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14章:四人の約束
#11-8
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甘王は、1階には、店と厨房と休憩室を兼ねた、10畳の居間が一室。そして2階は思いの外狭く、倉庫代わりにしている部屋が一室と、おっちゃんの寝室が一室。それから、裏口から直接後は水回り程度。私の寝床として借りているのは、屋根裏部屋。天井の高さは、2メートルも無いが、幸い、私の身長であれば、充分な高さだった。
それ以外にも、屋根裏部屋は意外と広く、断熱もしっかりしていた。それに、部屋の面積は12畳。意外と過ごしやすいスペースだ。それに、私がここに住むと同時期に、おっちゃんは、エアコンや冷蔵庫、電子レンジといった電子機器も揃えてくれた。
都心からは少し離れてはいるが、私には十分すぎるほど、住みやすいところだ。
だから、これ以上欲望はあまり言うものではないと思う…。それが私の思想だった。
「なるほど。彩ちゃんはマジメだね~。年食ったオジサンの意見としては、若いうちにしか味わえない、遊びも経験しておくことも、勉強の一つだと思うけどね…。」
「そうかな…。」
「そうさ。俺も、彩ちゃんの年頃のときは、かなり遊んでたものさ…。」
「ふ~ん。因みに、おっちゃんが入っていた部活って何?」
「俺は、専ら将棋部だったな。将棋とは言え、チェスやオセロなんかもやってたから、それなりに強いからな…。」
そういえば、おっちゃんと、何度かオセロやチェスをやったことがあるが、一度も勝ったことがない…。
「ふ~ん。やっぱり部活とかサークルって楽しいもの?」
「それはもちろん!と言いたいところだが、楽しみ方は人それぞれだし、同じ部員でも、思想や価値観が違ったりする。それをどうやってまとめられるか。惹き込みやすくするかも、楽しみの一つだと思うよ。
もし何か、誘われてるのがあるんだとしたら、その人の本気度を見てみることだな。
本気で彩ちゃんを欲しいとしてるなら、きっとその子も、本気で彩ちゃんを落としに来ると思うから。」
バンドのメンバーを集めてから、3日が経った。集まったのは、ギター2人とドラム1人。それと、ベースの私1人。楽器隊が揃ったのは良いが、結局肝心のボーカル居ない。
いっその事、ボーカル不在のインストバンドでも良いと思った。だが、ドラムの風子先輩から、メッセージアプリを通じて、連絡が入った。しかも、バンドメンバー用のグループ上で。
私が、了解の返信を送ろうとした時、トヨダ先輩が、『OK!』と書かれた、猫のイラストスタンプを送って来た。
講義中にも関わらずそのギャップに、私は思わず吹き出してしまった。
それ以外にも、屋根裏部屋は意外と広く、断熱もしっかりしていた。それに、部屋の面積は12畳。意外と過ごしやすいスペースだ。それに、私がここに住むと同時期に、おっちゃんは、エアコンや冷蔵庫、電子レンジといった電子機器も揃えてくれた。
都心からは少し離れてはいるが、私には十分すぎるほど、住みやすいところだ。
だから、これ以上欲望はあまり言うものではないと思う…。それが私の思想だった。
「なるほど。彩ちゃんはマジメだね~。年食ったオジサンの意見としては、若いうちにしか味わえない、遊びも経験しておくことも、勉強の一つだと思うけどね…。」
「そうかな…。」
「そうさ。俺も、彩ちゃんの年頃のときは、かなり遊んでたものさ…。」
「ふ~ん。因みに、おっちゃんが入っていた部活って何?」
「俺は、専ら将棋部だったな。将棋とは言え、チェスやオセロなんかもやってたから、それなりに強いからな…。」
そういえば、おっちゃんと、何度かオセロやチェスをやったことがあるが、一度も勝ったことがない…。
「ふ~ん。やっぱり部活とかサークルって楽しいもの?」
「それはもちろん!と言いたいところだが、楽しみ方は人それぞれだし、同じ部員でも、思想や価値観が違ったりする。それをどうやってまとめられるか。惹き込みやすくするかも、楽しみの一つだと思うよ。
もし何か、誘われてるのがあるんだとしたら、その人の本気度を見てみることだな。
本気で彩ちゃんを欲しいとしてるなら、きっとその子も、本気で彩ちゃんを落としに来ると思うから。」
バンドのメンバーを集めてから、3日が経った。集まったのは、ギター2人とドラム1人。それと、ベースの私1人。楽器隊が揃ったのは良いが、結局肝心のボーカル居ない。
いっその事、ボーカル不在のインストバンドでも良いと思った。だが、ドラムの風子先輩から、メッセージアプリを通じて、連絡が入った。しかも、バンドメンバー用のグループ上で。
私が、了解の返信を送ろうとした時、トヨダ先輩が、『OK!』と書かれた、猫のイラストスタンプを送って来た。
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