レトロな事件簿

八雲 銀次郎

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14章:四人の約束

#1-5

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 音楽には、色々なジャンルがある。それに、伴い、主に使用される楽器も、異なって来る。
更に、一概に、音楽が好きと言っても、クラシックが好きな人もいれば、ポップス系や、ロック系が好きな人もいる。だから、音楽性の違いで、バンドやユニットが、解散してしまうという事は、珍しくもない。
 だが、寧々の場合は、どうやら、それとは、違うらしい。
 憧れた人が居る。寧々と違うのは、音楽を、やり始めてから、その存在が、現れた事だ。
 他人に憧れるという感覚は、生憎私には、持ち合わせていない為、よくは分からないが、その人の人生の根幹を揺する存在、と言うのは、何となくだが、伝わった。
 「へぇ~。ちなみに、寧々の好きな、ジャンルって何なの?」
 「ん~、その時次第かな…。特別好きな、曲や、ジャンルは、無いし、プレイヤーに入っているのも、クラシックとかもあれば、アニソンとかも、そこそこ、入ってる。自分が、好きだなぁ、って思ったやつは、何でも好きかな?」
 寧々は、愛用の青色の音楽プレイヤーを、操作し、そう答えた。
 「寧々は、所謂、雑食系ってやつ。多種多様な曲や、ジャンルを、選り好みするタイプ。
 だから、他のバンドチームからも、人気あるし、助っ人頼まれることも、即席バンドを頼まれることも、少なくない。」
 「まぁ、乗気じゃないことが多いから、基本的に、断る事の方が多いけど…。」
 彩の説明に、補足するように、寧々が、付け加えた。

 「そう言う、彩は、中学から、軽音系だったんでしょ?切っ掛けは何だったの?」
 前に、本人が、言っていた。彼女は、生粋の鍵盤楽器奏者だという事。鍵盤楽器と言えば、最初に思い浮かべるのは、ピアノだろう。だが、彩は、ピアノではなく、電子楽器のキーボードと言う物を選んだ。
 その理由を一度聞いてみたかった。
 「他に、ピアノを活かせる部活がなかったからかなぁ…。吹奏楽部や、合唱部でも、ピアノは、扱えるけど、あんな堅い環境は、私には、合わなかったから、愛好会だったけど、軽音に所属した。
 文化祭とかくらいしか、見せ場はないけど、毎年、それなりに盛り上がるから、あれはあれで、楽しかったよ。」
 「ちなみに、ピアノを始めたきっかけって何だったの?」
 寧々が、訊ねた。
 「私がまだ、小学校上がったばかりの頃、お姉が、昼休みに音楽室のピアノ借りて、弾いて居たのが、切っ掛けかな。それから、お姉にピアノの弾き方を教わって、中学になる頃には、簡単な楽譜なら、ある程度は、弾けるようになった。それが、私のピアノの始まりかな。」
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