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番外編:1今井真香の事件簿
#7
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「どういたしまして。それより、二日酔いとか大丈夫?あたしは、駄目っぽいけど…。」
「全然平気です。と言えば、嘘になりますが、仕事に支障がない分は、大丈夫です。」
彼女の顔色を見るに、それは、間違いなさそうだ…。
「じゃぁ、そこにある飲み物、好きな方、持って行って。最初から上げるつもりで買ったから、気にしないで。」
「あ、ありがとうございます!じゃぁ、お茶で…。」
そう言うと、彼女は、“誰かに呼ばれる様な”名前をした、緑茶を手に取った。
「あ…。」
「え?」
私が、間の抜けた声を、上げると、柳子も、それにつられ、少し動揺した様な、声を上げた…。
「あたしが飲もうと思ってたのに…。」
「そ、そうだったんですか?すみません!」
更に、慌てた様に、緑茶のペットボトルを、テーブルに置き直そうとした。
「冗談だって。“好きな方”って、あたしが言ったんだから、持ってって良いよ。それに、あたしには、これがあるし。」
私は、鞄から、ピンクの魔法瓶を取り出した。
「何ですかそれ?麦茶ですか?」
その質問に、私は、首を横に振った。
「コーヒー。あたしのよ…………知り合いの子が、毎朝淹れてくれるの。見習いとは言え、本職だから、結構美味しいよ。豆も毎日変えてくれるし。」
「社長、今なんて言おうとしたんですか?」
朝倉さんのツッコみはとりあえず、スルーした方が、身の為だろう…。
「コ、コーヒーですか⁉」思いのほか、彼女が食いついた。
「あら?コーヒー好きなの?」
「はい!それはもう!休みの日とかは、カフェ巡りしたり、自家製珈琲豆販売店とか、行きまくるくらいに…。」
完全に自分の世界に、入り込んでしまったらしい…。あの子もたまに、こういう一面を見せるから、可愛かったりする…。
「し、失礼しました!私、珈琲には目が無くて…。」
恥ずかしそうに、謝る仕草は、何となく、あの子に似ている…。それが、何故か、可笑しく、笑えた…。
「別に構わないよ。あたしのその知り合いも、似た様な子だから。それより、そろそろ、始業時間よ。早く、持ち場に、戻りなさい。」
「すいません、長々と居座ってしまって…。では、失礼します。お茶、ありがとうございました。」
そう言い残し、柳子は部屋を出て行った。
「そろそろ、私も連れて行って下さいよ…。その社長が、お手伝いしている、『レトロ』ってバー。気になって、色々なサイトとか、見ているのに、全く情報掴めなくて…。場所位、教えて下さい。」
朝倉さんが、仕事の準備をしつつ、そう嘆いた。
「ごめん。それは、秘密♡」
「全然平気です。と言えば、嘘になりますが、仕事に支障がない分は、大丈夫です。」
彼女の顔色を見るに、それは、間違いなさそうだ…。
「じゃぁ、そこにある飲み物、好きな方、持って行って。最初から上げるつもりで買ったから、気にしないで。」
「あ、ありがとうございます!じゃぁ、お茶で…。」
そう言うと、彼女は、“誰かに呼ばれる様な”名前をした、緑茶を手に取った。
「あ…。」
「え?」
私が、間の抜けた声を、上げると、柳子も、それにつられ、少し動揺した様な、声を上げた…。
「あたしが飲もうと思ってたのに…。」
「そ、そうだったんですか?すみません!」
更に、慌てた様に、緑茶のペットボトルを、テーブルに置き直そうとした。
「冗談だって。“好きな方”って、あたしが言ったんだから、持ってって良いよ。それに、あたしには、これがあるし。」
私は、鞄から、ピンクの魔法瓶を取り出した。
「何ですかそれ?麦茶ですか?」
その質問に、私は、首を横に振った。
「コーヒー。あたしのよ…………知り合いの子が、毎朝淹れてくれるの。見習いとは言え、本職だから、結構美味しいよ。豆も毎日変えてくれるし。」
「社長、今なんて言おうとしたんですか?」
朝倉さんのツッコみはとりあえず、スルーした方が、身の為だろう…。
「コ、コーヒーですか⁉」思いのほか、彼女が食いついた。
「あら?コーヒー好きなの?」
「はい!それはもう!休みの日とかは、カフェ巡りしたり、自家製珈琲豆販売店とか、行きまくるくらいに…。」
完全に自分の世界に、入り込んでしまったらしい…。あの子もたまに、こういう一面を見せるから、可愛かったりする…。
「し、失礼しました!私、珈琲には目が無くて…。」
恥ずかしそうに、謝る仕草は、何となく、あの子に似ている…。それが、何故か、可笑しく、笑えた…。
「別に構わないよ。あたしのその知り合いも、似た様な子だから。それより、そろそろ、始業時間よ。早く、持ち場に、戻りなさい。」
「すいません、長々と居座ってしまって…。では、失礼します。お茶、ありがとうございました。」
そう言い残し、柳子は部屋を出て行った。
「そろそろ、私も連れて行って下さいよ…。その社長が、お手伝いしている、『レトロ』ってバー。気になって、色々なサイトとか、見ているのに、全く情報掴めなくて…。場所位、教えて下さい。」
朝倉さんが、仕事の準備をしつつ、そう嘆いた。
「ごめん。それは、秘密♡」
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