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マリリン先生の恋人編
10 最終回 (マリリン先生の恋人のベンジャミン視点)
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私は、元から平民だが昔は騎士団に所属していたこともあった。
だが、肩を怪我してからは剣を振り回すこともできなくなってしまった。
今は、その騎士団の退職金で本屋を営んでいる。
大好きな本に囲まれて、この生活に満足はしていたさ。
ある日、ずっと空き家だった隣の住宅付き店舗に、リフォームをする業者が、わんさかやって来た。
なんの店になるのだろうか? ずいぶんと、おしゃれな仕上がりに興味がわいた。
店舗の外壁は、綺麗な淡い水色で塗り直されて、晴れ上がった日の空のようだった。
内装もずいぶんと、変えるようだった。
壁紙やらタイルやらが運びこまれる様子をずっと見ていた。
店舗の裏庭には、薔薇のアーチも施されて、色とりどりの花が植えられた。
ショーケースの中には切り花が並び、店舗の前には鉢植えの花が置かれた。
すごいな・・・・・・短時間で、あれだけのことをやってしまえるなんて
でも、あの人手を手配できるのは、平民では無理だ。
もしかして、貴族の愛人が店でも持たせてもらったのかな?
この世界ではありがちな話だな。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
数時間後、引っ越しの挨拶に来た女性は、にっこり微笑んで言った。
「今日から、お隣に引っ越してきました。マリリンと申します」
「・・・・・・やぁ、びっくりだな・・・・・・貴女は、公爵様と結婚したはずだけれど・・・・・・」
私の目の前には、昔、別れた、かつての恋人がいたのだった。
ここに、引っ越してきたということは、まさか離婚?
そうとしか、考えられない・・・・・・
私達はお互い見つめ合って、ほぼ同時に口を開いたのだった。
「ベンジャミンは、結婚しているの?」 「マリリンは、候爵様とは、離婚したの?」
質問が、はもって、二人で大笑いした。
「ねぇ、その話も含めて、私達は話し合うことが、いっぱいありそうだね? 今日の夕食は、誘ってもいいかな?」
「もちろんだわ!」
マリリンが、頬を染めて頷いた。
「おかえり・・・・・・愛しいマリリン。」
私は、小さな声で呟いたのだった。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
おまけ1(セレニティー視点)・・・引っ越しの日のひとこま
「うーーん、お父様! マリリン先生は大丈夫、幸せになりそうですわ」
「そうだな・・・・・・あんなに嬉しそうな笑顔は見たことがないな。まぁ、これで良かったのだろうよ」
「うふふ。お父様は、結構その服がお似合いですわ! たまには、変装してお花を買いに来ましょうね!」
私とお父様は、リフォーム屋さんの作業着を借りて変装していたのだった。
おまけ2(オースティン)視点
「ちょっと、オースティン! 今月のお金がまた足りないわ・・・・・・貴方の稼ぎが悪いから、どうしてくれるのよ!」
「うるさい! お前のせいだろ!」
いつも、いつも言い合いばかりだ・・・・・・真実の愛? どこにもないさ・・・・・・
明日のパンにも困る日々が続いて・・・・・・王宮の側を通り過ぎるたびに、かつての婚約者を思う。
この国の第一王子の妻になった王太子妃、セレニティーを・・・・・・
おまけ3(第一王子のウィリアム王子視点)・・・マリリンさんの引っ越しから数年後のある日のひとこま
セレニティーにはウィリアム王子が寄り添って、一緒に紅茶を楽しんでいる。
「君を妻にできて嬉しいよ。あぁ、時効だと思うから言うけれど、オースティンに昔、相談されたことがある。『色っぽい人妻に誘われたら男はどうするべきか?』とね。」
「あら、なんてお答えになりましたの?」
「うん。『せっかくの一度きりの人生だから、悔いがないようにね』と言っただけさ」
私の天使のような妻は、一瞬だけ愉快そうな色を瞳に浮かべて、すぐにそれを隠した。
「とても、素敵なお答えですわ!」
完
だが、肩を怪我してからは剣を振り回すこともできなくなってしまった。
今は、その騎士団の退職金で本屋を営んでいる。
大好きな本に囲まれて、この生活に満足はしていたさ。
ある日、ずっと空き家だった隣の住宅付き店舗に、リフォームをする業者が、わんさかやって来た。
なんの店になるのだろうか? ずいぶんと、おしゃれな仕上がりに興味がわいた。
店舗の外壁は、綺麗な淡い水色で塗り直されて、晴れ上がった日の空のようだった。
内装もずいぶんと、変えるようだった。
壁紙やらタイルやらが運びこまれる様子をずっと見ていた。
店舗の裏庭には、薔薇のアーチも施されて、色とりどりの花が植えられた。
ショーケースの中には切り花が並び、店舗の前には鉢植えの花が置かれた。
すごいな・・・・・・短時間で、あれだけのことをやってしまえるなんて
でも、あの人手を手配できるのは、平民では無理だ。
もしかして、貴族の愛人が店でも持たせてもらったのかな?
