291 / 309
14章:四人の約束
#11-3
しおりを挟む
「私は、音楽なんてやったこと無いし、楽譜も人並みにしか読めないけど、一度聞けば何となく音は分かる。だからつまらなくてやってないんだけどね…。」
「つまらない…。」
私の言葉に、彼女は眉間にシワを寄せた。
「あ、その、つまらないってのは、そういう意味じゃなくて、聞くのは好きなんだけど、弾けるから、達成感があまりなくて…。」
そこまで言うと、寧々はお弁当を口に掻き込み立ち上がった。
「来週の土曜日17時に、駅前のライブハウスでライブがある。そこに来てほしい。入場料とかは私が奢るから、絶対に来て。詳細は後で教えるから、これに連絡先書いて。」
彼女は、そう言いうと、メモ帳を出し、お弁当を片付け始めた。
「…。」
私は、それに従い、自分の電話番号と、メッセージアプリのIDを記入し、彼女に手渡した。
「絶対だよ!私が音楽が何なのかっていうのを、教えてあげる。」
寧々は相違言い残すと、楽器を背負い、食堂を出ていった…。
「…何?」
何か怒らせることでも口走ってしまっただろうか…。彼女も、拘りすぎるのは嫌だと行っていたから、私のこともわかってくれると思ったが、違ったのか…。
私も、食べ終わった食器を片付け、午後の、講義に向かった。
食堂で合った、あの背の低い娘と分かれた後、一度自宅に戻った。
「お帰り、今日は早かったね。」
案の定、ばあちゃんが出迎えてくれたが、すぐに学校に戻らなければならなかった。
「ばあちゃんただいま、また大学戻らないといけないから。」
そう答え、自室に入り、部屋の隅で眠っていた、楽器ケースに手を掛けた。
「まさか、こんなに早く出番が来るとは思わなかったね…。」
更にベッドの下から引張出したアタッシュケースを掴み、家を出た。
それから時間が経ち、講義が終わった人達は各々、サークル室に向かっていた。
私が、軽音のサークル室に入る頃には、数十人程のメンバーが各々の時間を過ごしていた。私の姿に気が付き、手招きしてくれるメンバーもチラホラ…。
だが今日は、彼等と駄弁りに来たわけではない。
私は彼等の前を通り過ぎ、教卓の前に立った。
「急募します!このサークル内で、一番音楽が好きなメンバーを集めます!加入条件は、私と同等のレベルのリード、バッキングギター、ドラム、ボーカル一名ずつ!」
私はそう言い、背負ってきた楽器、5弦ベースを取り出し、近くのベースアンプに繋いだ。
「先輩でもOBでも誰でもいいです。私のベースを満足させられる人なら、誰でも良いです。」
私は、持っていたベースを一心不乱に弾いた。
「つまらない…。」
私の言葉に、彼女は眉間にシワを寄せた。
「あ、その、つまらないってのは、そういう意味じゃなくて、聞くのは好きなんだけど、弾けるから、達成感があまりなくて…。」
そこまで言うと、寧々はお弁当を口に掻き込み立ち上がった。
「来週の土曜日17時に、駅前のライブハウスでライブがある。そこに来てほしい。入場料とかは私が奢るから、絶対に来て。詳細は後で教えるから、これに連絡先書いて。」
彼女は、そう言いうと、メモ帳を出し、お弁当を片付け始めた。
「…。」
私は、それに従い、自分の電話番号と、メッセージアプリのIDを記入し、彼女に手渡した。
「絶対だよ!私が音楽が何なのかっていうのを、教えてあげる。」
寧々は相違言い残すと、楽器を背負い、食堂を出ていった…。
「…何?」
何か怒らせることでも口走ってしまっただろうか…。彼女も、拘りすぎるのは嫌だと行っていたから、私のこともわかってくれると思ったが、違ったのか…。
私も、食べ終わった食器を片付け、午後の、講義に向かった。
食堂で合った、あの背の低い娘と分かれた後、一度自宅に戻った。
「お帰り、今日は早かったね。」
案の定、ばあちゃんが出迎えてくれたが、すぐに学校に戻らなければならなかった。
