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8 ダーリンと野菜をかじるのもいいものね?/ マドンナの父親の末路は(俯瞰視点)
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私は食事の大切さをお母様から教わり、食べるものが激変した。まずは量が今までの半分になったし、油っこい料理はなるべく食べない。
甘いお菓子もやめてお腹がすいたら、野菜スティックや果物を少し食べて空腹を紛らわすことを覚えた。
飲み物は砂糖なしが基本、食べる順番はサラダや野菜スープが先でお肉やお魚はその後に適量食べて、パンは一番最後。そうすることで、途中でお腹がいっぱいになってパンが食べられないことがよくあった。
野菜って噛みごたえがあって、しっかりよく咀嚼して食べることを心がけるとお腹がいっっぱいになってくるから不思議。そんなことを日々心がけていると次第に薄味にも慣れていった。
あとは、馬車を使わないで近場は歩いて行くことを心がけただけだ。なんでも馬車で移動していると目的地には早く着くけれど、見過ごしてしまう景色の多いことに気がつかされた。
少し早歩きでキビキビと歩いて行くと、見慣れない屋敷やお店が建っていたり季節の花が咲いていたり思わぬ発見を楽しむことができた。
ーー自分の足で歩くってとても素敵なことなんだなぁーー。なんで気がつかなかったんだろう。
☆彡★彡☆彡
歩いて教会や孤児院を訪問するようになって、頻繁に会うようになった男性が従兄弟の第3王子のアンドレ殿下だ。彼は子供が大好きでボランティア活動に勤しんでいた。少しだけぽっちゃり気味の貴公子だったけれど顔立ちは3人の王子のなかで一番美しい。
「男のくせに甘い物が好きでしてね。ダイエットしなければって思っているのですよ。よろしければマドンナ様のダイエット法を教えていただけませんか?」
「えぇ、いいですとも! 一緒にダイエットを頑張りましょう!」
これがきっかけでアンドレ様とは仲良しになり、私達は一緒の野菜をかじりながら見事スリムな身体を手に入れることができたのだった。
一緒におしゃべりしているうちに恋に落ちた私達は、この先なにがあろうと前の食生活には戻らないことを誓いあったのだった。
「はい、あーーんして」
「うわぁ、チョコじゃない!! これって・・・・・・」
「うん、結婚記念日だけは食べても良い日さ。甘いお菓子もたまには食べなきゃね。その次の食事でパンを抜いたり調節すればいいんだものね」
「うふふ、たまには自分にご褒美ね!」
「お母様! アンドレで正解だったわよね? とても大事にしてくれるし私は幸せよ?」お母様への問いかけにはもう誰も答えない。お母様は私がアンドレ様と無事に結婚した一周年記念日のその日、私の中から消えた。
さよならも言わないなんて・・・・・・でも、きっとまた会える。そう、孫の顔は見たいっておっしゃっていたから。
私はそれまでは夫と二人の甘い生活を楽しむことにするわ。大好きな人と野菜をかじる生活も悪くないわよ?
ꕤ୭*俯瞰視点:少し時間が巻き戻ったある日の夜会にて
「ちょっと、あれどなた? あんな美男美女ってこの国におりましたかしら?」
「いいえ! 見たことはありません! ですが、あの女性のピンクの髪と瞳は・・・・・・レディローズ女公爵様に似ていらっしゃるし・・・・・・お顔立ちもあのような雰囲気でしたわ!」
「ということは・・・・・・えぇ~~!! あのとても太っていた娘さん? 最近痩せてきたなぁ、とは思っておりましたけれど一気にスリムになりましたわねぇ。まるで、別人!」
口々にささやく声が夜会のホールを支配すると、軽やかにその美男美女が踊り出した。
その優雅な様子に人々はますます感嘆のため息を漏らしたのだった。
やがてその二人の影は寄り添いあい、その3ヶ月後にはマドンナ・マハバラ女公爵が第3王子殿下を婿に迎えると大々的に発表された。
「そう言えばマドンナ様のお父様は最近お見かけしないわねぇ。どこに行ったのかしらぁ~~?」
「あぁ、私は先日マドンナ様のお父様をお見かけしましたわ。げっそり痩せてミイラみたいでしたわよぉ。サマンサ様とミユキーナ様に食事を全部奪われてしまうのですって」
「あらあら。可哀想だけれど、なんて滑稽なお話なのぉ! おほほほ」
完
甘いお菓子もやめてお腹がすいたら、野菜スティックや果物を少し食べて空腹を紛らわすことを覚えた。
飲み物は砂糖なしが基本、食べる順番はサラダや野菜スープが先でお肉やお魚はその後に適量食べて、パンは一番最後。そうすることで、途中でお腹がいっぱいになってパンが食べられないことがよくあった。
野菜って噛みごたえがあって、しっかりよく咀嚼して食べることを心がけるとお腹がいっっぱいになってくるから不思議。そんなことを日々心がけていると次第に薄味にも慣れていった。
