく食い込み、情けない声をだしている。

そういえば、聖女様は私には薔薇の精霊の祝福があるとおっしゃっていたわね。





お母様が私を抱きしめて、青ざめたお顔をしている。
「媚薬ですって?なんてこと!急いで医者とジャスパー様に使者を!」

お医者様はすぐ来てくださって、特に心配はないとおっしゃった。
「ただ‥‥そのぉー申し上げにくいお話ですが、苦しさは‥‥コホン‥‥殿方といたさないと鎮まらないかと‥‥異国では初夜に処女の花嫁によく使う強力な媚薬ですので害がありませんが‥‥」
なに、それ?私、どうしたらいいの?
顔は熱いし身体もなぜか息苦しく震えるほどだ。
媚薬‥‥恐るべし‥‥

ジャスパー様とジャスパー様のお母様もいらっしゃった。
私のお母様とジャスパー様のお母様は実は少女の頃からの大親友だ。

「もうこうなったら初夜は今日でよろしいのでは?」
私のお母様が艶やかに微笑んでいる。

「賛成ですわ!どうせ、二人は夫婦になる間柄。少しくらい順番が違っても問題ないですわ!それより、私達のかわいい孫が早く見られるいい機会ですわ」
ジャスパー様のお母様はいたずらっぽくかわいいお顔をほころばせた。

え?これって、私このまま初夜に突入されること確定?

ジャスパー様は?とお顔を見ると、ちょっとお顔を赤くして熱っぽい視線を私に向けていた。

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