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1 愛しい婚約者が妻と子供を連れて帰って来ました
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私はジョージア王国の第1王女、レイラ・ジョージア。私には大好きな男性がいてその方はローガンナ男爵の三男アルフィー様だった。とても優秀な剣の使い手で身分が低いながらも私の護衛騎士を務めるまでになった努力家な男性だ。
4才年上の彼は当時の私には大人に見えて憧れの男性だった。
「アルフィーと結婚できたらいいのに! 私をお嫁さんにしてもらえないかしら?」
その頃の私は身分の差というものに無頓着すぎた。
「光栄ですよ。ですが、とても無理でしょう。私が勇者にでもならない限りは・・・・・・」
勇者になれば王女とも婚姻できる・・・・・・これはこの世界での常識だった。
「だったら、アルフィーが今から勇者になればいいのよ。私が応援するから勇者の認定試験をうけてみて!」私は懇願した。
アルフィーは私の目を真っ直ぐ見て「王女様が本気で望むなら私は頑張りますよ。必ずなってみせましょう」と言ってくれた。そしてその半年後、見事彼は勇者に認定された。私は父である国王陛下にお願いする。
「アルフィーと婚約させてください。魔物討伐から帰ってきたら結婚したいの」
お父様はかなり迷われた。勇者は剣の達人で人格者。神から祝福された者がなると信じられていたが命を落とすことも多いからだ。
「危険な魔物討伐に定期的に行かなければならない夫を持ったら苦労するよ」
お父様はそうおっしゃって私の考えを改めさせようとしたが私は諦めなかった。私達は晴れて婚約者となり魔物討伐に出発するまでの幸せなひと月を過ごした。
「私の大事な王女様。魔物討伐から帰ってきたらすぐに結婚しよう。必ず元気で帰ってくるから待っていて」
アルフィーはそう言いながら出発していき行方不明になったのだった。
「もう、あれから3年になるよ。諦めて隣国に嫁ぐか公爵の誰かと結婚したらどうかな? アルフィーは残念だが魔物に殺されたのではないかな」
お父様もお兄様もそう言うけれど、諦められない私はそのまま縁談を断り続けていた。必ず私のもとに帰って来てくれると信じていた私だ。
それからしばらくして戻ってきた彼に、私は嬉し涙を流し抱きつこうとしたが・・・・・・できなかった。なぜなら彼の隣には見知らぬ女性と幼い子供がいたから。
「この女性と子供は誰なのですか?」
私は震える声で尋ねた。
「王女殿下。これは私の妻と子供です」
私はその言葉に気を失ったのだった。
4才年上の彼は当時の私には大人に見えて憧れの男性だった。
「アルフィーと結婚できたらいいのに! 私をお嫁さんにしてもらえないかしら?」
その頃の私は身分の差というものに無頓着すぎた。
「光栄ですよ。ですが、とても無理でしょう。私が勇者にでもならない限りは・・・・・・」
勇者になれば王女とも婚姻できる・・・・・・これはこの世界での常識だった。
「だったら、アルフィーが今から勇者になればいいのよ。私が応援するから勇者の認定試験をうけてみて!」私は懇願した。
アルフィーは私の目を真っ直ぐ見て「王女様が本気で望むなら私は頑張りますよ。必ずなってみせましょう」と言ってくれた。そしてその半年後、見事彼は勇者に認定された。私は父である国王陛下にお願いする。
「アルフィーと婚約させてください。魔物討伐から帰ってきたら結婚したいの」
お父様はかなり迷われた。勇者は剣の達人で人格者。神から祝福された者がなると信じられていたが命を落とすことも多いからだ。
「危険な魔物討伐に定期的に行かなければならない夫を持ったら苦労するよ」
お父様はそうおっしゃって私の考えを改めさせようとしたが私は諦めなかった。私達は晴れて婚約者となり魔物討伐に出発するまでの幸せなひと月を過ごした。
「私の大事な王女様。魔物討伐から帰ってきたらすぐに結婚しよう。必ず元気で帰ってくるから待っていて」
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「もう、あれから3年になるよ。諦めて隣国に嫁ぐか公爵の誰かと結婚したらどうかな? アルフィーは残念だが魔物に殺されたのではないかな」
お父様もお兄様もそう言うけれど、諦められない私はそのまま縁談を断り続けていた。必ず私のもとに帰って来てくれると信じていた私だ。
それからしばらくして戻ってきた彼に、私は嬉し涙を流し抱きつこうとしたが・・・・・・できなかった。なぜなら彼の隣には見知らぬ女性と幼い子供がいたから。
「この女性と子供は誰なのですか?」
私は震える声で尋ねた。
「王女殿下。これは私の妻と子供です」
私はその言葉に気を失ったのだった。
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