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番外編:1今井真香の事件簿
#21
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「ウチの赤城を、嗾けたんですか?」
「そんな人聞きの悪いこと、言わないでもらえる?あたしは、あの子に、貴女のパソコンを起動させ、ログインしてもらう様に、お願いしただけよ?
あとは、あたし権限で、朝倉ちゃんと情シスに、調べさせた。」
ただそれだけでは。パスワードを、探し出して、暗号化されたデータを、解凍することは、ほぼ不可能だ。
こういう時の為に、私の会社では、パスワード記録ツールを使っているのだが、鈴木課長は、それを使わず、面倒なことに、一々パスワードを変えていた…。
だけど…。
『キーロガーって、知っていますか?』
朝倉ちゃんが、会議室に向かって、そう訊ねた。
キーロガー。パソコンのキーボードの操作内容を、記録するソフトウェアのことだ。こういうときもあろうかと、我が社のパソコン前代に、それを、こっそりと導入している。
本来は、私や、副社長、専務、情報システム課長の四人しか、そのソフトウェアの存在を知らない…。
『ですので、キーボードの打鍵記録は、社長の一声で、収集することが可能です。その記録の中から、パスワードと思わしき、“ランダムな英数字”を、発掘いたしました。時間はかかりましたが、社長が時間を稼いで頂けたので、何とか間に合いました。』
「これで、もう言い訳できないわよね?そろそろ観念したらどう?」
私がそういうと、彼女は、力が抜けた様に、自分の椅子に、座った。
「やはり、社長には、敵いませんか…。」
鈴木課長が、ぽつりぽつりと、話始めた。
私が、スパイをするようになったのは、今から約一年前から…。
他社交流会の飲み会に参加した時、アザレア“の営業部の、松戸さんと知り合ったのがきっかけだった。
当時は、私もこんな話、断っていたのだが、彼の話術に、簡単に騙されてしまった。
それ以降、私は、このクラウンの企画内容を、メールで、横流しする用になった。
自分でも、悪いことをしているのは、自覚があった。それでも、バレるかバレないかの、瀬戸際の、緊張感を楽しんでいる自分が、居た。
そんな中、企画そのものを、変えかねない人物が居れば、ギリギリの範囲内で、いびり、退社させ、企画に携わることを、させなかった。だから、今回も、赤城柳子を、いびり倒し、退社をさせようともくろんでいたが、そうは、行かなかった…。
「いつから、怪しんでたんです?」
鈴木課長が、そう訊ねてきた。
「その飲み会以直後からよ。あたしは、お酒強いから、簡単に酔いつぶれないし、一度聞いたことは、忘れない。だから、今年に入って、秘書を雇うことにしたの。」
「そんな人聞きの悪いこと、言わないでもらえる?あたしは、あの子に、貴女のパソコンを起動させ、ログインしてもらう様に、お願いしただけよ?
あとは、あたし権限で、朝倉ちゃんと情シスに、調べさせた。」
ただそれだけでは。パスワードを、探し出して、暗号化されたデータを、解凍することは、ほぼ不可能だ。
こういう時の為に、私の会社では、パスワード記録ツールを使っているのだが、鈴木課長は、それを使わず、面倒なことに、一々パスワードを変えていた…。
だけど…。
『キーロガーって、知っていますか?』
朝倉ちゃんが、会議室に向かって、そう訊ねた。
キーロガー。パソコンのキーボードの操作内容を、記録するソフトウェアのことだ。こういうときもあろうかと、我が社のパソコン前代に、それを、こっそりと導入している。
本来は、私や、副社長、専務、情報システム課長の四人しか、そのソフトウェアの存在を知らない…。
『ですので、キーボードの打鍵記録は、社長の一声で、収集することが可能です。その記録の中から、パスワードと思わしき、“ランダムな英数字”を、発掘いたしました。時間はかかりましたが、社長が時間を稼いで頂けたので、何とか間に合いました。』
「これで、もう言い訳できないわよね?そろそろ観念したらどう?」
私がそういうと、彼女は、力が抜けた様に、自分の椅子に、座った。
「やはり、社長には、敵いませんか…。」
鈴木課長が、ぽつりぽつりと、話始めた。
私が、スパイをするようになったのは、今から約一年前から…。
他社交流会の飲み会に参加した時、アザレア“の営業部の、松戸さんと知り合ったのがきっかけだった。
当時は、私もこんな話、断っていたのだが、彼の話術に、簡単に騙されてしまった。
それ以降、私は、このクラウンの企画内容を、メールで、横流しする用になった。
自分でも、悪いことをしているのは、自覚があった。それでも、バレるかバレないかの、瀬戸際の、緊張感を楽しんでいる自分が、居た。
そんな中、企画そのものを、変えかねない人物が居れば、ギリギリの範囲内で、いびり、退社させ、企画に携わることを、させなかった。だから、今回も、赤城柳子を、いびり倒し、退社をさせようともくろんでいたが、そうは、行かなかった…。
「いつから、怪しんでたんです?」
鈴木課長が、そう訊ねてきた。
「その飲み会以直後からよ。あたしは、お酒強いから、簡単に酔いつぶれないし、一度聞いたことは、忘れない。だから、今年に入って、秘書を雇うことにしたの。」
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