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本編のおまけ(アルフィー視点)
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読者様の感想により思いついたアルフィーの末路です、オーラの末路でもありますが処刑のシーンはありません。残酷な描写はありません。
本編のおまけ
(もう一つの展開として)
アルフィー視点
落ちていく・・・・・・私は死ぬのか?・・・・・・手を繋いだまま一緒に落ちていく女性は王女殿下だ。私の最愛の女性だ。なぜ、今頃このような瞬間で思い出した? いや、このような死に直面した瞬間だからこそ思い出したのか。
この愛らしくも美しい王女殿下をお守りすることが私の仕事だった。恋心など抱く対象ではない高貴な姫君。私の主。
だが、王女殿下は私を好いてくださって勇者になってほしいとおっしゃった。勇者になって妻にしてほしいと望まれた私は果報者だ。
愛しているかと言えばそんな薄っぺらい表現では足りないほどに崇拝していた。己の命より最優先するべき存在、この方の為なら命も惜しくないほどの敬愛なのだ。誰よりも大切にし幸せにするつもりだった。いつでも笑っていられるように全身全霊でお守りすると固く誓った私なのに。
王女殿下の婚約者として過ごした日々はあまりにも幸せだった。だがそれから魔物討伐に行って崖から魔物との戦闘中に滑り落ち、流れる川の濁流に飲み込まれた。
その後に、そうだ。商人の娘にやたら身体を触られて・・・・・・なんたる失態だ! そこまで一瞬で思い出し後悔し、そしてなんとか王女殿下の命を救いたいと落ちながらも焦っている。
王女殿下のクッションになれるように彼女を抱きかかえる。このまま落ちていけば望みはあるはず・・・・・・そう思ったのに落ちる直前に王女殿下は身体を反転させた。次の瞬間大きな衝撃と痛みが走り、私の身体の下には王女殿下の身体があった。
「ばかな・・・・・・そんな・・・・・・なんで?」
そのまま意識が遠のいていく私の耳にオーラの声が遠くから聞こえた
「そ、そんな・・・これは私が・・・・・・フェンスに細工して・・・・・・私がここから落ちるふりをしようとしただけなのに・・・・・・」
――お前なのか! フェンスに小細工をしたのは! 結果的に私の王女殿下を殺したのは私が連れてきた愚かな女だ。私が殺したようなものだ。
目覚めた時には愛する王女殿下の葬式は終わっており私は自分を責め生きる力もない。命は助かったものの足を失い、二度と自分で歩くことはできなくなった私は後悔と罪の意識に苛む。
「オーラは処刑される。影の証言によりあのフェンスに細工をしたのはあいつとわかったのだ。妹を殺した罰は重い。オーラは八つ裂きの刑になる」
王太子殿下は病室にいる私に蔑んだ表情で話し出す。
「私もどうか八つ裂きの刑にしてください。王女殿下を忘れてあのようなことになった責任は全て私にあるのだから」
懇願した私に王太子殿下は冷たい笑いを浮かべた。
「妹が尊い命をかけて守ったそのくだらない命を奪えるわけがなかろう。お前は天寿を全うするんだよ。死ぬことは許さない。自害などしたら妹の心をさらに踏みにじることになると思え! 今になって妹のことを思い出したのはいい罰かもしれない。守るべき王女に守ってもらった不甲斐ない勇者の気分はどうだい?」
溺愛していた妹を失い、穏やかな口調で激しい怒りをぶつけてくる王太子殿下。私はその言葉になにも返すべき言葉が見つからない。ただ泣くしかなかった。
オーラとその子供は処刑され、私は生きながらえている。子供はまだ幼いけれど、王族殺しの息子は漏れなく殺される法律の為に天に召された。
私だけは・・・・・・みずから死ぬこともできず・・・・・・ただ息をしているだけのからっぽな人間になった。これを生き地獄と言わずしてなんと呼ぶ? 毎晩王女殿下と落ちる夢を見て、王女殿下を死に追いやった自分を思い出す。眠ることが怖くてたまらない。そして、夜は必ずやってくるのだった。
本編のおまけ
(もう一つの展開として)
アルフィー視点
落ちていく・・・・・・私は死ぬのか?・・・・・・手を繋いだまま一緒に落ちていく女性は王女殿下だ。私の最愛の女性だ。なぜ、今頃このような瞬間で思い出した? いや、このような死に直面した瞬間だからこそ思い出したのか。
この愛らしくも美しい王女殿下をお守りすることが私の仕事だった。恋心など抱く対象ではない高貴な姫君。私の主。
だが、王女殿下は私を好いてくださって勇者になってほしいとおっしゃった。勇者になって妻にしてほしいと望まれた私は果報者だ。
愛しているかと言えばそんな薄っぺらい表現では足りないほどに崇拝していた。己の命より最優先するべき存在、この方の為なら命も惜しくないほどの敬愛なのだ。誰よりも大切にし幸せにするつもりだった。いつでも笑っていられるように全身全霊でお守りすると固く誓った私なのに。
王女殿下の婚約者として過ごした日々はあまりにも幸せだった。だがそれから魔物討伐に行って崖から魔物との戦闘中に滑り落ち、流れる川の濁流に飲み込まれた。
その後に、そうだ。商人の娘にやたら身体を触られて・・・・・・なんたる失態だ! そこまで一瞬で思い出し後悔し、そしてなんとか王女殿下の命を救いたいと落ちながらも焦っている。
王女殿下のクッションになれるように彼女を抱きかかえる。このまま落ちていけば望みはあるはず・・・・・・そう思ったのに落ちる直前に王女殿下は身体を反転させた。次の瞬間大きな衝撃と痛みが走り、私の身体の下には王女殿下の身体があった。
「ばかな・・・・・・そんな・・・・・・なんで?」
そのまま意識が遠のいていく私の耳にオーラの声が遠くから聞こえた
「そ、そんな・・・これは私が・・・・・・フェンスに細工して・・・・・・私がここから落ちるふりをしようとしただけなのに・・・・・・」
――お前なのか! フェンスに小細工をしたのは! 結果的に私の王女殿下を殺したのは私が連れてきた愚かな女だ。私が殺したようなものだ。
目覚めた時には愛する王女殿下の葬式は終わっており私は自分を責め生きる力もない。命は助かったものの足を失い、二度と自分で歩くことはできなくなった私は後悔と罪の意識に苛む。
「オーラは処刑される。影の証言によりあのフェンスに細工をしたのはあいつとわかったのだ。妹を殺した罰は重い。オーラは八つ裂きの刑になる」
王太子殿下は病室にいる私に蔑んだ表情で話し出す。
「私もどうか八つ裂きの刑にしてください。王女殿下を忘れてあのようなことになった責任は全て私にあるのだから」
懇願した私に王太子殿下は冷たい笑いを浮かべた。
「妹が尊い命をかけて守ったそのくだらない命を奪えるわけがなかろう。お前は天寿を全うするんだよ。死ぬことは許さない。自害などしたら妹の心をさらに踏みにじることになると思え! 今になって妹のことを思い出したのはいい罰かもしれない。守るべき王女に守ってもらった不甲斐ない勇者の気分はどうだい?」
溺愛していた妹を失い、穏やかな口調で激しい怒りをぶつけてくる王太子殿下。私はその言葉になにも返すべき言葉が見つからない。ただ泣くしかなかった。
オーラとその子供は処刑され、私は生きながらえている。子供はまだ幼いけれど、王族殺しの息子は漏れなく殺される法律の為に天に召された。
私だけは・・・・・・みずから死ぬこともできず・・・・・・ただ息をしているだけのからっぽな人間になった。これを生き地獄と言わずしてなんと呼ぶ? 毎晩王女殿下と落ちる夢を見て、王女殿下を死に追いやった自分を思い出す。眠ることが怖くてたまらない。そして、夜は必ずやってくるのだった。
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