206 / 309
番外編:1今井真香の事件簿
#21
しおりを挟む
「ウチの赤城を、嗾けたんですか?」
「そんな人聞きの悪いこと、言わないでもらえる?あたしは、あの子に、貴女のパソコンを起動させ、ログインしてもらう様に、お願いしただけよ?
あとは、あたし権限で、朝倉ちゃんと情シスに、調べさせた。」
ただそれだけでは。パスワードを、探し出して、暗号化されたデータを、解凍することは、ほぼ不可能だ。
こういう時の為に、私の会社では、パスワード記録ツールを使っているのだが、鈴木課長は、それを使わず、面倒なことに、一々パスワードを変えていた…。
だけど…。
『キーロガーって、知っていますか?』
朝倉ちゃんが、会議室に向かって、そう訊ねた。
キーロガー。パソコンのキーボードの操作内容を、記録するソフトウェアのことだ。こういうときもあろうかと、我が社のパソコン前代に、それを、こっそりと導入している。
本来は、私や、副社長、専務、情報システム課長の四人しか、そのソフトウェアの存在を知らない…。
『ですので、キーボードの打鍵記録は、社長の一声で、収集することが可能です。その記録の中から、パスワードと思わしき、“ランダムな英数字”を、発掘いたしました。時間はかかりましたが、社長が時間を稼いで頂けたので、何とか間に合いました。』
「これで、もう言い訳できないわよね?そろそろ観念したらどう?」
私がそういうと、彼女は、力が抜けた様に、自分の椅子に、座った。
「やはり、社長には、敵いませんか…。」
鈴木課長が、ぽつりぽつりと、話始めた。
私が、スパイをするようになったのは、今から約一年前から…。
他社交流会の飲み会に参加した時、アザレア“の営業部の、松戸さんと知り合ったのがきっかけだった。
当時は、私もこんな話、断っていたのだが、彼の話術に、簡単に騙されてしまった。
それ以降、私は、このクラウンの企画内容を、メールで、横流しする用になった。
自分でも、悪いことをしているのは、自覚があった。それでも、バレるかバレないかの、瀬戸際の、緊張感を楽しんでいる自分が、居た。
そんな中、企画そのものを、変えかねない人物が居れば、ギリギリの範囲内で、いびり、退社させ、企画に携わることを、させなかった。だから、今回も、赤城柳子を、いびり倒し、退社をさせようともくろんでいたが、そうは、行かなかった…。
「いつから、怪しんでたんです?」
鈴木課長が、そう訊ねてきた。
「その飲み会以直後からよ。あたしは、お酒強いから、簡単に酔いつぶれないし、一度聞いたことは、忘れない。だから、今年に入って、秘書を雇うことにしたの。」
「そんな人聞きの悪いこと、言わないでもらえる?あたしは、あの子に、貴女のパソコンを起動させ、ログインしてもらう様に、お願いしただけよ?
あとは、あたし権限で、朝倉ちゃんと情シスに、調べさせた。」
ただそれだけでは。パスワードを、探し出して、暗号化されたデータを、解凍することは、ほぼ不可能だ。
こういう時の為に、私の会社では、パスワード記録ツールを使っているのだが、鈴木課長は、それを使わず、面倒なことに、一々パスワードを変えていた…。
だけど…。
『キーロガーって、知っていますか?』
朝倉ちゃんが、会議室に向かって、そう訊ねた。
キーロガー。パソコンのキーボードの操作内容を、記録するソフトウェアのことだ。こういうときもあろうかと、我が社のパソコン前代に、それを、こっそりと導入している。
本来は、私や、副社長、専務、情報システム課長の四人しか、そのソフトウェアの存在を知らない…。
『ですので、キーボードの打鍵記録は、社長の一声で、収集することが可能です。その記録の中から、パスワードと思わしき、“ランダムな英数字”を、発掘いたしました。時間はかかりましたが、社長が時間を稼いで頂けたので、何とか間に合いました。』
「これで、もう言い訳できないわよね?そろそろ観念したらどう?」
私がそういうと、彼女は、力が抜けた様に、自分の椅子に、座った。
「やはり、社長には、敵いませんか…。」
鈴木課長が、ぽつりぽつりと、話始めた。
私が、スパイをするようになったのは、今から約一年前から…。
他社交流会の飲み会に参加した時、アザレア“の営業部の、松戸さんと知り合ったのがきっかけだった。
当時は、私もこんな話、断っていたのだが、彼の話術に、簡単に騙されてしまった。
それ以降、私は、このクラウンの企画内容を、メールで、横流しする用になった。
自分でも、悪いことをしているのは、自覚があった。それでも、バレるかバレないかの、瀬戸際の、緊張感を楽しんでいる自分が、居た。
