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14章:四人の約束
#6-7
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「まぁ、好きな物ってのは、人それぞれだからね…。私みたいに甘いのが好きな人もいれば、香織ちゃんみたいに、コーヒーとかが好きな人もいる…。それが個性ってものだから、被らないのも当然だよ。」
「そう言う事だな。」
彩の言葉に、広瀬さんが、肯定するように言って出てきた。手には、調理道具のボウルを抱えていた。
「お待たせ…。」
彼はそう言うと、ボウルを近くのベンチの上に置いた。中には、赤や白、緑と色とりどりの丸い玉が、無色透明な液体の中に浮かんで居た。
「ガラではないが、フルーツポンチって奴だ…。」
広瀬さんは、そう言い、おたまと小さい器を、ボウルの近くに置いた。
すかさず、彩がそれを、掬い器に入れ、一口頬張った。
「うん!甘い!」
「相変わらずアンタの鼻の良さには、舌を巻くよ…。」
寧々がそう言いながら、全員分装った。
それを見た、立花さんが、驚愕したような表情をした。
「も、もしかして、寧々ちゃんって、育ち
良い?」
「良いか悪いかは、分からないけど、大半はばあちゃんに育てられたから、悪くはないと思うけど…。」
「こ、この見た目して、ばあちゃん娘だと…。ポイント高過ぎじゃない?」
立花さんが、更に興奮した様にそう三枝さんに耳打ちした。
「私もこう見えてばあちゃん娘だけど、そんな事言われたことも、思われたことも、一度もないなぁ。」
「アンタは、もうそこが知れてるからね…。それ以上でも、それ以下でもないのよ…。」
「それどういう意味よ?」
「それ以上は、辞めようか…。」
一瞬ピリついた空気が流れたが、麻由美のお陰で、事なきを得た。
フルーツポンチというのは、ここでバイトするようになって、何度か食べる様になった。というのも、ここのスイーツ担当の料理人の方がこんな感じで賄いを作ってくれ、何度か作ってくれたことがあるからだ。だが、広瀬さんの作るスイーツというのは、実際食べるのは初めてだ。彼は、元より、料理人。基本的にスイーツを作る機会は少ない。だが、“料理人”という肩書だけで、これ程まで、説得力があるとは思わなかった。実際、まだ食べても居ないのに、美味しさが、見た目からして、伝わってくる…。
「頂きます。」
一口、赤い玉の様な果実を頬張った。案の定、見た目から冊子は付いていたが、この赤玉の正体は、西瓜だった。だが、西瓜独特の甘みとほんの少しある、青臭さはなく、只々、甘みだけが凝縮され、更には、凍らせておいたのか、シャーベット状になっている…。
「そう言う事だな。」
彩の言葉に、広瀬さんが、肯定するように言って出てきた。手には、調理道具のボウルを抱えていた。
「お待たせ…。」
彼はそう言うと、ボウルを近くのベンチの上に置いた。中には、赤や白、緑と色とりどりの丸い玉が、無色透明な液体の中に浮かんで居た。
「ガラではないが、フルーツポンチって奴だ…。」
広瀬さんは、そう言い、おたまと小さい器を、ボウルの近くに置いた。
すかさず、彩がそれを、掬い器に入れ、一口頬張った。
「うん!甘い!」
「相変わらずアンタの鼻の良さには、舌を巻くよ…。」
寧々がそう言いながら、全員分装った。
それを見た、立花さんが、驚愕したような表情をした。
「も、もしかして、寧々ちゃんって、育ち
良い?」
「良いか悪いかは、分からないけど、大半はばあちゃんに育てられたから、悪くはないと思うけど…。」
「こ、この見た目して、ばあちゃん娘だと…。ポイント高過ぎじゃない?」
立花さんが、更に興奮した様にそう三枝さんに耳打ちした。
「私もこう見えてばあちゃん娘だけど、そんな事言われたことも、思われたことも、一度もないなぁ。」
「アンタは、もうそこが知れてるからね…。それ以上でも、それ以下でもないのよ…。」
「それどういう意味よ?」
「それ以上は、辞めようか…。」
一瞬ピリついた空気が流れたが、麻由美のお陰で、事なきを得た。
フルーツポンチというのは、ここでバイトするようになって、何度か食べる様になった。というのも、ここのスイーツ担当の料理人の方がこんな感じで賄いを作ってくれ、何度か作ってくれたことがあるからだ。だが、広瀬さんの作るスイーツというのは、実際食べるのは初めてだ。彼は、元より、料理人。基本的にスイーツを作る機会は少ない。だが、“料理人”という肩書だけで、これ程まで、説得力があるとは思わなかった。実際、まだ食べても居ないのに、美味しさが、見た目からして、伝わってくる…。
「頂きます。」
一口、赤い玉の様な果実を頬張った。案の定、見た目から冊子は付いていたが、この赤玉の正体は、西瓜だった。だが、西瓜独特の甘みとほんの少しある、青臭さはなく、只々、甘みだけが凝縮され、更には、凍らせておいたのか、シャーベット状になっている…。
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