あとは、馬車を使わないで近場は歩いて行くことを心がけただけだ。なんでも馬車で移動していると目的地には早く着くけれど、見過ごしてしまう景色の多いことに気がつかされた。
少し早歩きでキビキビと歩いて行くと、見慣れない屋敷やお店が建っていたり季節の花が咲いていたり思わぬ発見を楽しむことができた。
ーー自分の足で歩くってとても素敵なことなんだなぁーー。なんで気がつかなかったんだろう。
☆彡★彡☆彡
歩いて教会や孤児院を訪問するようになって、頻繁に会うようになった男性が従兄弟の第3王子のアンドレ殿下だ。彼は子供が大好きでボランティア活動に勤しんでいた。少しだけぽっちゃり気味の貴公子だったけれど顔立ちは3人の王子のなかで一番美しい。
「男のくせに甘い物が好きでしてね。ダイエットしなければって思っているのですよ。よろしければマドンナ様のダイエット法を教えていただけませんか?」
「えぇ、いいですとも! 一緒にダイエットを頑張りましょう!」
これがきっかけでアンドレ様とは仲良しになり、私達は一緒の野菜をかじりながら見事スリムな身体を手に入れることができたのだった。
一緒におしゃべりしているうちに恋に落ちた私達は、この先なにがあろうと前の食生活には戻らないことを誓いあったのだった。
「はい、あーーんして」
「うわぁ、チョコじゃない!! これって・・・・・・」
「うん、結婚記念日だけは食べても良い日さ。甘いお菓子もたまには食べなきゃね。その次の食事でパンを抜いたり調節すればいいんだものね」
「うふふ、たまには自分にご褒美ね!」
「お母様! アンドレで正解だったわよね? とても大事にしてくれるし私は幸せよ?」お母様への問いかけにはもう誰も答えない。お母様は私がアンドレ様と無事に結婚した一周年記念日のその日、私の中から消えた。
さよならも言わないなんて・・・・・・でも、きっとまた会える。そう、孫の顔は見たいっておっしゃっていたから。
私はそれまでは夫と二人の甘い生活を楽しむことにするわ。大好きな人と野菜をかじる生活も悪くないわよ?
ꕤ୭*俯瞰視点:少し時間が巻き戻ったある日の夜会にて
「ちょっと、あれどなた? あんな美男美女ってこの国におりましたかしら?」
「いいえ! 見たことはありません! ですが、あの女性のピンクの髪と瞳は・・・・・・レディローズ女公爵様に似ていらっしゃるし・・・・・・お顔立ちもあのような雰囲気でしたわ!」
「ということは・・・・・・えぇ~~!! あのとても太っていた娘さん? 最近痩せてきたなぁ、とは思っておりましたけれど一気にスリムになりましたわねぇ。まるで、別人!」
口々にささやく声が夜会のホールを支配すると、軽やかにその美男美女が踊り出した。
その優雅な様子に人々はますます感嘆のため息を漏らしたのだった。
やがてその二人の影は寄り添いあい、その3ヶ月後にはマドンナ・マハバラ女公爵が第3王子殿下を婿に迎えると大々的に発表された。
「そう言えばマドンナ様のお父様は最近お見かけしないわねぇ。どこに行ったのかしらぁ~~?」
「あぁ、私は先日マドンナ様のお父様をお見かけしましたわ。げっそり痩せてミイラみたいでしたわよぉ。サマンサ様とミユキーナ様に食事を全部奪われてしまうのですって」
「あらあら。可哀想だけれど、なんて滑稽なお話なのぉ! おほほほ」
完
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一気に読みました!面白かったです!
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感想ありがとうございます
⭐⡱🌠໒꒱⋆゚🌟彡⭐⡱🌟彡*:・゚*🌠⭐⡱
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お返事が遅くなって
申し訳ありません
(╯•ω•╰) I'm sorry...
返信したつもりで
抜けておりました
ま こ と に
/ ̄ ̄ヽ ̄ ̄\
∠ レ | ⌒ヽ
\__ノ丶 )|
(_と__ノ⊂ニノ
す み ま せ ん
そうですね
恐ろしい罰(;^_^A アセアセ・・・ですよね
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感想ありがとうございます
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∧_∧∩ミ
(`・ω・´)つ
┳―┳∪┳―┳―┳―┳
ありがとうございます
( *ˊᗜˋ)ノꕤ*.゚
そう、食べ物を奪われて
ミイラ状態に😅
最後までお読みいただき
ありがとうございます
▲∞∧
( * ´ω` )〃
γ⌒;´-ヽ〟
(∪( )
∪∪V ̄V ペコリ♡
感想ありがとうございます
( ๑╹◡╹)ノ♡*゚✲゚*☆º°˚*☆ Have a ηice ϑay ☆º°˚*☆
🌺・。🌼。・゚🍀・。🌺。・゚🌼。・゚🍀・