この世界ではありがちな話だな。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
数時間後、引っ越しの挨拶に来た女性は、にっこり微笑んで言った。
「今日から、お隣に引っ越してきました。マリリンと申します」
「・・・・・・やぁ、びっくりだな・・・・・・貴女は、公爵様と結婚したはずだけれど・・・・・・」
私の目の前には、昔、別れた、かつての恋人がいたのだった。
ここに、引っ越してきたということは、まさか離婚?
そうとしか、考えられない・・・・・・
私達はお互い見つめ合って、ほぼ同時に口を開いたのだった。
「ベンジャミンは、結婚しているの?」 「マリリンは、候爵様とは、離婚したの?」
質問が、はもって、二人で大笑いした。
「ねぇ、その話も含めて、私達は話し合うことが、いっぱいありそうだね? 今日の夕食は、誘ってもいいかな?」
「もちろんだわ!」
マリリンが、頬を染めて頷いた。
「おかえり・・・・・・愛しいマリリン。」
私は、小さな声で呟いたのだった。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
おまけ1(セレニティー視点)・・・引っ越しの日のひとこま
「うーーん、お父様! マリリン先生は大丈夫、幸せになりそうですわ」
「そうだな・・・・・・あんなに嬉しそうな笑顔は見たことがないな。まぁ、これで良かったのだろうよ」
「うふふ。お父様は、結構その服がお似合いですわ! たまには、変装してお花を買いに来ましょうね!」
私とお父様は、リフォーム屋さんの作業着を借りて変装していたのだった。
おまけ2(オースティン)視点
「ちょっと、オースティン! 今月のお金がまた足りないわ・・・・・・貴方の稼ぎが悪いから、どうしてくれるのよ!」
「うるさい! お前のせいだろ!」
いつも、いつも言い合いばかりだ・・・・・・真実の愛? どこにもないさ・・・・・・
明日のパンにも困る日々が続いて・・・・・・王宮の側を通り過ぎるたびに、かつての婚約者を思う。
この国の第一王子の妻になった王太子妃、セレニティーを・・・・・・
おまけ3(第一王子のウィリアム王子視点)・・・マリリンさんの引っ越しから数年後のある日のひとこま
セレニティーにはウィリアム王子が寄り添って、一緒に紅茶を楽しんでいる。
「君を妻にできて嬉しいよ。あぁ、時効だと思うから言うけれど、オースティンに昔、相談されたことがある。『色っぽい人妻に誘われたら男はどうするべきか?』とね。」
「あら、なんてお答えになりましたの?」
「うん。『せっかくの一度きりの人生だから、悔いがないようにね』と言っただけさ」
私の天使のような妻は、一瞬だけ愉快そうな色を瞳に浮かべて、すぐにそれを隠した。
「とても、素敵なお答えですわ!」
完
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マリリン先生が幸せになる展開はすっごいよかったですw
セレニティーは実は腹黒ですよね…!?お、恐ろしい子!!
このお話長すぎず短すぎず、
読みやすくわかりやすくざまぁもハッピーエンドもあってとても好きです
こんばんは🌠
ありがとうございます💓💓
セレニティはそうなんです、実は腹黒さんです(笑)
お褒めいただきありがとうございます✨
感想ありがとうございました💐
コメントアリガトウゴザイマス~ドウゾ(੭*ˊᵕˋ)੭~☕🍩
ε(。•ө•。)з"オハピヨ♡デス
こちらもお読みいただき꒰⑅ᵕᴗᵕ꒱˖♡ªʳⁱ૭ªᵗ°♡˖꒰ᵕᴗᵕ⑅꒱ゴザイマス
ᑋᵃᵖᵖᵞ •ʚ• ピヨ💜
お褒めいただき((﹡ˆ︶ˆ﹡))♬*ルンルン💓デス
お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_🍵
そーなんですよぉ
ァハハ…(・∀-`; )
いつも、コメントをお寄せくださって感謝💐😆です。