そんな中、企画そのものを、変えかねない人物が居れば、ギリギリの範囲内で、いびり、退社させ、企画に携わることを、させなかった。だから、今回も、赤城柳子を、いびり倒し、退社をさせようともくろんでいたが、そうは、行かなかった…。
「いつから、怪しんでたんです?」
鈴木課長が、そう訊ねてきた。
「その飲み会以直後からよ。あたしは、お酒強いから、簡単に酔いつぶれないし、一度聞いたことは、忘れない。だから、今年に入って、秘書を雇うことにしたの。」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ガルダ二ズム
三隈 令
ミステリー
消えた弟を追って、姉である加山夏海は立入禁止区域へと足を踏み入れる──
倫理崩壊系ミステリー
─────────────────────────
この作品は【カクヨム】でも公開しています。
─────────────────────────
【本編完結】繚乱ロンド
由宇ノ木
ライト文芸
番外編は時系列順ではありません。
更新日 2/12 『受け継ぐ者』
更新日 2/4 『秘密を持って生まれた子 3』(全3話)
02/01『秘密を持って生まれた子 2』
01/23『秘密を持って生まれた子 1』
01/18『美之の黒歴史 5』(全5話)
12/30『とわずがたり~思い出を辿れば~2,3』
12/25『とわずがたり~思い出を辿れば~1 』
本編は完結。番外編を不定期で更新。
11/11~11/19『夫の疑問、妻の確信1~3』
10/12 『いつもあなたの幸せを。』
9/14 『伝統行事』
8/24 『ひとりがたり~人生を振り返る~』
お盆期間限定番外編 8月11日~8月16日まで
『日常のひとこま』は公開終了しました。
7/31 『恋心』・・・本編の171、180、188話にチラッと出てきた京司朗の自室に礼夏が現れたときの話です。
6/18 『ある時代の出来事』
-本編大まかなあらすじ-
*青木みふゆは23歳。両親も妹も失ってしまったみふゆは一人暮らしで、花屋の堀内花壇の支店と本店に勤めている。花の仕事は好きで楽しいが、本店勤務時は事務を任されている二つ年上の林香苗に妬まれ嫌がらせを受けている。嫌がらせは徐々に増え、辟易しているみふゆは転職も思案中。
林香苗は堀内花壇社長の愛人でありながら、店のお得意様の、裏社会組織も持つといわれる惣領家の当主・惣領貴之がみふゆを気に入ってかわいがっているのを妬んでいるのだ。
そして、惣領貴之の懐刀とされる若頭・仙道京司朗も海外から帰国。みふゆが貴之に取り入ろうとしているのではないかと、京司朗から疑いをかけられる。
みふゆは自分の微妙な立場に悩みつつも、惣領貴之との親交を深め養女となるが、ある日予知をきっかけに高熱を出し年齢を退行させてゆくことになる。みふゆの心は子供に戻っていってしまう。
令和5年11/11更新内容(最終回)
*199. (2)
*200. ロンド~踊る命~ -17- (1)~(6)
*エピローグ ロンド~廻る命~
本編最終回です。200話の一部を199.(2)にしたため、199.(2)から最終話シリーズになりました。
※この物語はフィクションです。実在する団体・企業・人物とはなんら関係ありません。架空の町が舞台です。
現在の関連作品
『邪眼の娘』更新 令和7年1/25
『月光に咲く花』(ショートショート)
以上2作品はみふゆの母親・水無瀬礼夏(青木礼夏)の物語。
『恋人はメリーさん』(主人公は京司朗の後輩・東雲結)
『繚乱ロンド』の元になった2作品
『花物語』に入っている『カサブランカ・ダディ(全五話)』『花冠はタンポポで(ショートショート)』

探偵注文所‐アラカルト‐
八雲 銀次郎
ミステリー
『探偵注文所』のスピンオフ作品。
ホームズメンバーや警察関係者のサブストーリーを掲載しています。
次話公開時間:毎週土・日曜日朝9:00
本職都合のため、急遽予定が変更されたり、休載する場合もあります。

『異能収容所 -三人目の参加者-』
ソコニ
ミステリー
異能者を監視し管理する秘密施設「囚所」。
そこに拘束された城田雅樹は、嘘をついている人の瞳孔が赤く見える「偽証読取」の能力を持つ。
謎の「三人目の参加者」とは誰なのか。
三人の記憶に埋もれた共通の過去とは何か。そして施設の真の目的とは—。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる