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14章:四人の約束
#7-4
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「え?そんな噂あったんですか?」
私は思わずそう聞き返した。確かに、傍から見れば、ただ単に仲が良いというには、あまりにも距離が近い…。それは、れとろの九条さんも少し嫉妬するレベルだ…。現に私も、少しだけジェラシーを感じる…。
「人嫌いな香織ちゃんが、一番早く懐いた人だからね…。それは、もう色々な噂が流れたよね…。その時は美穂ちゃん如何にその噂を聞かせないかが大変だったね…。」
噂とはいえ、そんな話が三枝さんの耳に入れば、とんでもないことになりそうだ…。
「まぁ、結局バレちゃって、二人を問い詰めに行ったんだけどね…。」
「やっぱり無理だったんですか…。」
立花さんは頷き、更に続けた。
「その時の香織ちゃんの慌てっぷりは、今でも覚えてる…。ノブさんは、満更でもないみたいだったけど。」
笑い声交じりに、そう言った。
おそらく、香織にとって、そんな噂を立てられたのも、初めての経験だろう…。かくいう私も、そんな経験まずない…。
何と言うか、香織らしいと言えば、らしいのかもしれない…。
「香織がバイトしてるところでも、広瀬さんと似た様な存在の男がいて、何時も何と言うか、仲が良いというか、悪いというか…。しかも、結構な男前で俗に言うイケメンの部類に入る人ですからね…。香織には、何かあるんですかね?」
「ん~。香織ちゃんは可愛いからね…。ちゃんとあの娘を見れば、放っておけないんじゃないかな?私も、ノブさんも、お嬢も、寧々ちゃんも、その店主の人も…。だから、構いたくなるんじゃない?」
構いたくなる…か…。確かに、香織と居る、というよりは、話している方が楽しかったりする…。なるほど、皆知らず知らずのうちに香織のそう言う所に惚れ込んで集まって来るのか…。
「さ、そろそろ、仕上げ、行ける?」
「勿論。後は、タレかけるだけだから、冷めないうちに下さい。」
「良いね良いね!」
私たちが厨房に入ってから約30分。その間に6品を作りだし、それぞれの皿をテーブルに並べた。
「光が入っていたとはいえ、この短時間でこの数とクオリティ…。寧々ちゃん、中々のセンスを持ってるね…。」
「殆ど中華に偏らせちゃったからね…。早くなるのは当然だよ…。それより、私のペースに合わせて貰ってありがとうございます。」
寧々が珍しく頭を下げた。
「良いや、初手で私のやり方を知ってサポートできたのは、中々いないよ…。」
「普段は行き当たりばったりだからな…。」
広瀬さんがそう言った。
私は思わずそう聞き返した。確かに、傍から見れば、ただ単に仲が良いというには、あまりにも距離が近い…。それは、れとろの九条さんも少し嫉妬するレベルだ…。現に私も、少しだけジェラシーを感じる…。
「人嫌いな香織ちゃんが、一番早く懐いた人だからね…。それは、もう色々な噂が流れたよね…。その時は美穂ちゃん如何にその噂を聞かせないかが大変だったね…。」
噂とはいえ、そんな話が三枝さんの耳に入れば、とんでもないことになりそうだ…。
「まぁ、結局バレちゃって、二人を問い詰めに行ったんだけどね…。」
「やっぱり無理だったんですか…。」
立花さんは頷き、更に続けた。
「その時の香織ちゃんの慌てっぷりは、今でも覚えてる…。ノブさんは、満更でもないみたいだったけど。」
笑い声交じりに、そう言った。
おそらく、香織にとって、そんな噂を立てられたのも、初めての経験だろう…。かくいう私も、そんな経験まずない…。
何と言うか、香織らしいと言えば、らしいのかもしれない…。
「香織がバイトしてるところでも、広瀬さんと似た様な存在の男がいて、何時も何と言うか、仲が良いというか、悪いというか…。しかも、結構な男前で俗に言うイケメンの部類に入る人ですからね…。香織には、何かあるんですかね?」
「ん~。香織ちゃんは可愛いからね…。ちゃんとあの娘を見れば、放っておけないんじゃないかな?私も、ノブさんも、お嬢も、寧々ちゃんも、その店主の人も…。だから、構いたくなるんじゃない?」
構いたくなる…か…。確かに、香織と居る、というよりは、話している方が楽しかったりする…。なるほど、皆知らず知らずのうちに香織のそう言う所に惚れ込んで集まって来るのか…。
「さ、そろそろ、仕上げ、行ける?」
「勿論。後は、タレかけるだけだから、冷めないうちに下さい。」
「良いね良いね!」
私たちが厨房に入ってから約30分。その間に6品を作りだし、それぞれの皿をテーブルに並べた。
「光が入っていたとはいえ、この短時間でこの数とクオリティ…。寧々ちゃん、中々のセンスを持ってるね…。」
「殆ど中華に偏らせちゃったからね…。早くなるのは当然だよ…。それより、私のペースに合わせて貰ってありがとうございます。」
寧々が珍しく頭を下げた。
「良いや、初手で私のやり方を知ってサポートできたのは、中々いないよ…。」
「普段は行き当たりばったりだからな…。」
広瀬さんがそう言った。
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