「ばあちゃんただいま、また大学戻らないといけないから。」
そう答え、自室に入り、部屋の隅で眠っていた、楽器ケースに手を掛けた。
「まさか、こんなに早く出番が来るとは思わなかったね…。」
更にベッドの下から引張出したアタッシュケースを掴み、家を出た。
それから時間が経ち、講義が終わった人達は各々、サークル室に向かっていた。
私が、軽音のサークル室に入る頃には、数十人程のメンバーが各々の時間を過ごしていた。私の姿に気が付き、手招きしてくれるメンバーもチラホラ…。
だが今日は、彼等と駄弁りに来たわけではない。
私は彼等の前を通り過ぎ、教卓の前に立った。
「急募します!このサークル内で、一番音楽が好きなメンバーを集めます!加入条件は、私と同等のレベルのリード、バッキングギター、ドラム、ボーカル一名ずつ!」
私はそう言い、背負ってきた楽器、5弦ベースを取り出し、近くのベースアンプに繋いだ。
「先輩でもOBでも誰でもいいです。私のベースを満足させられる人なら、誰でも良いです。」
私は、持っていたベースを一心不乱に弾いた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ロンダリングプリンセス―事故物件住みます令嬢―
鬼霧宗作
ミステリー
窓辺野コトリは、窓辺野不動産の社長令嬢である。誰もが羨む悠々自適な生活を送っていた彼女には、ちょっとだけ――ほんのちょっとだけ、人がドン引きしてしまうような趣味があった。
事故物件に異常なほどの執着――いや、愛着をみせること。むしろ、性的興奮さえ抱いているのかもしれない。
不動産会社の令嬢という立場を利用して、事故物件を転々とする彼女は、いつしか【ロンダリングプリンセス】と呼ばれるようになり――。
これは、事故物件を心から愛する、ちょっとだけ趣味の歪んだ御令嬢と、それを取り巻く個性豊かな面々の物語。
※本作品は他作品【猫屋敷古物商店の事件台帳】の精神的続編となります。本作から読んでいただいても問題ありませんが、前作からお読みいただくとなおお楽しみいただけるかと思います。

スパイだけが謎解きを知っている
AAKI
ミステリー
世界的スパイ、荒尾が日本に帰ってきた。早速諜報の仕事に従事しようかというのに、ことごとく事件現場に居合わせてしまう。活動に支障が出るのに目立てない。荒尾は行く先々で出会うヒロインこと沖を探偵役にしたて、さらも様々なスパイ道具も駆使して事件を解決していく。敏腕諜報員とジャーナリストの奇妙なタッグが送るコメディミステリ。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
致死量の愛を飲みほして+
藤香いつき
キャラ文芸
終末世界。
世間から隔離された森の城館で、ひっそりと暮らす8人の青年たち。
記憶のない“あなた”は、彼らに拾われ——
ひとつの物語を終えたあとの、穏やか(?)な日常のお話。
【致死量の愛を飲みほして】その後のエピソード。
単体でも読めるよう調整いたしました。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
国を、民を守るために、武田信玄は独裁者を目指す。
独裁国家が民主国家を数で上回っている現代だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 純粋に国を、民を憂う思いが、粛清の嵐を巻き起こす
【第弐章 川中島合戦】 甲斐の虎と越後の龍、激突す
【第参章 戦争の黒幕】 京の都が、二人の英雄を不倶戴天の敵と成す
【第四章 織田信長の愛娘】 清廉潔白な人々が、武器商人への憎悪を燃やす
【最終章 西上作戦】 武田家を滅ぼす策略に抗うべく、信長と家康打倒を決断す
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる