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14章:四人の約束
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「いや~夏っぽいことしたね~。」
花火も西瓜も底が尽き、各々後始末をしている時に、立花さんがそう言った。
「そうですね。私も、久々に童心に帰ったよ。」
周辺に水を撒いていた、三枝さんもそれに賛同した。
「自分の力で稼いで、食べていける様になってからは、花火なんてやる機会がないからねぇ…。」
三枝さんのその言葉に、立花さんも頷いた。
「ちょっと待った。」
彩が、西瓜の皮をゴミ袋に入れようとした時だった。広瀬さんに、待ったを掛けられた。
「どうしたんですか?」
「西瓜は一応ウリ科だからな。ちゃんと調理すれば、皮だって食べられる。」
そう言い、西瓜の皮たちを、お盆毎拾い上げ、本館の方へと消えて行った。
「西瓜の皮、食べるんですかね…。」
「あら、知らない?西瓜の皮は、サラダや漬物、和え物なんかに出来たりするんだよ?」
得意げに、立花さんがそう言った。
「へぇ~知らなかった…。」
そう彩が応え、近くのベンチに腰を掛けた。
「今度私も作ってみようかな…。」
「レシピ教える?」
彩は頷き、立花さんと連絡先を交換し始めた。
「お待たせ。」
「あ、あんた達、重い物頼みすぎ…。」
そうこうしていると、寧々と麻由美が、本館の方から戻ってきた。大量のジュースや飲み物を抱えて…。
先の線香花火の対決(仕切り直し戦)で、まさかの麻由美が、一番最初に火種を落としてしまい、約束通り、罰ゲームとして、全員分の飲み物を、奢らされていた。それに、寧々が荷物持ちとして、同行していったのだった。
「お嬢、悪いですね…。でも、勝負だから、仕方ないですよね…。」
三枝さんがそう言い、麻由美が持ってきた、黒烏龍茶を手に取った。
それに釣られる様に、各々、自分の飲み物を手に取った。
私は、明日の朝用に、缶コーヒーを頼んでおいたが…。麻由美が勝ってきてくれたコーヒーは、一度も飲んだことのない、メーカーのだった…。
「今、売店でそれしか売ってなかったの…。悪いけど、許して…。」
表情に出ていたのか、麻由美にそう言われた。
「大丈夫、眠気覚ましに飲むだけだから。」
「それよりも、こうやって見ると、皆個性が判れますね。」
寧々が、それぞれ手に取った、飲み物を見ながらそう言った。
立花さんは、ミルクティー。寧々は炭酸系のジュース。彩はオレンジジュース。三枝さんは、黒烏龍茶。広瀬さんは、緑茶と、それぞれバラバラだ…。
「確かに…。これだけいれば、ダブってしまっても良い物なのにね…。」
三枝さんはそう言い、黒烏龍茶に口を付けた。
花火も西瓜も底が尽き、各々後始末をしている時に、立花さんがそう言った。
「そうですね。私も、久々に童心に帰ったよ。」
周辺に水を撒いていた、三枝さんもそれに賛同した。
「自分の力で稼いで、食べていける様になってからは、花火なんてやる機会がないからねぇ…。」
三枝さんのその言葉に、立花さんも頷いた。
「ちょっと待った。」
彩が、西瓜の皮をゴミ袋に入れようとした時だった。広瀬さんに、待ったを掛けられた。
「どうしたんですか?」
「西瓜は一応ウリ科だからな。ちゃんと調理すれば、皮だって食べられる。」
そう言い、西瓜の皮たちを、お盆毎拾い上げ、本館の方へと消えて行った。
「西瓜の皮、食べるんですかね…。」
「あら、知らない?西瓜の皮は、サラダや漬物、和え物なんかに出来たりするんだよ?」
得意げに、立花さんがそう言った。
「へぇ~知らなかった…。」
そう彩が応え、近くのベンチに腰を掛けた。
「今度私も作ってみようかな…。」
「レシピ教える?」
彩は頷き、立花さんと連絡先を交換し始めた。
「お待たせ。」
「あ、あんた達、重い物頼みすぎ…。」
そうこうしていると、寧々と麻由美が、本館の方から戻ってきた。大量のジュースや飲み物を抱えて…。
先の線香花火の対決(仕切り直し戦)で、まさかの麻由美が、一番最初に火種を落としてしまい、約束通り、罰ゲームとして、全員分の飲み物を、奢らされていた。それに、寧々が荷物持ちとして、同行していったのだった。
「お嬢、悪いですね…。でも、勝負だから、仕方ないですよね…。」
三枝さんがそう言い、麻由美が持ってきた、黒烏龍茶を手に取った。
それに釣られる様に、各々、自分の飲み物を手に取った。
私は、明日の朝用に、缶コーヒーを頼んでおいたが…。麻由美が勝ってきてくれたコーヒーは、一度も飲んだことのない、メーカーのだった…。
「今、売店でそれしか売ってなかったの…。悪いけど、許して…。」
表情に出ていたのか、麻由美にそう言われた。
「大丈夫、眠気覚ましに飲むだけだから。」
「それよりも、こうやって見ると、皆個性が判れますね。」
寧々が、それぞれ手に取った、飲み物を見ながらそう言った。
立花さんは、ミルクティー。寧々は炭酸系のジュース。彩はオレンジジュース。三枝さんは、黒烏龍茶。広瀬さんは、緑茶と、それぞれバラバラだ…。
「確かに…。これだけいれば、ダブってしまっても良い物なのにね…。」
三枝さんはそう言い、黒烏龍茶に口を付けた。
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